『翼の翼』をaudibleで聞き終わる。
ゴリゴリネタバレしますので、未読の方はスルーを。
まず、この、主人公（？）の円佳さん。
なんで、テレビCM見て、小学二年生の息子に全国模試を受けさせようと思ったんだろう。
そこから、なんで、中学受験も考えてないのに、いきなり、決勝大会が云々思うんだろう。
飛躍が過ぎる。
・・・頭の片隅に、旦那さんが中学受験で失敗して、という話を義父母から聞いてたからだろうか。
それに、スイミングの育成コース。
4年生、５年生に交じってやってるのに、その中で、たまたま同い年の、しかも、親御さんもスポーツをやっている人で才能もある同級生の女の子に負けて、なんでそこに劣等感を持つんだろう。
一人っ子っていうのもあるのかもしれないけど、すごいヘリコプターペアレントな感じなんだよなぁ。。
そして、極めて優秀な息子さんなのに、いつも、誰か、上の人と比べて、いつも、不安、不満を感じてる。
それに、翼君に、たっちゃん、南を甲子園に連れて行って、じゃないだろう、と（ママを全国模試の決勝に連れて行って、みたいな記述が）。
勉強は、誰かのためにするものではなく、自分のためにするもの。
それに親が気が付かないうちは、なかなか厳しい。
まぁこれは、最後、本人のための受験だ、っていうのには両親とも気づいた、ってことなんだろうけど。
もう一つ言うと、子どもが褒められることで、まるで自分が褒められてるように嬉しくなるのも気持ち悪い。
圧巻は、12歳の、翼君が家出したときに、旦那さんをエラク責めていらっしゃる心の中の一人語り。
もちろん、円佳さんが自分が共犯者であることは認めているけれども、まるで主犯は旦那様みたいな口ぶり。
違うよ、首謀者は円佳さんだよ。
ほんと、この、円佳さん主観で進んでいくから、円佳さんの罪が軽い感じで描かれているけれども。
・翼君を全国模試に連れて行った
・塾にそそのかされて気持ちよくなっちゃった
・翼君の目標を勝手に「全国模試の決勝に出る」に設定しちゃってる
やっぱり、円佳さんがそもそもおかしい。
大体、育児書とかも読むタイプなのであれば、こんなのダメなの分かってそうなもんなのに。
子どもを褒めるときは、「できたこと」を褒めるのではなく「努力したこと」を褒める。
それと、一時期、管理職で研修を受けた時も「組織の成功循環モデル」だ。
まぁ、親子は上司部下じゃないけれども、だとしてもよ、一番最初に結果を求めると、人間関係も悪くなるし、そもそも、成果が上がらない。
そして、自分の子どもを誰かと比較する癖が無くならないと、この先も大変だなぁ、と。
・・・これはなぁ、、
私も、比べるつもりはないんだけど、上の子は出来たけどなぁ、とか、下の子に思うことあるから。。
ここは、私も気を付けないと、と思ったのだった。
あと、もう一つ。
メタファーだとしても、お父さんの「星波を目指す道とそうでない道のどちらを選ぶか」って。
そんな訳ない、可能性なんかいくらでもあるのに。
そもそも、仮に、受験の全落ちを失敗と定義するとしても、よ。
12歳でする失敗がなんぼのもんじゃい、と。
人生100年時代。
どーっちだって大丈夫。
自分で決めた受験ならばなおさら、目標を設定して、そこに対して努力できる子どもなら、未来がまぶしくて仕方ない。
ご自身でも書かれてるけど、ほんと、視野狭窄はなはだしいんだよなー
自分でも経験のあることなのだと。
そういう意味じゃ、上の子の塾は、クラスは１クラスだし（コロナで6年生の時は2クラスに分けられたけども）、模試の結果も、答案自体は返ってくるけど、順位は、塾の壁に張り出されてたから、実物を見たのは２，3回かなぁ。
6年生の合否判定模試は、まぁ、結果が良かったから、一喜一憂することは無かったのだけど、、
そもそも、この、親の視野狭窄、見境のない、「子どものためにならない子どものため」は、一体どこから来るんだろうか。
目先の「負けたくない」「機会を逃したくない」「将来的にも損したくない」っていう感情なんだろうか。
インタビューから一部引用すると
子どものためと思いながらコントロールしてしまう。自分の意のままに動かして、ゴールに最短のルートで辿り着かなきゃという思いがどこかにありましたね。
そこに、この人、反省が見られないんだよなぁ。
なぜ、自分の子どもとは言え、他人を、意のままに最短ルートで導けると思うんだろう。
この、エゴ、傲慢に対する言及があんまり無いから、読後感が胸糞悪いんだろうな。。
それに、人生において、最短ルートなんて、面白くなさすぎる。
あと一つ、決定的にaudibleで小説を聞くデメリット。
読み終わった後、読み直し、引用ができない！
それと、音声で入ってくるから、学校名の漢字も想像しながら聞くしかない。
サトミツと若林がやってる3600を聞き終えたら、また一回、解約かなぁ。。
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