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読書ログ:コミュ力って結局人間の永遠のテーマ

こんにちは、アイルランド在住会計士のつぐみです。

コミュ力ないわ…と凹む出来事があったので、人気サイエンスライター鈴木祐氏の新作読みました。



「コミュニケーションがうまくいかないのは、魅力がないせいである」と言う結論からスタートするので、凹んだ時に読む本ではなかったです笑。

しかし、さすが鈴木祐さんの本で、①そもそも魅力とは何か、②自分が伸ばすべきスキルは何か、③そのトレーニング方法と、課題解決のための道のりが最短で示されている良書。実行できるか否かは、メンタルの強さ次第と思われますが、コミュニケーション能力を伸ばしたいと思う人は手にとってみる価値ありです。


①コミュニケーションにおける「魅力」とは?


人間の生命が危機に生じやすかった古来に、自身の生存に役立つと感じる人を魅力的に感じ、そうではない人に嫌悪感を抱く仕組みが、まだ脳には残っている。

人は他の動物と違い、嘘をつく。
そのため、雑談によって、お互いの信頼性を値踏みしている。すなわち、裏切らず困った時に助けてくれそうな人を魅力的と感じるようにできている。

この人は私の仲間にふさわしいか、困ったときに助けてくれるか、日常の問題を解決する能力があるかを評価している。
この評価システムの仕組みを理解すると、誰でも魅力的と判断されやすくなる

信頼性評価を下げる3つのポイントは、❶嘘が多い、❷感情が幼い、❸性格が悪いで、自己診断できる魅力テストもあるので面白い。
テスト前に、コミュ力低い原因は性格が悪いだろうなーと自分で想像していたら、なんと❶嘘が多いが、私のコミュニケーション下手の原因でした…

若かりし時はともかく、今は嘘なんてほぼつかないと自己分析してましたが、ここで言う嘘が多いとは、自分の素を出すのが苦手で、嫌だけど言えない、相手の価値観と違うけど否定できない、なども含み、そもそもこの本を読むきっかけとなったコミュニケーションの失敗も、まさにこの性質が原因で、なるほどねーという感じでした。

②自分が伸ばすべきスキルとは?

本書では、❶嘘が多い、❷感情が幼い、❸性格が悪いの中で自分に当てはまるカテゴリについて強化訓練を行うように勧められています。

一番低いスキルについてトレーニングすることで、コミュニケーションが改善するらしい。私は❶だったので、他の2つはあまり見ていません。❶が終わったら、次に低かった❷のトレーニングしてみようと思ってます。


簡単に3つの性質をまとめておくと、
❶嘘が多い: コミュニケーションの手段に一貫性がなく、周囲から「嘘が多い」とみなされてしまう状態。相手に合わせて態度を変える人に多い問題で、「気持ちがよくわからない」「何かを隠している」と思われやすい。

❷感情が幼い: 感情のコントロールに難があり、心の余裕、精神の安定、メンタルの強靱さなどが足りない状態。「いつも緊張している」「空気を読まない」「テンションがおかしい」などと思われやすい。

❸性格が悪い: 優しさ、親切心、共感などが低い状態。周囲からは「冷たい」「いつも偉そう」と思われがち。

以下は❶の詳細。
ここで言う嘘とは、意図的に誰かを裏切る行為だけではなく、本当は断りたいのに、同僚が頼んできた仕事を引き受ける、相手の反応ばかりが気になって、話したい話題を切り出せない、何をしたいかがわからないので、「なんでもいい」とばかり答えるなど、自分の価値観を表現できないこと、そもそもそれを理解していないこと、また自分の価値観や欲求に反した行動することも含まれます。

いつも他人を意識して言葉を選ぶせいで、自分の欲求をうまく満たすことができず、一人になったとたんに虚無感や孤独感に襲われる人も多い→心当たりがありすぎて反省しました。

真正性が高い人は自分の感情や欲望を素直に表現するのが得意なため、コミュニケーションにおける無駄なトラブルが減る。この状態を、感情と思考に透明性があると表現する。

真正性が低い人は良い印象を与えようとするときに、相手の興味や期待に応える戦略をとる。しかし、実際に効果的なのはその逆であり、好印象を与えたい相手との会話で『真正性』を保つほうが、自身の不安は低下し、パフォーマンスが上がるらしい。相手に好かれたいために、相手の期待に応えがちな部分あるな〜とまた反省。

なんで相手の期待に応えようとするのがダメかと言うと、「脳のリソース減少」「流暢性の低下」「感情の伝染」という3つの問題が起きるから。

自分を偽ることで脳の一部が嘘をつくことにとられ、自分の本心を言わないことから対話スピードが遅くなり、更に嘘をついている自分のネガティブな感情が伝わることで、全体のパフォーマンスが下がってしまう。


③真正性を高めるトレーニング方法


■メタトーク
これは、会話のなかで頭に浮かんだ思考や感情、またはコミュニケーションの流れそのものを言葉で表現する手法のこと。

1 いま私たちは、どのようにコミュニケーションを進めているのか?  
2 このコミュニケーションで、私の中にどのような心の動きが起きたのか?

苦手なコミュニケーションを事前に想定して、「こんな時はどのようなメタトークを行うべきか?」の大枠を決めておく。本には多くの事例があり、参考にすることができます。

ただし、他の人の本書レビューにもありましたが、これらを実際に言葉にするのはかなり難易度高い。コミュニケーション得意になれば、苦もなく言えるようになるのでしょうか…

・雑談が苦手
私は雑談が苦手なんです。目的がない話をすると、どうしても何を言っていいかわからなくなるんです。こういうときって、皆さんはどうされているんですか?

・相手の意見に反対したくて気まずい
私はいまあなたに対して批判的な気持ちを抱いていて、それが会話の邪魔になっていることに気がつきました

・相手が会話で何を求めているかわからない
ちょっと求めていることがわかりません。どんな希望がありますか?
(なかなか言いづらい)

・会話に退屈している
うまく話が入ってきません。私に最も知ってほしいことは何なのか、要約してもらえないでしょうか?
(言えません!)

・相手が延々と喋り続ける
こちらの返事も聞かずに話し続けられると、私の意見を必要とされていない気分になります。
(家族以外に、言える日が来るとは思えない…)

オプショントレーニングとして、以下。
■適度な弱みの情報開示:思い切りネガティブなトラウマ話をしなくても、自分の人生で隠したいことレベル7-8程度の露出で十分。

■境界線プランニング: 自分の境界線を設定してそれを他人が超えたら行うアクション(深呼吸、トイレに行く等)や境界線フレーズ(よくわからないのですが時間をください等)を決めておく

■ニーズ目録: 真正性が低い人の大半は、自身のニーズを把握するのが上手くないことが多い。ネガティブな感情を抱いた理由をニーズ目録を見ながら一段深く掘り下げる。

④カリスマ力を向上させる

上記❶-❸が改善されたら、その上にこのカリスマ力強化トレーニングが効果を発揮するらしい。
相手との深い対話を可能にするディープトーク、ストーリーテリング力を養うフライタークのピラミッドなど、確かに一味違う人間関係構築できそう!と思わせてくれるワークがたくさんあるのですが、まずは自分の真正性を高めた後、戻ってきたいと思います。

集団を率いる強いリーダーシップだけでなく、社会の幸福を願う人格の高さもまた、カリスマの重要な要件。

カリスマがある人は、満足な人生を送る魅力的な人。満足な人生を送る人ほど他人から好かれる。他人から好かれる人ほど人生の満足度が上がる。このような正のスパイラルを回せるようになりたいものです!


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