TOEICなんてクソ.

TOEICというものをご存知だろうか。

存じ上げない方のためにすごく簡単に説明すると、「資格として利用できる英語のテスト」だ。中学や高校の時に「英検」というものがあったと思うが、そんな感じのイメージを持ってくれればいいのではないかと思う。

普通のテストとかだと100点満点で設定されるのが基本だが、TOEICの場合は990点満点である。私はTOEICの存在を知った頃から「何故1000点満点にしないの?あと10点じゃん」と疑問を抱いている。このnoteを読んでいる方の中に有識者がいたら是非教えて欲しい。気になって夜しか眠れていない。

TOEICは、一般的な4年制の大学に通う大体の大学生が入学後すぐにクラス分けのために強制受験させられる。また、それ以外にもビジネスマンがTOEICスコアを昇進材料として用いるために受験したりする。大学入試なんかだと一定のTOEICのスコアを獲得すれば英語のテストが免除になったりもする。

つまり日本においてTOEICのスコアというのはその人の英語力をかなり正確に数値化したものであると判断されているのだ。

さて、TOEICに関する説明はここで終わりにして本題に入ろう。

私はTOEICをクソだと思っている。

頭ごなしに否定しているのではない。私自身が実際にTOEICを勉強し、ある程度のスコアを獲得した経験があるうえでクソだと思っているのだ。

勿論私も最初からTOEICをクソだとは思っていなかった。寧ろ国内で高い信頼を得ているテストなのだから、このテストである程度良いスコアを獲得できれば自身の英語に対するモチベーション向上にも繋がると思っていた。しかし、実際に勉強しある程度のスコアを獲得した先に残ったものはTOEICというテストそのものに対する不信感だけであった。

さて、私がこの考えに至った経緯だが、去年の4月頃にふと思い立って「TOEICでも勉強するか~」となった。私自身現在大学生なので、就職活動でもアピールできるような資格を取得しておきたいという気持ちもあり、同時にコロナ禍で時間的猶予もあったので受験してみることにした。

と言っても、いきなりテストを受けたところで無惨な結果を招くだけなので、勉強期間を1ヶ月設けて5月に開催されるテストに臨むことにした。

ちなみに勉強開始前の私のTOEICスコアは470点である。TOEIC受験経験者なら分かると思うが馬鹿である。この記事の序盤で記したが、TOEICは990満点なので私のスコアは満点の半分以下なのである。恐ろしい。

それもそのはず、私は大学で強制的に受験させられていたTOEICにおいてロトシックス方式(マークシートの記号を適当に塗りつぶしていくだけ)を採用していたため、そもそも問題を読んでいない。逆を言えばどの問題に対面しても恐らく同等のスコアが出る。そう考えたら470点というスコアは案外高かったのかもしれない。

いずれにせよ私はTOEICの受験経験者ではあるがほぼ初心者と言っても過言ではない、英語がほとんど分からない人間だったのでとりあえず勉強した。

結論から話すが、1ヶ月の勉強で私はTOEICのスコアを280点伸ばした。

↑実際に獲得したスコア(大学名等記載があるため一部抜粋)

TOEICのスコア750点というのは、一応ビジネスに利用できる最低レベルの点数として目安設定されている。簡潔に言えば「英語で仕事が出来るギリギリの人」というような感じだ。

しかし私は全くそう思わない。寧ろ日本企業や組織のTOEICの信頼度の高さに対する疑念ばかりが深まっている。

こんなことを言うと非常に憎たらしい奴に聞こえてしまうと思うが、TOEICでこのレベルのスコアを獲得しても正直そんなに嬉しくなかった。別に虚勢を張っているわけではない。ただ純粋にそう思ったのだ。

何故かというと、私自身の英語力はほとんど向上しなかったからだ。

まずTOEICにはスピーキングのテストがない。厳密にはテストは存在するが、一般的にTOEICとして扱われているのがリーディングとリスニング(L&R形式)であるため、英会話力が判定できないのである。

当然私は英語が喋れない。恐らく中学生レベルの英会話力しか身についていない。でもビジネスレベルの英語力があると判断されてしまう。これは非常に危険なことではないだろうか。

だが悪いことだけではない。TOEICを勉強するにあたってボキャブラリー(語彙力)とリスニング能力はある程度身につく。

Youtubeにアップロードされているアメリカの有名なタレントオーディション番組の会話くらいなら7~8割くらいは聞き取れるようになる。

つまりTOEICの勉強自体は決して無意味ではないのだ。私が懸念する問題はテストそのものにある。

私がTOEICの最も懸念している問題は、「英語が出来なくてもスコアが獲得できてしまう」点である。

何故ならTOEICにはある種の規則性みたいなものが存在する。その規則性をしっかりと理解して抑えるべきポイントを把握すれば誰でも600点以上は取れるようになっている。これは誇張ではなくマジの話である。

例えばだが、リスニングセクション(Part2)において選択肢にスペル・発音が似た単語がある場合、その選択肢は不正解である割合が非常に高い。これは問題製作者側が「文章全部はしっかり聞き取れなかったけど単語だけかろうじて聞き取れた人」を落とすために設問してある。つまり、逆を言えばそのような類似単語を除いた選択肢が正解である確率が高いのだ。

こんな感じでTOEICには様々な規則性が介在している。言わずもがな私はこの規則性を利用して点数を獲得した。つまり、TOEICのスコアではその人が有する英語力の真価は問えないのである。

それなのに日本企業の多くはこの「規則性ゲーム」を立派な英語力の指標として評価している。純粋な英語力が反映されないTOEICのスコアだけで英語が出来ると判断するのはまさに愚の骨頂だろう。

TOEICは規則性ゲーム。だからクソなのだ。

ただ中盤で少しだけ綴ったが、TOEICの勉強そのものには意味がある。ビジネスシーンにフォーカスした英単語の習得や文法の理解、リスニング能力の向上には打ってつけであると思う。だから今TOEICの勉強をしている人には是非その勉強を大切にして欲しい。

長々とTOEICがいかにクソであるかを綴ってしまったが、私が言いたいのは「英語力以外でスコアを伸ばすことが出来てしまうテストを英語力を測る基準として設けるなよ」ということだ。

実際にビジネスシーンでは規則性なんか存在しないし、己の英語力そのもので勝負していかなければならない。そう考えると外資系や翻訳家などの言語を生業としている人は本当にすごいと思う。尊敬に値する。

また、私のような英語力に乏しい人間でも1ヶ月勉強すれば700点以上取れるのだという事をこれから受験される方に知ってもらいたい。
英語が苦手でTOEICなんか無理と思っている人がいるかもしれないが、TOEICは「規則性ゲーム」であり、普通の英語のテストではないということを再度申し上げたい。ここに勝機があるのだから。

先日バイトで外国の方に英語で「ABCマートは何階にあるの?」と聞かれ、一語一句完璧に聞き取れたにも拘わらず、全く言葉が出てこなかったのでフロアマップだけ渡した。

改めて言う。TOEICなんてクソだ。









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