★所詮登場人物。ねねこ次第。でも…っ。

　やほー。眠れないなら、一緒に会話しない？君は今この画面スマホで見てるの？それともパソコン？
　てか、そもそも、どうやって「ここ」に来たのー？検索したら、たまたまあたしとばったり会った感じかな？ま、これも何かの縁だし、ちょっとだけ話そうよ！

　あたしは七瀬凛（ななせりん）。凛でいいよ。一応女性。多分。
　君のところは今何時？ここは、何時だろ、うーん、君と同じ時間かな。多分。なんかさ、1時頃だとまだ寝れるかもって思えるけど、３時とか４時とかになると、寝れないかもって焦って、逆に寝れないパターン無い？興奮してきちゃうというか。
　あとさ、科学だか、医学的に、「寝てなくても目を閉じていれば、体は半分は休めてるんだ」って聞いたことない？これほんとなのかな？でも、あたし少し信じてて、４時過ぎとか焦ってくると、この言葉を信じてひたすら目をつぶっちゃうんだよね（笑）。君は？開き直ってそのまま起きちゃう？
　あ、それに、オレンジ色のライトで寝るより、真っ暗の方がしっかり寝れるとか噂あるよね。なんかさ、歳取ると、気づくとなんでか睡眠の知識増えてかない？友達と無意識に「あるある話」で話してるから、そこで覚えてるのかもね。あ、あたしまだ若いから。多分。
　ね、ね、君はさ、よく動画サイトであがってる「よく眠れる音楽」とかって見たことある？あれ、本当に効くのかな？あたし観たことない。ほとんど動画時間が一時間とか長いし、そもそも無音じゃないと寝れない派だし。時計の秒針の音もダメ。一度気になるととことん気になっちゃう。
　――なんだか、あたしから話してばかりで、君からの声が聞こえないな。

　それもそう。君とあたしは「居る場所」が違う。今のあたしはこの画面の中だけにしかいない。しかも文字だけの姿。言動も、性別も、思考も全てが作者ねねこ次第。だから、ここにいるあたしはあたしじゃない。あたしは所詮登場人物。
　不思議だよね。登場人物って存在。テレビドラマの登場人物は、文字で作られた脚本通りに動く。それって、あたしと変わらないじゃない？でも、違う。ちゃんともう一人の本物の自由な自分がいる。その本物の自由な自分は、給料が貰えたり、登場人物の設定を変更出来たり出来る。なんなら、自分に合わない登場人物なら、ならなくてもいい。
　でもあたしは？この画面って有料なんでしょ？だから給料が貰えるのはあたしじゃなくねねこ。あたしの設定を変えられるのもねねこ。――あたしには自由が無い。しかも、あたし、ねねこのこと知らないし。

　ねねこの世界は、君の世界と同じなのかな？あたしは、この画面でしか君と会えないけど、君の世界に行ってみたいな。君の声が聞きたいし、会話したいな。色んな小説の登場人物も同じ気持ちなのかな。そもそも、こうやって考えちゃうのも、ねねこがそうさせてる（書いてる）訳で、ほかの登場人物は考えもしないか。んーあたし、いつ寝れるかな？君は寝れそう？

　あぁもうっ！これじゃ暗い暗い！光じゃなくて、空気が暗い！重い！なんかねねこが悪者になってきちゃったし。あたしも馬鹿じゃ無いわ！こっからは「あたし」を、ねねこに書かせるのよ！
　そう、考え方次第。ねねことあたしは唯一繋がってるんだから、登場人物のあたしが意見してもいいよね？つまり、今まで「書かれるだけの存在」だったけど、あたしがねねこに「あたしを書かせる存在」になるの。
　そしたら、ちゃんと言える。あたしは七瀬凛、って。女性って。この画面を買ってくれてありがとうって。たく、ねねこからもお礼が欲しいぐらいだわ。

　――でも、それじゃだめだよね。あたしはねねこと繋がっていても、君と繋がれるのは、君の声が聞けるのは、…ねねこだけだもん。だから、ねねこと一緒に、話し合いながらこれからはやっていかないと。ねねこはあたしをこの世に生んでくれた。感謝しないとね（一応）。ねぇ、ねねこ聞いてる？

　そんな訳で、今はねねこと一緒に書いてるよ♪最初は、テレビドラマとかの登場人物がうらやましかったけど、あたしはあたしなりの自由がある気がする。無限の可能性ってやつ（笑）？
　あ！そうそう、あたしはこの画面だけで終わらないからね！恥ずかしいから顔出しはNGだけど、違うところでまた会おうね。もしかしたら有名人になれるかな？そしたら、本当に君に会えるかな。なんだかワクワクする。頼んだぞねねこ！
　眠れない夜にたまたま君と出会えて、気づいたら愚痴ってたね（笑）。でも、ここまで見てくれて（聞いてくれて？）ありがとう。君と出会えてよかった！あたしはそろそろ寝る準備しようかな♪夜更かしは肌に悪いって言うしね。君も寝れるといいね。

「じゃあ、おやすみなさい！！またね！！」

～あとがき（ねねこ本人より）～　
　本人の要望通り、七瀬凛の話はこれからも色々な形で、彼女と一緒に書けたらと思います。なんだか、私の印象が下がらないか心配です（笑）。私からも、この小説をご購入頂き、そして、七瀬凛と出会ってくださり、本当にありがとうございます。これからもよろしくお願いします。

#眠れない夜に