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伝えることの大切さ

わたしは、フランス・ノルマンディの伝統的なシードルHEROUT(エルー)を日本にご紹介しているのですが、なぜ、どうして、この活動をはじめたかについてのお話です。

まずは2016年、HEROUT(エルー)の2代目オーナーであるマリーアニエス・エルーと出逢ったことから始まります。当時わたしはオーガニックやビオディナミなどの自然派ワインの資料作成やイベントに携わっていました。
ワインやスピリッツの見本市での仕事で、私の担当したコーナーはオーガニック生産者の共同のブースで、アルザス、ボルドー、ロワールなど様々な土地から8名の生産者が参加し、日本への輸出のプロモーションをしていました。丸2日間一緒に過ごす中で、彼女の造るシードル、カルバドス、ポモーなどについて知り、彼女の誠実で温かい人柄にひかれ印象に強く残りました。そして「本当のシードルを飲んだことがある?」と言って飲ませてくれたシードルは、これまでに味わったことのないような複雑な香りと味わい。それまでガレットやクレープに合わせて飲んだことしかなく、現地ではもっと幅広く料理と共に楽しむものと聞き興味を持ちました。

そもそも、オーガニックワインについては、個人的な体験がありました。ワインの味わいは好きなのに、飲むと皮膚に赤みや痒みがでる体質だったのです。アトピーやアレルギーがあるので、もともと皮膚が弱い部分が真っ赤になり、パンダみたいに目の周りが赤くなったり、部分的に斑になって痒みがでます。それが、ある時オーガニックのワインを飲んだところ、反応がまったく違う、痒みもでない、不思議に思って鏡をみると頬がほんのり桜色になった、いわゆる「ほろ酔い」の顔色。強い痒みや赤みが体からの警告だとしたら、これは体が拒否反応を示していない、身を持って体感したオーガニックワインでした。
その後、オーガニック栽培を続けている生産者さん達からは、一般的な畑とオーガニック栽培の労働者の寿命の違い、子供達の学校給食をオーガニックに変える取組みなど、現場のリアルなお話をたくさん聞く事ができました。更に三人の子供のうち、一人が重度のマルチアレルギーだったこともあり、常に健康を考え、農薬や添加物を最小限に抑える食生活を考えて暮らすようにしていました。
そんな訳で、私は心からオーガニック栽培の生産者さんやそこに関わる方達を心から応援したいという気持ちで仕事に取り組んできました。
仕事だけではなく、自分の暮らしも、そういう方々によって支えられているという感謝の念、そして世の中がどんどん自然とより良い共存状態になるように自分でもできる取組みがあれば積極的にやっていきたいという気持ちを常に持っています。

あるとき、知人の紹介で貿易会社の方と逢わせていただくことになりました。先に結論を言ってしまうと、これが現在HEROUT(エルー)を日本に紹介する事を実現するための大きなきっかけとなる出逢いでした。
加藤貿易株式会社の加藤社長は「人と人をモノでつなぐ」というミッションを掲げ、まだ知られていない良いものや伝わりにくい良いものを世の中に広げていくという事業を展開されていました。加藤さんとの話の中で、「大手の企業が扱わなくても、小さくてもニーズのある商品で、本当に良いもの」を求めているということで、私はHEROUT(エルー)の事をお伝えしました。

丁寧に愛情を込めて造られた良い製品であること、品質も最上級、環境や伝統技術を守っていきたいという生産者の想い、そしてまだ日本には伝えられていないものであること。

「面白い、もっと詳しく調べてきてほしい」と言っていただき、そこから全面的に協力していただくことになりました。

本当に基本的なことなのかもしれません。
物事が成されていくときに、まず「気持ちが伝わる」ということから全ては始まっていく。


マリーアニエスが言った言葉で忘れられない言葉があります。
「木を植えるということは、未来を信じること。」
植えてから10年も先にならないと収穫できないということは、未来を信じていないとできない投資だと。
未来を信じて、次世代のために木を植えて育てる。
良いものを追求するために惜しまない手間や労力、伝統を廃れさせないための仕組み作り、それらは情熱や愛情というまっすぐで誠実な気持ちが伝わるからこそ、次のアクションに繋がっていく。


モノにあふれる世の中。
どこから来たのか、誰から来たのか、どういう想いと気持ちが込められているのか・・・ということに益々私たちは目が向くようになってきていると感じます。
だからこそ、私はしっかりと日本の皆様へ造り手の気持ちを私が伝えていかないといけないのだなと思っています。すべては気持ちから始まっている。
よい製品が今後も残りその恩恵を受けるために、生産者が守られ、環境が守られ、そこに携わる人々がハッピーな循環をつないでいけるように。
しっかり伝えるにはどうしたらいいかいつも考えながらやってみてます。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

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