「ゼロベース思考」で問題を解決する。「変化」こそが成長のエンジンになる。
「問題解決プロフェッショナル『思考と技術』」を読んでます。
1997年に出版され、なんと35刷、それから新版になって10刷もされていて、ロング中のロングセラー本です。この中で書かれている「ゼロベース思考」について解説していきます。
うまくいっている時ほど「変化」を避けてしまう
新規参入した時には画期的だったサービスでも、いつのまにか時代に合わなくなったり、競合が増えたりで、気がついたらうまくいかなくなっている、ということがよく起こっています。
自動車業界でも大きな変化が起こっていて、ソフトで自動車をアップデートできるテスラの株価はうなぎのぼりです。従来の考え方であれば、テスラの思想を真似ることもむずかしいはず。
そもそも車を使う意味をみんなが考えている時代で、車も「所有する」から「シェアする」人たちが増えています。昔のように車をつくるだけでは売れなくなった。これも世の中の「変化」です。
だからこそ、うまくいってもあぐらをかかず、世の中を見続けて「変化」させていく必要がありますが、この「変化」が一番むずかしい・・・。
なぜならうまくいっている時ほど現状を維持しようとするからです。誰もうまくいってるのに変えよう、なんて思いません。
でも競合や時代の変化によって、ニーズが変わっていった時に気がつかないと、気がついた時にはユーザーが離れてしまった、ということが起こります。このようなことが起こる理由は成功した原因を手放せなくなるからだと思います。うまくいったことを経験として記憶してしまうから、やりつづけてしまう。
しかし、さきほども書いたように、世の中が変わればサービスへ求めることも変わっていっているということを忘れないようにしないといけません。だからこそ、ゼロベースで「新しい価値」を考え直す必要があります。
でも、そこで邪魔をするのがみずからの成功経験。長くつづけていくほど「思い込み」は強くなり、既成の枠の中で考えてしまうのでゼロベースで考えることができません。
なぜ長くやるほど「思い込み」が増えるのか
経験を積むほど、自分の中での常識が積み上がっていきます。
これは個人レベルでもそうで、ベテランになればなるほど、既成の枠にとらわれて新しいアイデアが出なくなってきます。逆に業界のことをよくしらない方が画期的なアイデアがでやすい。長くそこにいると知らないうちに「思い込み」を作ってしまうからです。
個人的な、かなりしょぼい事例で申し訳ないですが、こんなことがありました。とあるサービスの中で、特定のURLのfacebookシェア数を取得するというプログラムがありました。
たとえば、noteだとシェア数は3247です。
しかし、そのサービスを使って新しくシェアされた数を取得したい、という要望が上がりました。
僕は反射的にそれはできないんじゃないか、と答えそうになったものの「本当にできないか?」と考えたとき、URLの後ろに?hogeなどクエリをつければ判別できそうだ、ということに気づきます。これで別のURLとしてカウントできる。
これも、既成の枠からはみ出して「本当にそうか?」を疑ったから、思いついたことでした。脊髄反射的にそれはできないです、と答えそうになることは山ほどあります。
これは過去の前提や経験があって、勝手に常識をつくっちゃってるということです。このような経験が積み上がるので、自分の中で新しいアイデアを考える時に無意識に制限を作ってしまっています。
何か「問い」や「課題」がでてきた時に「この課題を解決する方法は必ずある」という前提でゼロベースで考えることが必要です。
「ゼロベース思考」で考える
著者がいうには「顧客にとっての価値を考える」ということです。
ドトールコーヒーは当時、1杯500円が当たり前の時代に、1杯150円という画期的な価格で美味しいコーヒーをだしました。既存の枠で考えると「ありえない価格」でした。
ここを前提から疑って顧客目線で「安く美味しいコーヒーは本当にだせないのか?」を考えたからこそ、この低価格を実現できました。すでに500円で売っていたところではおよそ発想できないことだと思います。
(ちなみにドトールは海外からマシーンを買い付けたことで1日に1,000杯作れるようになったそうです。当時、これだけのコーヒーをつくるのは不可能だと思われていた)
気がついたら、ユーザーがいなくなってしまった・・・ということを避けるためにうまくいってもあぐらをかかず、常に「ユーザーが求めていることはなんだろう?」を問い続けて、ゼロベースで考えていくことが大切だということを学びました。
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