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「課題の地図を描く」講座をスタートしました!

issue+designでは、10月から新しく「課題の地図を描く」講座を開始しました。ここでは、初回の講座の様子や内容について紹介したいと思います!

地図ってなんじゃ?なんのために?
この講座に興味を持っていただいているみなさんに、この記事がそんな疑問の解消につながると嬉しいです^^

<講座開発の背景>


私たちissue+designは10年以上全国各地の社会課題に向き合い、課題の本質をともに考え、具体的な解決策を考え抜き、実践してきました。
そして、2019年には書籍「持続可能な地域のつくり方」を発刊し、その実践を通してわかった「地域」という生態系の特徴や効果的なアプローチについてまとめました。この本の中では、イシューマップという本講座でメインに扱っていく地図でさまざまな状況を説明しています。

「持続可能な地域のつくり方」筧裕介著 英知出版より
地域の状況を分ける「分断」と「協働」のシナリオ

しかしながら、全国各地でその土地を良くしようと動く人たちにとってもっと役に立つ何かはないか?そう考え、issue+designのアプローチを学んで自分たちで活用できるワークツールを作りました。この「課題の地図を描く」もその一つです。

<講座の基本構成>


この講座の基本構成は以下の通り。知識のインプットだけでなく特に後半は実践ワークを多めに、講座終了後に参加した方が自分で使えることを目指して作られています。
1)課題解決のための「地図」とは。その種類と特徴
2)「システム思考」と「イシューマップ」とは
3)実践/ワークイシューマップを描く
4)イシューマップを描くステップ。コツとは
5)実践ワーク/イシューマップ100本ノック
6)実践ワーク/自身の課題の地図を描こう

少しだけ中身をご紹介します。

1)課題解決のための「地図」とは。


そもそも地図とは何か、私たちは本講座でこのように定義しています。
『取り組みたい課題についての情報や声が視覚的に整理され、これから取り組むにあたって現在の立ち位置や今後の進路を定めるための道具』

とはいっても、世の中にある課題は複雑多様。道標にする地図も、場面に適切なものがあります。2013年に発刊したソーシャルデザイン実践ガイドから紹介します。


ソーシャルデザイン実践ガイド 筧裕介著 英知出版



本講座では、課題に関わる要素の因果関係を整理するのに最も適した「SDGsイシューマップ(イシューマップと表現)」を活用するための方法を学んでいきます。


2)「システム思考」と「イシューマップ」とは


次に、イシューマップを描いて行くときに大切な思考法「システム思考」について学びます。課題に関わる要素の因果関係を見出すためには、その前後にあるものを予測する力が必要です。システム思考を用いて出来事をより深く観察し、そこから導き出された要素をイシューマップで繋げていく、その行程の訓練です。

イシューマップで表現している世界について理解を深めます

3)実践ワーク  イシューマップを描く


ここまでのインプットを受けて、実践ワークです。
まず、参加者の皆さんには課題に直面するある町についてのお題をお渡し。
その後、その状況をシステム思考の氷山モデルのフレームワークを用いて4つに分解。
その後、イシューマップに要素を書き出し整理していきます。
本講座は全てオンラインで行うため、Googleスライドを用います。

A市で起きている状況を氷山モデルで整理
整理した図を参考にマップに落としていきます



1日目の講座はここまで。
まだイシューマップについての描き方のポイントなどはお伝えしていないので参加者の皆さんからは
「どのように要素の因果関係を見つけるのかわからない・・」
「矢印をつなげていたら逆に問題の本質がぼんやりしてしまった・・」
など困惑の声も聞かれましたが、まさにそれが大切。2日目に続きます。


個人ワークのあとはグループで対話

4)イシューマップを描くステップ。コツとは


ここからが後半戦。
まず、イシューマップを描く時のポイントをお伝えします。
特に「これが正解!」というものがあるわけではありません。
大切なのは「課題を取り巻く全体を把握し効果的なアプローチを導き出す」そんな地図になること。
ただ、一つの側面から全体構造を予測することや最初から因果関係が整理された地図を描くことはとても困難です。
(むしろ、それが簡単にできていたら世の中の課題はもっとポンポンと解消されているはずですね。笑)

課題の地図を描くためのステップは2つ。
①マップの要素だし 
②要素同士のつながりを矢印で繋ぐ
シンプルなステップの中にある、細かいポイントをお伝えしていきます。

要素の書き方もマップの大切なポイント!


時間・空間を広げた地図を平面に落とす作業


5)実践ワーク  イシューマップ100本ノック


地図の描き方のポイントをお伝えし、ここからはひたすら実践!!
まずはまたお題をもとに「イシューマップ100本ノック」
なぜか体育会系のネーミングになってしまうのは悪しからず(笑)

今回は「地方部の教育の課題」「共働きの夫婦の課題」「認知症の方が暮らしにくい街」「衰退する商店街の後継者問題」の4つで好きなものを参加者が選択します。
それぞれのお題文章を読み、課題の全体構造を読み取り&予測しイシューマップを描いていきます。ワークは基本的に全て個人作業で、できた人は適宜スタッフとの個別相談を行いイシューマップの過不足や繋がりなどについてブラッシュしていきます。

地方部の教育のお題
スライドにイシューマップを描いていきます


6)実践ワーク 自身の課題の地図を描こう


最後は、自分自身に関わる地図を描きます(ようやく、ですね!)
事前に考えてきた人もいれば、その場で気になったことについて、それぞれテーマを定め
①テーマの深堀 
②イシューマップを描く、というステップで描いていきます。

今回の参加者は、自治体職員・NPO職員・地域おこし協力隊・企業の人事担当者・フリーランスのコンサルタント、などなど属性もバラバラ。

個人ワークの後にはそれぞれが描いたマップと、その背景にある自身が感じている課題を共有。グループメンバーでお互いに磨きあい自身のマップを完成させました。

それぞれの地図が完成します
それぞれのテーマについてお互いに理解を深めます

<講座を受講した参加者からの感想>


今回、初めての開催ということで運営スタッフも「ちゃんと伝わるだろうか・・・」といった不安を抱えながらの実施でしたが、参加者の方からの声は嬉しいものばかり^^

※参加者アンケートから講座の感想抜粋
「課題の深ぼりやMAPによる可視化等を通じて、今、見ている問題や課題以外の背景にある様々要因を意識できるようになってきた」

「本を読むだけで半わからなかった部分が体感として学ぶことができた。思えば始めに説明をしてもらっていたのだが、実際やってみると難しさがたくさんあり、実践として何枚も練習(特訓?!)をしていく必要があると感じた。」

「この演習だけでなく、日々身の回りのテーマで活用していきたい」

<今後の展開>


この「課題の地図を描く」講座は、2023年3月まで月に1回のペースで開催予定です。身の回りにあるほんの少しの引っかかり、そこ気づき、考え、実践していく。
課題解決の一歩を、一人でも多くの人にとって身近なものになることを願い、この講座を通して皆さんと繋がれることを楽しみにしています。

★講座開催情報についてはこちらをご覧ください★
11月開催(2DAY) 11/14・11/19
https://peatix.com/event/3382459/view
12月開催(1DAY) 12/18
https://peatix.com/event/3390548/view


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