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冷たい時も合図出ろや!

⭐️⭐️⭐️
(星の数でこの記事のオススメ度を
5段階で評価しています)

僕が一人暮らしをはじめて間もない頃、
お風呂は基本的に
シャワーだけで済ませていた。

浴槽にお湯を溜めるのが
面倒くさかったからだ。

ある日、
疲れきった状態で家に帰ってくると
普段そこまで恋しくない湯船に
浸かりたくて浸かりたくて
堪らなくなってしまった。

そこで僕は
その家ではじめてお風呂に
お湯を溜めることにした。

お風呂の操作パネルを見る。

ボタンが2個しか無く、
操作方法が全くわからない。

僕はすぐにこの家に置いてあった
総合マニュアルを確認した。

そこにはゴミの出し方や
この家の契約内容、
管理会社の連絡先などが全て載っている。

しかし
困ったことに
風呂の入れ方が書いていなかった。

しょうがない、、、

僕は自らの少ない人生経験と
完全なる当てずっぽうで
お湯を張ることにした。

実家の時はこれほど複雑では無く
もっと簡単だった。

でもそんなことを
今更言ってもしょうがない。

予想だけで操作パネルのボタンを押し、
風呂場のカランを捻った。
これでおそらく大丈夫だろう。

水が完全に溜まりきるには
20分ほどかかりそうだ。
僕はソファに腰掛けしばらく時間を潰す。

途中で不安になり
風呂場を見に行った。

当たり前だが栓をして水を流しているので
もちろん水は溜まる。

これであと数分待てば大丈夫だろう。

僕は完全に安心しきっていた。

しばらく時間が経つと
操作パネルから電子音が流れた。

20秒ほどで止まる。

なるほど
音が鳴るのはどこの家でもだいたい同じか。

音の種類こそ違うものの
軽快な音色が僕の家に鳴り響いた。

服を脱ぐ。
風呂場の扉を開けると
頭を洗い、体を流し
この家で初のお風呂に入ることになった。

かなり疲れが溜まっていたのか
久しぶりに湯船に
浸かることにワクワクしていた。
足を水に浸ける。

その瞬間

僕は叫んだ


冷たい時も合図出ろや!


なぜこのような言葉が出てきたのだろう。

考えてみた。

確かに風呂場の水は冷たく、
とてもじゃないが
浸かれるような温度ではなかった。

おそらく風呂の焚く方法を
間違えたのだろう。

これは正直
7:3くらいで僕が悪い。

しかし僕はその時
とても疲れていた。
コンタクトを外しており
メガネもしておらず視力も落ちている。

正常な判断能力はない。

だからもっと分かりやすく
『冷たさ』というものを
水に表現してもらいたかったのだ。


僕は冷たいですよ

そうアピールして欲しかった。

熱ければ湯気が出る。

それなのに冷たい時の合図はない。

銭湯では水風呂以外の
全ての風呂からは
湯気が出ていて

あったかい

とすぐ判断できる

水風呂からは何も出ていない

ということは
今回のケースも

湯気が出ていない=冷たい

と判断できるだろうか

いや、できない

あれはあくまで比較だ。
他に湯気が出ている風呂が
沢山あるからこそわかるのだ

完全に他の風呂ありきである。

僕はまだその時
大学1回生であり
若いので体には支障は無かった。

しかしこれがお年寄りだったらどうだろう
冷たさにビックリしてしまうのではないか。

風呂場で1人立ち尽くした僕は
これらのことを考えていた。

しかし正直そんなことはどうでも良かった。
温かい風呂にさえ入れれば

でも
今からもう一度入れ直すのは面倒くさい。

この家のお風呂には
追い焚き機能はついていない

というかこの状況で
追い焚きさせられるのはなにか癪だ。

シャワーを熱めに設定して浴び直し
僕は風呂場を後にした

後日
改めてマニュアルを確認した。

そこには
風呂の入れ方が
しっかりと記載されていた。



10:0で僕が悪かった。


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