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Z世代のチカラを活かすには、『They』ではなく『We』に。

北九州市では、新市長が誕生して、ちょうど1年が過ぎました。
いま、市議会が開催されておりまして、来年度予算案の審議も進んでいます。

4月からの新年度に向け、組織改正も提案されており、
新市長から『Z世代課』なる組織を新設する旨が報道発表されております。


これは、かなりのインパクトがありまして、各種ニュースにもなっていまっしたし、SNSでも賑わっていました。

若い世代のチカラを活かした、新たなまちづくりを進めていく勢いと、
ネーミングがダサいなど(笑)、批判的な声も相応に多かったように見受けられました。

いずれにしても、話題になっていくこと、象徴的なポリシーとしての力強さを感じました。


『Z世代』という言葉の定義を改めてお勉強してみると、「1990年代半ばから2010年代序盤に生まれた世代」ということみたいですね。
2024年現在で言うと、10代中盤~20代後半という感じでしょうか。

ということは、ぼくはギリギリ入ってますね!(コラ、サバよむな。)


もうずっと、学生たちと一緒に活動を続けてきており、まさにZ世代の人たちといつも交流して、協力しながら活動を進めています。

本人たちには、Z世代なんて認識は無いし、むしろ否定的に捉えています。自虐的に使う言葉に近いかもしれませんね。
Zで終わりなんかと思いきや、今は、『α世代』へと進んでいるようですね(笑)もう訳わからん(笑)

時代とともに価値観は変わっていきます。
大切にしたい価値も違いますし、
理想の暮らし方や人生観も変わっていきます。

それは世代や社会情勢ごとに変化していくことを感じます。
ぼくも若い世代の皆さんと接していて、いつも感じます。
でも、それぞれの世代・年代の彼ら彼女らは、自分なりの人生のことを考えて、前を向こうと努力しています。
でも、年代のなかでも、やっぱり人それぞれの価値や考え方をもっていて、世代をひとくくりに論じることは難しいとも思います。


でも、往々にして感じる世代間の違いもあります。

例えば、ぼくが子どもの頃は、経済主義、学力社会、資本主義、大量生産、利益主義。
良い給料もらって良い生活するみたいな理想の価値観があったのかもしれません。

今の若い世代の人たちは、時代が安定して、恵まれながらも、低経済成長の時代に育っていますから、そんな高収入への憧れなんてあまりありません。
それなりに生活できて、自分なりの幸せを掴めれば良いという感じです。

車に乗る人はいないし、酒を飲む人も少ないです。

まぁ、人それぞれですけど、全体的に見ると、という感じです。


『Z世代課』の新設というインパクトに、とても期待しているのと合わせて、とても心配もしています。

ぼくの感じるモヤモヤをアウトプットしてみたいと思います。


①『ワカモノ』の搾取

前述のとおり、たまたまその年代に生まれた若者たちは、生まれながらにしてその時代に適合しながら、自分たちなりの人生を歩もうとしています。
『若い世代のチカラを活かす』っていうのは、とても大切なことだろうと思います。
しかしながら、『活かす』には上から目線の『使う』という目線が混じってしまいかねません。

ぼくも若者たちと、こうして随分と協働してきています。
学生達が言います。
「他の活動ではなく、好きっちゃさん(入門さん)たちとの活動を選んできているのは、他の活動では、ただの学生、ただの若者として、搾取されることを感じます」と、しょっちゅう聞きます。

「若い人がいっぱい来て賑やかになった」
「〇〇人もの若者が参加した」
こんな調子です。

いやいや、参加した一人ひとりに、どんな喜びがあったのか、どんな学びがあったのか、何か貢献したことへの達成感があったのか。そうした気持ちが大切なんだろうと思います。

ぼくもNPOプレイヤーのひとりとして、行政のひとりとして、この搾取ぶりは、様々な現場でとってもよく感じます。他人の振り見て我が振り直せで、そうならないように注意しています。

単に政策を進めるだけで、若者が搾取されないことを願います。


②Z世代だけか?

Z世代の皆さんの声を聴き、思いを市政に反映させていくことはとっても重要だろうと思います。

Z世代の人たちは、少し上の世代のこともよく見ています。
ポンと何かの拍子に生まれ落ちたわけでもなく、突然現れたわけでもなく、時代の線を引かれて大変革したわけでもなく、その連続性の中に、彼ら彼女らはいます。

若者の意見を聞こう!それも大切です。

では、中年の意見は必要ないのか?
そんなことも無いはずです。

多彩な年代の感性を受取り、共感・共有することが大切なんだろうと思います。

Z世代だから、若者だからと、チヤホヤするのは、ぼくは好きではありませんし、当の本人たちも快く思っていないことも感じます。
「どうせ、自分が今、若いからチヤホヤするんでしょ。少子化ですからね。もう何年か歳をとったらもうスルーされるんでしょ」みたいな覚めた感覚も持っています。


③公務の体質改善が先

公務と言うのは、公平性、継続性を保ちつつ、確実な業務を行っていかなければなりません。だから故に、その決定者・判断者には、「経験」が重要だと思います。
歴史、流れ、変遷など、その経験に基づいた判断が重要です。また、責任の所在を明らかにし、毅然とした対応を取るため、縦割りになってしまいますし、これらのことからピラミッド型の組織になってしまいます。

であるが故に、組織のピラミッドの上の方には、経験豊富な年長者が居座ることとなります。

20代のスタッフ級の職員のひとつの発言と、
40代の係長などのミドル級や
50代の課長などのマネジメント級、
そして局長などのトップ級の発言では、
その声の大きさは違うのは事実です。

でも、世代を代表する声と考えれば、その大きさの違いは無いはずです。

『若い世代や、多世代の声を大切にしていく』というのであれば、
こんなに多世代の人材が揃っている会社は他にはなかなかありません。

市民に向けて、若者の声を反映していきます!・・・それより先に、いま、社内に居る多世代の人の声を反映していける体質改善が何より重要に思います。


④(理想としては)Theyではなく、Weに

とってもひっかかっていて、何だろうと、熟考していて、ようやく分かりました。

若い世代の人たちのことを、『彼ら、彼女ら』と呼びます。
英語で言えば、『They』であるわけです。

でも、彼ら彼女らと、自分とは別の世界に居る人たち。
自分とは違う人たち。

そんな線の向こうにいる人たちのような、『They』を感じるんです。

例えばぼくは、ウチのアカデミーの学生たちのことを、もちろん、彼ら彼女らと呼びますが、『ウチの』なんですね。
子ども達だってそうだと思うんですよね。世代が丸っきり違いますが、線の向こうにいるわけでもなく、ともに価値観を育んでいく『自分たち』の一員だと思っています。

つまり、Z世代であろうと中年であろうと、『We』。ぼくたち、わたしたちの一員として、彼ら彼女らが居る。そんな感性を大切にしたいと思います。

そうあれば、『声を聴こう』『彼らから学ぼう』なんて思いません。
いつも雑談しています。
いつも一緒に何かをつくろうとしています。
いつも価値観や人生観に触れています。
いつも、ともに時代をつくっていく一員として刺激し合っています。



おかげさまで、各種の活動を通じて、若い世代の皆さんと交流しています。
いつも色んな刺激や学びをいただきながら、ともに進んでいます。

彼ら彼女らを線の向こう側にいると思ったことはありません。
ともに肩を組んで前に進もうとしています。

Theyではなく、Weに。
時代をともに創っていくチームメイトとして、一緒にスクラムを組んでいけたらと思います。



今日もご覧いただきありがとうございます。
冒頭のイラストは、ia19200102|noteさんの作品を使用させていただいています。いつも、ありがとうございます。



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