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防災活動に関わる人、
防災に関心のある人、学びたい人、これから何かしたい人、
垣根をぐっと低くして、
誰でも参加できる防災に関するネットワーク
『防災Lab.北九州』です。

毎月1回の『学び合いの会』を実施しています。
毎回の主な構成として、メンバー内から、代表的にプレゼンをしてもらい、その後、そのプレゼンをもとに感想などをディスカッションします。そしてメンバー全体での情報共有会をいたします。

昨夜、9月度の学び合いの会を実施いたしました。

今回は、㈱九州防災メンテナンス代表取締役の杉山さんから、
『自然斜面と人工斜面の災害』についてお話いただきました。

防災活動においては、
避難行動や、災害情報、備蓄や非常食、家庭での取組みなど、
ソフト対策がピックアップされがちですが、
今回は、ハード部門の内容で、みんな興味津々でした!

自然の山や崖の状態から
人工的に手を入れることによる危険性や、
擁壁の施工の仕方しだいで危険になることなど、

とても専門的な話に関わらず、皆さんがよく理解できるように、とても噛み砕いて平易な表現で教えてくださりました。
ぼく自身も、改めて興味関心のわく内容となりました。
とても感謝しています。

あまりプレゼンには慣れておらず緊張するとおっしゃっていたのですが、全くそんな様子は感じさせず、とてもとても素晴らしいプレゼンでした。
このネットワークが、すごく幅をもった広がりがあることを改めて感じるとともに、杉山さんのような方も、もっともっと地域住民の皆さんの前への出番を設け、そのお声が届いていけば良いなと思いました。


ぼくが感想をまとめて良いような話ではないのですが、
自分なりに教わったことをいくつかアウトプットしておきたいと思います。


①地形は長い年月をかけてつくられている

まず、冒頭に「とても重要なこと」としておっしゃられたのがこのことです。
山や崖の地形は、とてつもなく長い年月をもって、現在の姿・形になっているということ。
水で削られ、浸食し、地震で隆起し、それを何度もずっと繰り返して今の状態になっているとのこと。

そして、災害という観点で見ると、基本的には『安定した状態』が現在であると。
そこに人工的に手を加えることで、より危険になる因子となるとのこと。

人間の人生の長さにおいては、地球の歴史と比べると、ホントにちっぽけなものです。
傲慢に手を加えて良いものではないはずですよね。


②山を補強するもの

この話も印象的でした。

むげに木を伐採すると、山が弱くなるというのは、誰もが知っていることだろうと思います。
それをより詳細な根拠のもとに教えてくださりました。

山は岩盤の上に表土が乗り、木や植物が生えている構成になっています。

木の在来種においては、斜面の上側に根を張り、岩盤の中にめり込んでいくカタチで根が強く入るそうです。
表土と岩盤をガッチリとおさえるわけですから、表層的な崩壊を防ぐことになります。

一方で、植樹されるような木は根が張らずに、岩盤の上の表土に乗っかっているだけで、強い雨が降ると足払いされるように滑り落ちていくということだそうです。

最近見かけるメガソーラーも同様とのことで、
植樹やソーラーなど、人間の目線から見た表面的なことだけでは
災害を発生させてしまう要因になってしまいます。


③コンクリートの寿命!?

擁壁などの人工物においても、永遠ではないとうことを肝に銘じておかなければなりません。

コンクリートも寿命があります。
入っている鉄筋も少しずつ弱くなっていくそうです。

斜面を止める土留めの擁壁も、数十年という歳月で段々と弱くなっていきます。
高度経済成長期に、日本中を改造するように、次々と自然に反した人工物が造られました。

人間の高齢化社会とは別に、
少しずつ足音を立てずに、
人工物の高齢・老朽化時代が訪れようとしているのかもしれません。

今一度、周囲の人工物のチェックをする必要があります。


④擁壁の確認を

擁壁の施工の仕方が悪いが故に、
災害を起こしてしまった現場の写真を、
ご自身の経験から、次々と見せてくださりました。

口があいてふさがらないというのはこのことで、
とても怖い写真ばかり。
それもこれも人間が招いたことで、
人災と言えるのかもしれません。

土砂災害や河川洪水など、
自然地形に基づいたハザードマップは示されていますが、
危険な擁壁(老朽化していたり、造り方が悪かったり)については、生活のすぐそばで、ハザードマップに載らない危険要因があるのかもしれません。

それぞれの暮らしのなかで、周囲を今一度確認し、災害に遭わないよう、災害に巻き込んでしまわないで良いようにできたら良いなと思います。


⑤皆さんの意見・感想に唸った!

この防災Lab.北九州がとても素晴らしい2つのこと!
まず、こうしたプレゼンテーターが多岐におよび、普段考えていなかったような話が色んな角度から聴けるということ。
そしてもうひとつ、そのプレゼンを受けて、意見交換する皆さんが多彩であり、それぞれのコメントに唸ります!
このインプットとアウトプットの広がりがとてつもなく素晴らしいです。

昨日も多くの意見に唸りました。
いくつかピックアップしておきたいです。

・怖い話であり、改善しようにも大金がかかったりして、目をつぶりたい話ではあるが、『事実を知る』ことが何より重要ではないか。

・誰がしてくれるの?と思いがちなことだが、まずは向き合うことから始まる。

・暮らしの一部であり、知ることから、行動を変えていくことができる。

・時間軸の長さが違うけども、それを意識して暮らしていくことが大切。

・対応策と予防策とそれぞれがあるはず。

・安かろう悪かろうになってしまう。しっかりと自然や安全を考えないといけない。

・自然の本来の、昔の地形をしっかりと知っておかねばならない。

・日常の目の前の物が、災害が起きたとたんに非日常になる。でも日常にそれはある。

・『擁壁ハザードマップ』なるものも作っていくことができないだろうか・・・

全てお話を聞けたわけではありませんが、
皆さんの感度やそれぞれの経験や生活者の目線で意見が交わされ、とても刺激をいただきました。

今回もとてもとても素晴らしい、プレゼン&意見交換となりました。


⑥情報共有の会

その後、それぞれで活動する皆さんからの情報交換がありました。

このメンバー内でのコラボも次々と生まれています。
嬉しいことです。

皆さん、色んな角度で活躍してるから、とてもとても楽しいです。
どんどんコラボしたいですね!!



⑦次回予告!!

次回は、10月18日(火)夜、
オンラインにて学び合いの会を実施します。
次回は『防災アトラクション』の体験版を実施していただけることとなりました!!

とても楽しみです。


繰り返しになりますが、
この防災Lab.北九州は、
会員制度や、固定メンバーでするつもりは全くなく、
どなたでもウエルカムな場です。

毎月1度の学び合いの会は、そんじょそこらのシンポジウムなんかよりもよっぽど面白いです!(コラ、そんな言い方するな!(笑))

興味関心いただける方は、
noteでも、Facebookでも、LINEでも何でも良いですので、ご連絡くださーい!

次回の『オンライン防災アトラクション』はより多くの方に体験していただきたいです!


この記事においては、防災Lab.北九州の公式な議事録ではありません。
あくまで入門の個人的なアウトプットです、ご了承ください。


今日もご覧いただきありがとうございます。


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