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高校4年生の夏休み

高校4年生の夏休み

何もしないで7月がすぎまた8月も半分ほど崩した。

どこにでもあるようで誰一人分かってくれる人が居ないようなそんな四畳半でぐったりしたフリを壁に見せつける

別に普通でも特別でも無い

ただ蓋をしてされてぼーっと忘れられるのを待っている

子供の私が抱きついてきた感覚があって

あぁ、こうなってしまった。

昔想像した大人の私も昔確かにそこに居た子供の私も何処か消えていった

…これは本当に自分なんだろうか

途方もない逃避行を試みるも腕に刻まれた無数の横線が痒い、痒い

むしゃくしゃして布団をかじってもビタミンとタンパクが足りてない爪が引っかかって終わり

全部がひっくり返っても誰にも気づいて貰えなくて私は深く息を殺している

もう何にも欲しくなくてもう全部が遠すぎる

プレイリストを70個作っても1曲だけを聞き続けたり、そういうことばっかりだ

とにかく静かに静かにしてくれ、地球

1回、全部休憩してくれ

賞賛も戦争も弾圧も崇拝も規制も脱法も
1回休憩して、静かにしよう

誰かに話しかけられるなんてほとんどない事なのに外に出たら全部の矢印が自分に突き刺さる痛さが強くて

強くて

結局ここに帰り布団の上体育座りをする

膝を抱えても自分が抱いているものなど無く

ただ何とか時間が良い具合に進んでくれればと

苦しいのかどうでもいいのかそのふたつを行き来しているのか


クローゼットにもう無いセーラーが目に浮かんで

最近買った漫画が積み上がってるのを見落として転んで

そういう時間だけを過ごしている

過ごしている

人に疲れすぎてしまったから

生きるのが不得意すぎたから

閻魔様の機嫌だけ損ねなければいいなあと

見た目だけ風邪患者みたいなテンションで

ゴミ出しをしたら不燃物を家に忘れて

隠した空き瓶がとうとう引き出しに収まらなくて

もう寝ようと残高64円の画面を閉じた

フラフラした様子とか到底見せて良いものではないから

よかったね今日も恵まれていてと縋って

夜だけ世界が狭くなって私に合わせてくれた気がする

こういった暗い中存在が自分とスマホと聞いている音楽だけみたいに思えるときだけが落ち着く

そうやって巨大地震の警戒で無くなった花火大会はきっと明後日そのまま静かに

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