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傲慢と善良 / 辻村深月

いやーー、色々と思うところがあった。
まず、子育てのところで、ヘリコプターペアレント問題。

以下、ネタバレしていきます。
まず、真実が、自分では何も選択せず、親のために30歳まで生きていくこと。
親のため、ってのも、アヤシイが・・・
そして、反抗期、無かったんだろか。
反抗期って、人格形成のためにも、すごく大切だと思うのだけど

さらに、親が先回りをしてしまうと、失敗もしなくなるので、本当に困ったときに自分で解決していく力も育ちません。

考える力が育たなくなるのです。

そして、失敗したときは人のせいにします。なぜなら自分で決めていないからです。

これだよなぁ。。
あと、小説に出てきた、写真のボランティア、知ってるなぁ、って思ったら、「青空と逃げる」とリンクしているらしい。
・・・おお、そっちの感想文、書いてなかった。。
あれも、結局は夢オチじゃないけども、ただの勘違いだった、みたいなおしまいで拍子抜けしたから、感想を書く気になれなかったかな。。

それと、真実と泉ちゃんの話。
真実は地元の女子高そこから系列の女子大に行くのだけど、泉ちゃんは進学校から東京の大学に行く、と。
その泉ちゃんからしたら、真実が女子大卒なのか、短大卒なのか、どっちでも良い、と。
そういうことに思い至らず、腹を立てたり。
英語の名言、なのかな。
「誰もが首から『私を認めて』という見えない看板を下げている」
みたいなのを思い出したんだけど、同時に、「この世はあなたの自尊心を満たすためには存在していない」、みたいな言い回しも思い出して。
誰も他人の自尊心になんか、興味ないんだよなー、と。
それが当然だと思うから、真実の怒りには違和感しかない。

ビル・ゲイツも言っておる。
まぁ、どこがオリジナルかは分からぬが。

あと、ほんと不思議なのが、お見合いで出会った人、なんで、恋愛の対象にならなかったんだろう、って。
特に、一人目の金居さん、めっちゃ良い人じゃん。
東北の震災でボランティアに行って、その偽善(?)みたいなのも、ちゃんと自己言及してて、それでも、目の前の仕事が終わっていくこと自体、快感だし、それで喜んでくれる人もいる、なんて、すーーごい立派!!
それに、服がダサかったら、一緒に買い物に行って選んであげれば良いだけの話だし、大体、付き合っていくうちに価値観とかすり合わせていくものだと思うのだが。
まぁ、そもそも、母親が選んだ人、っていうのが気に食わないんだとしたら、理解できるけど。
だったら、最初っから、そんな人と会うなよ、とも思うが。

あと、真実は善良なのか。
私には決してそう思えないんだよなぁ。
真実自身、ボランティアを経た後でも、架に、いや、真実ヤバくない?って、架の女友達と同様、私も思っちゃうもん。
だから、最後数ページ、ハッピーエンドに納得いかないから、読み進めるの時間かかっちゃった、、
結婚式場も予約しててキャンセル料もかかるのに、いきなり、携帯も切って失踪するとか、大人のすることじゃない。
かまってちゃん感がすごい。
自分が傷ついたからって、他人に迷惑をかけて良い理由にならない。
虚言癖もヤバいし。
だから、なんか、最後、モヤモヤした。。

とは言いつつ、ちょっと話が変わるけれども、要件の要領を得ないメールが大嫌い、みたいな話を同僚として。
もう全部、箇条書きにしてほしい、って言ったら「箇条書きを嫌がる人も一定数いるんだよ」って諭され。
そうなの??
まぁ、そういう人を私は理解できないのだけど、でも多分、そういうことなのかな、と。
私は真実の弱さを理解できないんだろうな、、、

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