IRA_K

法哲学など。走り書きや本のメモ。Twitter→@pearblossom_meo

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マガジン

  • 読んだ論文や本のメモ

    各月に読んだ本のメモではなく、もう少し内容のある読んだもののメモはこちらにまとめています。

  • コツコツやるアーギュメント

    Bruce& Barbone(2011)Just the Arguments. Blackwell.[https://onlinelibrary.wiley.com/doi/book/10.1002/9781444344431] これを教科書にして、勉強中。毎日コツコツを監視してもらうためのnote. 間違ったことを書いていたら教えてね。

  • 読んだ本

最近の記事

  • 固定された記事

note: そしての言い換え

「そして」は接続関係が曖昧なので、論文では使わない方がいいと言われた。ではどうするのか。自分の文章にあった「そして」を眺めてみて、どう言い換えられそうかを書き出してみた。 *言い換えのレパートリー消す 順接的に文章が並ぶのでなくてもいいが、何かあったほうが柔らかいから入っているだけの「そして」は消すことができる。 例「女性の教育や就職の機会が少なく、女性一人で家計を支えられるような職業に就くのは困難である。そして、法制度も女性を支援してくれない。」 「加えて」「更に」「

    • Oshana, M. 責任関連のメモ

      Oshana, M. A. L. (2002). The Misguided Marriage of Responsibility and Autonomy. The Journal of Ethics, 6(3), 261–280. 上記の論文を読んだが、二点の疑問が残った。 1、グローバルな自律性は行為の有責性や行為者の責任主体性にとって必要でも十分でもないと論じるとしても、ローカルな自律性について考えるとどうか? →これについては、PASのch.8で対応されそう。

      • SEP: Abilities

        障害の哲学との関係で気になって読み始めたが、関心からは遠かったので途中やめになっています。。。 Part 1 A Framework for Discussing Philosophical Theories of Ability1. A taxonomy能力と他の力を分けるのは何か? 1.1 Dispositions and other powers ・傾向性dispositionは多くの重要な点で能力に似ている、 特に、顕在化していなくても存在しうるものの性質である

        • Oshana, M. reading list

          *自律性の構成的に関係的な説明 Oshana, M. (2006). Personal Autonomy in Society. Routledge. :一読したが、特に1章を読み直す。 Oshana, M. A. L. (1998). Personal Autonomy and Society. Journal of Social Philosophy, 29(1), 81–102. https://doi.org/10.1111/j.1467-9833.1998.tb00

        • 固定された記事

        note: そしての言い換え

        マガジン

        • 読んだ論文や本のメモ
          26本
        • コツコツやるアーギュメント
          30本
        • 読んだ本
          22本

        記事

          アロマンティックという名を守るための小文

          X(旧Twitter)にて、アロマンティックというワードをアロマを用いたえっちなエステティックの意味で使っているアカウントを複数観測した。よりによってその言葉を異性愛規範を使って金を稼ぐために簒奪するのは、趣味が悪すぎるし、不正をおかしていると思うので、きちんと明文にしておこうと思う。 アロマンティックとは アロマンティックとは、恋愛的惹かれを経験しない人のことだ。重要なのは、性的惹かれと恋愛的惹かれを区別した上で、恋愛的惹かれを否定しているということだ。ただし、その内実

          アロマンティックという名を守るための小文

          SEP, Personal Identity, §3

          1. The Problems of Personal IdentityPersistenceの問い:特定の人格がある時点と別の時点で、消滅することなく存在し続けるためには何が必要か?という問い。「時間を通じた人格のアイデンティティの問題the question of personal identity over time」と呼ばれることがある。 3. Accounts of Our Persistence1 Psychological-continuity views 私

          SEP, Personal Identity, §3

          ヴィーガン帰省土産の候補メモ

          年末年始の帰省の手土産にヴィーガンのお菓子を買って帰るとしたらどこがいいかの自分用のメモ。条件は、私が買いにいきやすいこと、日持ちがすること、美味しそうなこと。 ・ovgo B.A.K.E.R のクッキー ラフォーレ原宿で買え、日持ちがするので、帰省のちょっと前に原宿に遊びに行って買っておくことが可能。ただし、大きいクッキーなので、何人かに配るとかがしにくい。 ・AIN SOPH. Journey 新宿のクッキー 池袋や銀座にも店舗があるが、新宿が一番アクセスが良い。

          ヴィーガン帰省土産の候補メモ

          文献note: 抵抗の責任 Zheng (2022)

          Zheng (2022) Zheng, R. (2022). Theorizing social change. Philosophy Compass, 17(4), e12815. note: ついている文献の数がすごいので、これ自体を読むというよりも、参照されている文献に飛べることがこのサーベイのよさ。社会変革の哲学やろうぜ!というお誘いの論文なので、それが意図されてもいるだろう。 1 イントロ ・社会変革について、経験的な探求は色々と行われているが、哲学もすべき

          文献note: 抵抗の責任 Zheng (2022)

          文献note: 抵抗の責任

          以下のような関心の調べ物の続き・ Sangiovanni (2018) Sangiovanni, A. (2018). Structural Injustice and Individual Responsibility. Journal of Social Philosophy, 49(3), 461–483. https://doi.org/10.1111/josp.12250 ・ロールズ批判の説明がなされる。特に、単に無知のヴェールという想定が過度な理想化だという

          文献note: 抵抗の責任

          ディズニー映画感想記①

          修士論文を書く作業を行うと、夜に2時間ほど使える時間があるがもう何もやる気がないという感じになることがある。そんな時間にディズニー・プラスのウォッチリストを解消するのが最近の常になっている。いくつか感想を書きたいと思うくらい見貯めたので、記していきたい。ネタバレはガンガンします。 今回は、私にとってはちょっと微妙だった作品について、何が微妙だったのかを考えたい。 Moana: 「私の声を聞く」とうまくいく?https://www.disney.co.jp/movie/mo

          ディズニー映画感想記①

          文献表note: 抵抗の責任

          関心:構造的抑圧の中で、個人(特に被抑圧者)に抵抗の責任があるか。 *私はまだこの問いについては初学者で、とりあえずざっと文献を調べてみたというところです。抜け漏れはあると思います。教えてください。 <構造的不正義とは?> ・Maboloc, C. R. (2019). What is Structural Injustice? Philosophia, 47(4), 1185–1196. ・Sangiovanni, A. (2018). Structural Injust

          文献表note: 抵抗の責任

          33 Fatalism

          Just the Arguments pp.125-127 この論証は間違っている。それは、P1とP2の曖昧さに起因する。

          32Van Inwagen’s Consequence Argument against Compatibilism②

          Just the Arguments pp.123-124 Van Inwagen’s First Formalization U:世界の状態の記述 Uー1:Xが生まれる前の日の世界の状態の記述 A:Xが行わない行為 L:自然法則 P1、P2は定義と経験的な事実から導かれる。 P3は決定論を表現している。 P3:(Uー1)∩ L→U C2:if ¬U→¬{(Uー1)∩ L} ドモルガンの法則 ¬{(Uー1)∩ L}→¬(Uー1)∪ ¬L C5:他行為可能性の否定

          32Van Inwagen’s Consequence Argument against Compatibilism②

          32Van Inwagen’s Consequence Argument against Compatibilism①

          Just the Arguments pp.123-124 論証の流れ自体はわかるが、P4がまさにimcompatibilismであって、それを前提に使ってcompatibilismを攻撃しても、論証の対象が先立ってしまっているのではないか、という点が気になる。例えば、フランクファートの論証はそもそもP4を争っていたはず。とはいえ、これはシンプルなバージョンらしいので、複雑なバージョンではもう少し説得をともなった仕方でP4が提示されるのかもしれない。

          32Van Inwagen’s Consequence Argument against Compatibilism①

          31Frankfurt’s Refutation of the Principle of Alternative Possibilities

          Just the Arguments pp.121-122 *この事例において重要なのは、行為者は介入装置の存在から独立に熟慮と引き続く行為を行なっているという点。 *フランクファートの議論は、PAPの再解釈をせずに、compatibilistsを支持できる。

          31Frankfurt’s Refutation of the Principle of Alternative Possibilities

          30An Argument for Free Will

          Just the Arguments pp.119-120 極めてシンプルで、Peter Strawsonの切れ味の鋭さを感じさせる。 ただし、この論証に賛同しない方法はいくつかある。 1、P2を否定する。ストローソンは道徳的責任の感覚はあまりにも根深いので、我々はそれなしにやっていくことは考えられないとするが、これを否定するという路線はある。 2、P1を否定する。 free willよりも理由提示とかに道徳的責任の説明を求める。

          30An Argument for Free Will