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おもてなしをするほうが、おもてなしされた気分になった話。

わたしの小さな夢が、叶った。

そしてそれは、また次の夢を生み出した。

自分が願えば夢はどこまでもつづく、
それをパタリと消すのも自分次第だ。


先日、はじめて「住み開き」なるものをしました。

いや、普通に言えば女子会なのですが、
よくある「宅飲み」ではない雰囲気を出したかった。ので、
あえて「住み開き」と言わせてください。

私は今、家賃5万5千円の一戸建てにパートナーと二人で住んでいます。
友人から「安すぎへん?事故物件やん、絶対(真顔)」と言われ、慌てて契約後に例のサイトで確認するという、まっぴら順番を間違えまくってる鈍感な私たちなのですが(結局何のワケもなかった)、「一戸建てドヤァ」的な家ではなく、関西圏にはよくある文化住宅なるものです。

文化住宅ってなんやねん、と思った方。
京都でいうとウナギの寝床のように縦に細長ーい一軒家なのです。
そんな広くないです。(笑)

前々から「いつか自分の場なるものを、小さくてもいいので持ちたいな」と小さな夢を抱いていた私は、彼と相談してこの戸建てに住むことを決めました。

そして来る、初の住み開き。
朝から買い出しにいそしむ。
今思えば効率わるかったなあという、謎のご近所スーパーはしご。(笑)

買い出しを終え、一息。
今日のレシピは鶏塩鍋だったので、
お鍋に入れる具材を購入しサクサク切る。
そして鍋に急いでぶち込みぐつぐつ。。。

そして、昨日思いついたウェルカムボードをせっせか記入。
(ほぼ300円均一のnaturalkitchenという雑貨店はマジで使える。貴社のアンバサダーさせてください。)

デザインに迷いながらもなんとか「っぽく」完成。

あっという間にお迎えの時間。てくてくと駅へみなを迎えに行く。
白いチャリに乗ってまーすと、我が地元感満載のメッセージを送る。
なんかいい、この感じ。

この待ち方どっかのスリーピースバンドのMVみたいやん、と内心ほくそ笑む。

というのも、住まいは大阪だが、
小中高は兵庫の学校に通っていたため「地元で遊ぶ」感覚がないのだ。
町に住むっていいなあ、としみじみ感じた。

「みゆ~!」と声が聴こえてきた。
皆が続々と集まる。
以前住んでいたシェアハウスも近くにあるのだが、その住人ともたまたま遭遇。

「髪切ったんですか~?」
「切ってへんよ〜今からスタジオやねん」

ザ通りすがりの他愛ない会話を繰り広げる。

「うわ、なにこれ、ご近所さん、、、、」と内心にやにやする(パート2)

少し緊張しながら、サザエさんのように皆を先導し家まで連れていく。
「あと5分くらいで着きまーす」とルンルンで向かう。


いよいよ、到着。
扉を開けて、渾身の(といっても制作時間10分足らず)チョークアートをお披露目。

「え~!かわいい~!それも名前書いてくれてる!!」

途端に黄色い歓声があがる。(※注 あくまで私の中での認識)

うわ、、、めっちゃうれしい、、なにこれ、、

そこから昨日の夜に調達したミモザのお花やら、
人数分用意したお気に入りの陶器たちをみて喜んでくれる彼女たち。

これも他人様からいえば、自己承認欲求を満たされまくっているからこその快感なのかもしれないが、自分としてはなんだか違うものを感じた。

あくせく自分なりに気持ちを表現して、
その気持ちが伝わったことが嬉しかった。

ひとは、表現せずにはいられない生き物なんだと思う。

誰かがいることでしか自分が存在できなくて、
その存在の輪郭をより明確にするために表現という手法をとる。

伝わる表現を生み出せた快感が、たしかにあった。
伝わるって、こんなに嬉しいのか。

元々、今回の住み開きテーマは「教育」。
各々が様々な現場に携わる専門家たち。

アイスブレイクなんぞはほとんどなくとも、
一気に話がヒートアップしていった。

「うわあ、、なにこの自分得すぎる時間、、、」

広告会社でプランナーをしていると、
教育現場に携わるプロ同士の話なんて常日頃は聞く機会がない。

現場での現状と課題、研究領域でのトレンドや進歩、
昨今の企業での教育事業におけるジレンマ、、、
F1レースのごとく物凄いスピード感で繰り広げられる会話に、
ただただ感嘆する。

イベンターとしてもなかなか見たことのない光景に感動を覚える。

他人同士でも共通項があると、
まるでパズルがぴたりとはまったように、
話がこんなに弾むのか。。

時はあっという間に過ぎ、解散の時間。

みんなを見送った後、ひとりキッチンで洗い物をする。
このシンクにたまっているお皿たちが、
皆でいた時間の余韻をより際立たせる。

洗い物はいつもより多いのに、
なぜかいつもより腰が重くない。

おもてなしをした私の方が、
おもてなしを受けた気分になっていた。

あんなにお皿洗いが苦にならない瞬間は、
人生で初めてだった。

コミュニケーションの基本は「伝わらない」前提で、話をすることが大切だと考えている。

だからこそ、丁寧に言葉や行動を選び、
自分なりに考え、組み換え、編み上げ、表現していく。

そういうことが、
皆のびのびと出来る世の中にしたい。
結局表現なんて材料がなければ料理ができないことと同じで、素材がなければ生み出されない。

私は、その究極の素材こそが「人と話すこと」だと思っている。

そんなこんなで「めっちゃいい感じの住み開きを極める女になりたい」
という、もう一つの謎の夢ができた。

とりあえずソファー買います。(笑)



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