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ペルソナ ノン グラータ

病院というのは聖なる建物でも何でもない、健康管理を売り物にする一つの会社です。

会社ですから当然利潤を追求しなければなりません。

ドクターだって、看護師だって、職員だってカスミを食べて生きているわけではありませんから、「経営」という大きな側面があることを忘れてはいけないのです。

病院で最も必要なモノはマンパワーですから、職員を多く雇わなければなりません。

その人件費たるやたいへんなモノです。

経営を安定させるため、一人でも患者様を受け入れなければ利潤が発生しないので、基本的に患者様は尊重の対象ですが、ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる奴)というのも当たり前のように来てしまうのが辛いところ。

われわれも注意しなければなりませんが、生活に苦労を背負うあまり、診察中に取り乱して泣き出すなんて人はまだマシな方で、躁状態なのか、ひたすらしゃべりまくって1時間以上もドクターを拘束する困ったクライアントですとか、ヤクザなのかどうか知りませんが、生活保護の受給がしたいので診断書を書いてくれ、などという「健康な人」が現れてドクターが閉口したりすることもあります。

そうかと思えば、「あのドクターに無理矢理 障害認定を請けさせられた!」などと待合室で息巻く興奮状態の患者?が対応に出た職員を罵ったりするなど、あまりの賑やかさにデイケアにいる我々がア然としたりする、まさに「人間動物園」状態が展開されることも。

思わずドクターや職員に同情してしまう、良心を疑うような言葉を吐き散らす奴や、診察室に入るや否や、院長のデスクに蹴りを入れて、警察が駆け付ける、なんて奴までいます(笑笑)。

しかし、たいていのクライアントは静かに病気を受け入れて、秩序を守り、ドクターの指示に忠実です。

そういう患者さんは同じ罹患者として応援したくなりますし、職員にも礼節を欠かさない穏やかな人ばかり。

そんな常識的な人々だからこそ病むのではないかなァ、と思ったりもします。

まあ、周りが見えなくなるほど興奮するから病気なのだ、と言われたら確かにそうなんですがwww(笑)。

今日もどこかの心療内科に、困ったちゃんが日々現れているのです。


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