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随分と使い古された言葉でありますが、僕が様々な場面でとても大切にしているフレーズです。

仕事にしろ、NPOの活動にしろ、PTAや保護者会でも、はたまた家族や夫婦間でも、『協働』という場面は多々あると思います。

特にNPOの活動を通じて学んできたことについて、まとめてみたいと思います。(上の写真は、コロナ禍直前に行った『まちクエスト』という企画の際の初顔合わせの場面の写真です。とても多くの方と協働した企画となりました。)

①色んな「きょうどう」

「きょうどう」については、「協働」のほかにも、共同、協同、協動、共動、共働などさまざまな漢字(感じ)があります。

どれも、微妙にニュアンスが違いますよね。僕の尊敬する先生の参加しているのは「協同学会」だったりします。

「きょう」は、『共』か『協』
「どう」は、『同』『動』『働』
これらの組み合わせという感じ(漢字)でしょうか?
ニホンゴ難しいですね・・・(笑)

このうち、僕がこだわっているのは「協力して働く」=『協働』ということになります。

②『協働』の本質

協働とは、「一緒に頑張る」ということなんでしょうが、単純に、お手伝い的な手を貸す・力を貸すというのは少し違うように思います。

「手伝って~」、「いいよ~手伝うよ~」というのは、「共同」作業でしょうが、依頼した側と依頼された側の関係性になります。
これを『主従の関係』と呼んだりします。
(※これも大事なテーマなので、いつか、きちんとまとめたいと思います。)

何かをしようとしたときに、当事者や主催者のことを「主体」と呼ぶとします。
そのお客さんやターゲットのことを「客体」と呼びます。
主体に協力してくれる人を「協力者」ということになります。

例えば、モノを売るお店であれば、
店長などが主体、買いにきてくれるお客さんが客体、店の営業のため雇われているアルバイトの人が協力者ということになるでしょうか。
(お客様こそ主体だ!という議論もありますが、それは置いといて)

で!協働たる問題は、店長とアルバイトの人との関係性にあります。
店長はもっとお客様のために!もっと店の利益のために!と思っているでしょう。
では、アルバイトの人の気持ちはどうでしょう?店長と同じような思い入れで仕事をしていたら紛れもない協働者であると思いますし、逆に、ただの雇われの身と思っていたり、一時的なバイト感覚だと協力者でしかないですよね。

賃金の発生する活動だと、「雇い側-雇われる側」だったり「依頼主-依頼を受けた側」という、主従関係が生まれがちでとても難しいのですが、気持ちや思い入れでの協働はできると信じています。

③協働の素晴らしさ

分かりやすくお店での例を挙げましたが、僕たちの携わっている地域活動や市民活動においては、無償ボランタリーも多く、携わる人の気持ち・時間の資源投資がとても多く、協働の感性が重要となります。

では、みんなが無償ボランタリーの中で、何かイベントや活動をしようとしたときに、全員が全員、主体的に考えていることができるでしょうか?

リーダーのような主催者と、協力者という関係性で、みんなが携わっていると、やらされ感ややっつけ仕事的なことが増えてしまいます。

では、逆に多くの人が主体的に、打ち込むことができるとどうでしょう?

例えば、多くのアイデアが生まれたり、それぞれの細部にわたったこだわりがでたり、はたまた多くの人の熱意で更なる協力者が増えたり、多くの方からの宣伝効果で客体が増えたり、余波が大きくなったりしそうです。

「協働」の魅力は、こうした携わるそれぞれの人が、その課題や目的に向かって、主体的に想いやエネルギーを注ぐことです。
その成果や効果は、計り知れないほど大きなものになっていきます。

皆さんも色んな場面で、こうした経験はないでしょうか?
しぶしぶ付き合わされた活動や、逆に主催の中心的な部分で思いっきり携わったことなど、立ち位置や思い入れの違いで、見える景色や、想いを資源とした時間やエネルギーの投資は全然違ったことと思います。

④協働による活動例

僕たちのNPO法人では、この協働という理念はとても大切にしています。

多くの人に主体的に携わってもらえるよう、位置関係や言動を大切にしています。

「協力してもらう」と言ってしまうと、既に主従の関係になってしまい、言い出しっぺがいるかぎり、完全に協働の姿勢に持ち込むことは難しいのですが、これに対してのコツやノウハウも様々得てきたので、また今度まとめてみたいと思います。

僕たち「好きっちゃ北九州」の代表的な活動の一例で示すと、そのまちの子ども達に、自分のまちのことを好きになってほしい!という活動において、そのまちの魅力を子ども達に伝えるのは、地域の皆さまです。(そのまちのおじちゃんおばちゃん)

皆さんに企画を説明し、一緒に活動してもらうのですが、皆さんの主体的なテーマとして携わっていただけるように、まさに協働の関係性をつくっていくことが重要になります。

これまでの活動例でも、こうした活動を通じて、もっともっと子ども達にこのまちのことを伝えたい!という地域の方の情熱が燃え上がったりして、協力を依頼された側からスタートしたのに、協働としての『主体』として携わり、その後、僕たちの想いをオーバーラップして活動や想いを継続されている方もいらっしゃいます。とっても素晴らしいです!

⑤様々な場面での『協働思考』

協働思考はとても大切なことです。
この味を知っている僕にはやめられません。

ただこれは、僕たちのような活動だけに言えるものではなく、
仕事や家庭内でも適用できるものです。

仕事ではいかがでしょう?
上司からのやらされ感や、逆に部下への押し付けや、はたまた「協力してもらう感」があったりしませんか?同僚みんなで主体的に取り組んでいける職場になると素敵ですよね。

家庭ではいかがでしょう?
自称イクメンやカジダンなどの方は往々にして、「手伝ってる感」や「特別なことをしている感」があるように感じることが多いですよね。
家事・育児を主体的に取り組んでいる人は、ある意味あたり前と思っているのでそんな言葉は要らないんです(笑)。
逆に夫さんに主体的に家事をしてもらうにはどうしたら良いんだろう?
夫婦がともに家事・育児を「ダブル主体」として取り組むことができたら素敵ですよね。(おっと、この辺の話もいつか書いてみたいですね)


僕の様々な活動や日々の生活においてとても大切にしている思考なので、まとめてみました。
様々な活動や学びを通じて、こうした感性を身につけることができたのはとても恵まれていると感謝しています。

今日は、協働に関しての総論を書きましたが、各論やノウハウについては、またまとめてみたいと思います。

いただいたサポートは、NPO法人好きっちゃ北九州の活動費に、大切に活用させていただきます!!