公務員とSNS

公務員の最も重要な仕事として、
市民・県民・国民へ情報を伝え、共有するということがあります。

掲示板や紙面でお伝えしていた時代から、
ニュースやメディアでのお知らせへ、
そしていま、多くの情報はSNSからキャッチする時代となりました。

情報発信においてSNSの活用というのは超重要です。

どの自治体や省庁でも、SNSを活用して情報発信していこうというのは、時代の流れであり、時代の要請です。

一方で、それを投稿・操作するのは、公務員の方々です。
これがまた、公務員とSNSはとっても相性が悪い！（笑）

行政は、情報発信が下手だとよくお叱りをいただきますが、全くその通りだと思います。
だって、とっても相性が悪いんだもの。

行政・公務というのは、確実な情報を、過不足なくお伝えしなければなりません。
語弊のある表現は避けなければなりませんし、使用する単語は最も適切な言葉を選ばなければなりません。
そして、ありとあらゆる角度から見ても正確に伝えるためには、説明がとっても長くなります（笑）
いわゆる役所文書っていうやつで、難しい、長い、分からん。

短く、リアルタイムでどんどんポップアップしてくるような、PUSH型のSNSには、もはや相性最悪ですね。
何人もの人手で、何時間も何日もかけて吟味・審査して、投稿するホームページが精一杯です。

まぁ、SNS社会の中での、揚げ足取り社会が、こうしてしまうんでしょうね。文句言われるぐらいなら、投稿しない方が良いというのは、当然の判断です。

これが組織的な課題です。

はたまた、個人単位に目を向けてみます。

各種のSNSは活用に慣れていないと、そもそもの発信力は身につきません。

不慣れな職員が、仕事上でたまにSNSの発信をするものだから、正直言って下手ですね。
見ていてガッカリするもの多数です。それぞれのSNSの特性に合わせた発信の仕方をマスターする必要があります。

個人単位でSNSを利用している人も多いとは思いますが、
公に自分の職業を明らかにしたうえで、ばんばん発信している人というのは、稀少な存在ではないでしょうか。

公務員の多くは、その素性を隠しています。
能ある鷹は爪を隠すと言いますが、能ある公務員はその職業を隠しています。

地域の中で、人付き合いのなかで、公務員ということを暴露してしまうと、まぁ生きにくい（笑）
何かにつけて公務員なんだから、と言われます。

町内会やPTAの活動なんかでも、隠れています。

そんななかで、SNSでバンバン個人的に発信するなんて、アホの極みです！（笑）
まず、政治的な発言はNGだし、
仕事に関わる発言もお叱りをいただくこともあります。
強く民間や営利企業と関わっていてもご指摘をいただくでしょう。
そんなに遊んだり休んでる暇あったら、もっと仕事しろとか。
いいね、そんなにお金があって、とか。

だから、公務員という素性をさらして、裸の状態でSNSを更新している人なんて、希少生物であり、確実に絶滅危惧種なアホです。
ここに超アホなぼくがいます・・・（笑）

組織の中でもはぐれ者になっていくか。。。
それなりの職位になっていった際にそっとフェードアウトしていくか。。。
いつの間にか仕事をやめているか。。。
というような運命を背負っているように思います。

繰り返しになりますが、
時代の要請として、市民・県民・国民に、行政の伝えたい情報、知りたい情報をキャッチボールしていくなかで、SNSを有効に活用していくことが大切だと思います。

しかしながら、組織のありよう、個人単位での公務員の生きづらさからして、SNSの活用というのはとっても難しいです。

でも、、、、、

公務員それぞれが、
『ぼくはこんな仕事をしています！』
『いま、役所ではこんなこと考えています！』
って堂々と言えるような社会が実現できたら良いなと思います。

公務員ひとりひとりのパーソナリティが、それぞれの人間関係のなかで認め合っていただけるようになれば、公務員と名乗っただけで社会の敵かのような目で見られなくて済むんだと思います。

まぁ、難しいだろうけどね・・・。

そんな、いち公務員のつぶやきでした。

今日もご覧いただきありがとうございます。

冒頭のイラストは、ワダシノブ/イラスト・マンガ｜noteさんの作品を使用させていただいています。ありがとうございます。

＜１年前の”今日”の記事★＞

前職は、区役所の防災担当をしていました。
各種SNSの発信のなかでも、こんなぼくでもその職務を隠していましたし、仕事に関することでの直接的な事柄は一切発信しませんでした。

自信をもってやってることだから、仕事のことを、もっともっと発信したいんだけどなぁ・・・。