生活から言葉や記号が消える? @メニュー名も料理のジャンルもない名店「創作ダイニングやばゐ亭」 STORY4
認知症世界。この世界には、わたしたちが当たり前に使っている言葉や記号といったものが存在せず、注文方法が常識とはまったく異なる名店があるのです。
ここは、知る人ぞ知るレストラン。この店では、料理の名前を表す言葉が存在しないため、みんな「あれ!」「それ!」と言って注文します。そして、出てくる料理は、和食とも中華ともフレンチとも言いがたい、なんとも表現できないもの。
また、味を表す言葉は「やばゐ!」の一言。どんな料理を食べても、みんな口々に「やばゐ!」と満面の笑みで話しています。わたしも食べてみると、「やばゐ!」以外の言葉が頭にまったく浮かびません。まさに筆舌に尽くしがたい体験です。
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生活から言葉や記号が消えるってこんなに不便だったのか!
わたしたちは、あらゆるモノ・コトに対して言語という記号をつけ、他者と共有することで、コミュニケーションをとっています。
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