情報処理学会・学会誌「情報処理」
記事一覧
高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)に関する情報処理学会の意見表明について
2024年1月30日に本会より,「高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)に関する本会の意見表明(https://www.ipsj.or.jp/release/iken20240130.html)を発出した.本…
2024年5月号の見どころ(Vol.65, No.5)
新年度が始まりまして,みなさま新生活に忙しい時期ではないでしょうか.4月1日より副編集長に高橋尚子先生が就任されました.今月号には高橋先生ご執筆の「副編集長就任にあたって 会誌の沼にはまってみる」が掲載されております.編集長である私自身も塚本元編集長から編集委員にお声がけいただき,会誌の編集側に関わらせていただいた2014年4月からこの4月で丸10年がたち,11年目に突入しました.これまで私は会誌
もっとみる米国大統領選挙とディープフェイク
湯淺墾道(明治大学)
2024年米国大統領選挙の懸念 2024年は世界的に「選挙イヤー」であり,多くの国で大統領選挙や国会議員選挙が予定されている.その中には,米国やロシアの大統領選挙など世界的に注目を集めるものが少なくない.アジアでは,1月に行われた台湾の総統選挙,2月に行われたインドネシア大統領選挙のほか,インド,パキスタン,バングラデシュ,韓国で国会議員選挙が予定されている.しかしその中で
チェックディジットを計算しよう
久野 靖(電気通信大学)
まだまだ続く「教科『情報』の入学試験問題って?」,2025年の試験開始がいよいよ近づいて,大学入試センター以外に,「情報」の独自入試を実施する大学からの模擬試験問題なども入手できるようになってきました ¹⁾ ²⁾.
その中から今回は,京都産業大学が協力高校において実施した模擬試験の問題のうちの1問,チェックディジットの問題を取り上げます.独自入試の問題なんて難しそ
2024年4月号の見どころ(Vol.65, No.4)
本日より本会第86回全国大会が神奈川大学横浜キャンパスで3日間開催されております.現地はもちろんのことZoomやYouTubeライブを用いたオンライン参加も充実しておりますので是非一部だけでもご参加いただければと思います.特に,聴講参加登録ページにありますように特別講演/招待講演/イベント企画については無料,学生さんは上記に加えて「一般セッション/学生セッション」も無料となっております.会誌編集委
もっとみるAI,判断と決断と説得
鈴木 寛
(東京大学公共政策大学院教授/
慶應義塾大学政策・メディア研究科特任教授)
AIの劇的な普及により,人材育成やガバナンスの在り方について,歴史的な再構成が迫られている.筆者は,OECD Education 2030プロジェクトの共同創業メンバとして「学びの羅針盤」の作成に参画し,文部科学大臣補佐官として,2020年から各学校で実施されている学習指導要領の改訂に携わったが,強く意識した
高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)に関する情報処理学会の意見表明について
2024年1月30日に本会より,「高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)に関する本会の意見表明(https://www.ipsj.or.jp/release/iken20240130.html)を発出した.本稿では,DXハイスクールとは何か,また,DXハイスクールと関連があると考えられる動向を踏まえ,本会はどう貢献できるのかについて解説する.
情報処理学会の提言 本会のこの意見表明につ
電気通信大学 試作問題 第3問 数字列の並び替え
佐藤 喬(東京都立産業技術高等専門学校)
今回は,2023年11月26日(日)に電気通信大学で実施された個別学力検査「情報」の受験体験会で用いられた試作問題 ¹⁾ の第3問について解説します.この問題は,6桁のある数字列を並び替えて,辞書式順で次にくる数字列を求める手順について考える内容です.
問1の解説 それでは,問1から見ていきましょう.図Aは,6桁の数字列の定義と大小関係について,例を
極私的合同座談会:ドラえもんと私と研究
五十嵐悠紀(お茶の水女子大学)
伊藤雄一(青山学院大学)
稲見昌彦(東京大学)
永谷直久(京都産業大学)
情報処理学会,日本バーチャルリアリティ学会,ヒューマンインタフェース学会の3学会から代表者が集まり,『ドラえもん』を題材にとことん語り合う座談会を開催した.情報処理学会からは学会誌編集長の五十嵐悠紀氏,日本バーチャルリアリティ学会からは学会誌編集委員長の永谷直久氏,そして両学会の理事を務め
「最小交換貨幣枚数」による上手な払い方
冨澤眞樹(前橋工科大学)
令和7年度大学入学共通テスト試作問題「情報Ⅰ」の第3問を取り上げる.第3問は,釣り銭に関する問題であり,アルゴリズムに関連した問題である.キーワード “お釣り 最適化” や “お釣り 最小” でネット検索すれば,釣り銭に関する問題やアルゴリズムに関するウェブサイトが多く見つかる.釣り銭問題は馴染みのある問題なのだろう.しかし,電子マネーやバーコード決済を使っている受験
2024年3月号の見どころ(Vol.65, No.3)
暦の上では春となりましたね.いかがお過ごしでしょうか.編集委員会では退任される委員の方の引継ぎの時期でもあり,編集委員退任時に書いていただいている「ほっとタイム」の原稿が私の手元に届きつつあります.各委員の方々が2年2期をどのように過ごされたのか,どんな特集をご担当されたのか,編集委員会についてどう思っていたのかなどを書いてくださっています.「ほっとタイム」は4月号をお楽しみに!
特集「Priv
明るく楽しく元気よく,一緒に前に進もう!
アイシア=ソリッド
(AIcia Solid Project /(株)アトラエ Virtual Data Scientist)
ハローワールド! アイシアです.結局タイトルにあることがいちばん大事,そんな話をお届けします.
最近,あらゆる領域で技術の発展が続いています.この記事を書いている2023年10月30日は,ChatGPTの公開からちょうど1年です.GPT-4で能力が大幅に拡張され,
2024年2月号の見どころ(Vol.65, No.2)
前回の「2024年1月号の見どころ(Vol.65, No.1)」でご紹介した特別解説『「オセロが解けた」を白黒ハッキリさせようじゃないか』(山名琢翔氏執筆)は多くの方からのアクセスがあり,編集委員会でも話題になりました.「オセロ」という老若男女から愛されるゲームが「解けた」とはどういうことなのかをわかりやすい視点から解説してくださったこの記事.まだ目を通していない方は是非ご覧いただければ幸いです.
もっとみる「確率モデルのシミュレーション」は,問題設定を楽しみながら解こう!
林 宏樹(雲雀丘学園中学校・高等学校)
今回は,令和4年(2022年)11月9日に大学入試センターより公開された「情報」の試作問題 ¹⁾ の第2問Bのシミュレーションを扱った問題を解説します.分野としては情報Ⅰ(3)コンピュータとプログラミングの位置づけであり,この分野にはモデル化とシミュレーションも含まれてます.
まず,シミュレーションって言葉を聞くと,難しそうだと感じてしまいます.シミ
コンピュータ・サイエンスは蠱惑的だ.
堀元 見(YouTuber・作家)
「ゆるコンピュータ科学ラジオ」というYouTubeチャンネルを運営して生活している.コンピュータ・サイエンスについておもしろおかしく話す対話形式の番組だ.大学の専攻をこんな形で活用するとは夢にも思わなかった.
大学4年生のとき,機械学習についての難解な論文を読みながら,「僕に研究は向いてないんじゃないだろうか.YouTuberにでもなったほうがいいんじゃ