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薬から『患者を守る』仕事

今回は、「私の考える薬剤師の役割とは何か」、について書いてみたいと思います。

薬局。「薬屋さん」と呼ばれることもしばしば。
薬屋さんと聞くと、薬を使って病気を治してくれそう!って感じがしますね。
もちろん、そうです。薬局は患者さんの病気を治す、良くするためにお薬を提供しています。

私が普段、患者さんにお渡しする薬のほとんどは”医療用医薬品”というものに分類されています。(※調剤薬局でも一般用医薬品は購入できます)

くすり

医師が書いた処方箋に基づき、その薬を”適切に”お渡しします。
ただ、処方箋に書いてある薬をその通りにお渡しすれば”適切”というわけではありません。私たち薬剤師は、あらゆる専門知識を使って、処方された薬が、患者さんが飲んでも問題ない薬なのか、量は合っているのか、腎臓や肝臓の機能は問題ないのか、他で飲んでいる薬との相性は悪くないのか、などを考え、”適切”かどうかを判断しています。時には、処方した医師に変更の提案をさせて頂きます。(疑義照会)

優秀な薬が必ずしもに”安全に使える”とは限らないのです。

そう、安全とは限らないのです。

当たり前のことですが、薬は有効性を求めるのと同じレベルまたはそれ以上に安全であるかどうかが重要です。

薬剤師の専門知識は、この”安全性”を担保するために使うものだと考えています。もちろん病気を治したり、より良い治療を進めるためにも使う知識ですが、最も意識すべきところは”安全性”です。
クスリは反対から読むとリスクになるくらいですから。
たまたまとは思えないですよね。

つまり、薬の主作用だけではなく、副作用を強く意識しています。薬の副作用は、薬を飲んですぐに出るもの、長く継続することで出てくるもの、薬の量が変わることによって出やすいものなど様々です。
薬の種類、特徴によって、未然に防げるもの、初期で発見することで重篤化を防げるものを注意深く観察していきます。

どのようにして確認していくのか。

副作用の所見はいろいろな形で現れてきます。食欲低下、眠気、倦怠感など患者さんの訴え、顔色、表情、歩き方の変化、血液検査の結果、血圧や脈拍、呼吸音などのバイタルサインなどなど・・・。
薬を服用する前と後での変化を注意深く確認していきます。

薬剤師も血液検査の結果を確認します。
血圧や脈拍を測定します。
聴診器だって使います。

”薬剤師の視点”で患者さんをいろいろな角度からみています。

すべては薬から『患者を守る』ために。


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