積読マイスターによる読んでないけどなんか買って良かったなと思う本


みなさん、何か収集してるものはありますか?

私の収集癖の始まりは5〜6年くらい前じゃないかと思います。

美術に目覚め始めた私は数ヶ月に一度ほど美術館に足を運んでおりました。
お目当ての展覧会と、美術展のチラシのためにです。

学生時代はお金が全く無かったので、学校(デザイン科ということもありたくさん置いてある)や美術館で大好きな西洋美術、日本美術、現代アートなどのデザイン性の高いチラシを片っ端からもらってファイルに綴じご満悦で眺めておりました。

これがきっかけです。
好きなものは全部欲しいと思うようになったのは。

今では美術展チラシのほかに映画のフライヤー、チケット、ポストカード、缶バッチ、ブックカバーなど集めるというか無意識なんですかね、集まっちゃってます。
本能的に良い!と思ったら専用のボックスにすっと入れてるんですね…

働き始めて金銭面にまあまあ余裕が出た今、収集癖ゆえにもそんな感じで集まってます。
読書家に分かる方いるんじゃないかな、
あ、この装丁良い!
あ、このジャンル好きだ!


これだけでレジに運ぶ事ないですか?ネットショッピングでカートに入れる事ないですか?
おめでとうございます立派な収集家です!

このマインドで買うと気づくことがある。
それが積読

前置きが長くなりましたがここからが本題です。

記事を書こうと思ったきっかけ

オモコロの記事でこんなものがありました。

……すごく面白い!
紹介してる本、気になる!!
大笑いしながら共感しまくった岡田悠さんのこの記事。
哲学書、SF小説、奇書、、
詳しくは書きませんが難しそうな本が紹介されていました。

そして買いたくなる理由もわかる。
当然積むのもわかる。

(実はこの記事を読んでウラジーミル・ソローキンのテルリアを買いました。読んでません。)

記事を読み私は思いました。
私なりの積読紹介をしたい
日の目を見ない彼らを救いたい。

それではそんな彼らをいくつか紹介いたします。

①菌糸類文学集

FUNGI-菌類小説選集 第Iコロニー
FUNGI――菌類小説選集 第IIコロニー

11のキノコをテーマにしたSF文学を集めたアンソロジー本。

編集者のオリン・グレイとシルヴィア・モレーノ=ガルシアが、カビとキノコに覆われた孤島を舞台にした日本特撮ホラー映画「マタンゴ」の話で盛り上がりできた一冊です。

しおりのある場所から、第一コロニーの半分までしか読んでないようです。
二段組構成は苦手ですがどれも奇妙でググッと引き込まれる物語ばかりで苦手意識も吹き飛びました。(なのに積むという)

ジョン・ランガンの「菌糸」という物語が特に不気味で怖く、普段あまりないのですが「怖いから読むのやめたい」と思うほどでした。

購入に至ったのはこの本の掲げている「キノコ」というテーマに加え装画と装幀がかっこよかったから。

青井秋さんによる微細でゴシックなキノコが1作目と2作目それぞれ輝く銀色と銅色の表紙に浮かび美しい。

背表紙の題字にも施された銀色は今でも本棚で光り輝いています。



②全4号の幻想雑誌

1968年から1969年にかけて刊行された澁澤龍彦責任編集の血と薔薇

私が持っているのは上記。
2003年に発売された全3冊の函入り復原版。
内容はというとざっくり言えばエロティシズム、吸血鬼、愛の思想、マゾヒズムなどアングラ的総合誌です。(うう、読みたい。)

届いてまず思ったのが「綺麗すぎて触れない」でした。

ご覧下さい。パラフィン紙がかけられています。古書によくかけられている保護するためのものですね。
開くとクシャッと音を立てる。
破いてしまいそうでとにかく怖い。
その薄い膜の下から除く美しい表紙絵と箔押しの題字。尊敬する澁澤龍彦の本だぞ…これ以上触るとダメになりそう…。ってことで本棚で眠ることに。
こんな理由で積まれることになるとは。

しまう時冷や汗ダラダラ。
こちらの本が気になる方でパラフィン紙恐怖症の方は文庫版もあるのでこちらをチェック!

③シュルレアリスム画家によるコラージュ小説

1929年シュルレアリスム画家マックス・エルンストによって制作された百頭女
この作品の核はマックスエルンストによるコラージュアートワーク。

以下サイトの解説が分かりやすいと思います。

私が所持しているのは河出書房新社から出版された1974年の大型本。
河出文庫より文庫本が出ているのですが私は迷わず大型本を買いました。
大好きなマックス・エルンストの絵を大きいサイズで見たいし大型本てかっこいいから。

画集として成り立つためパラパラとページをめくって美しい作品を眺める。それだけで大変満足し小説として味わうことを忘れてしまうんですよね。

本著1ページ目と2ページ目です。


こんな感じです。

④星の翁の全仕事

今でも読む気しかないほど読みたいという気持ちのある本

野尻抱影の本シリーズ


野尻抱影は天文民俗学者、随筆家。
冥王星の和訳命名者である人です。
この「冥王星」は東アジアでも使われているそうです。すごい!
星空のロマンスと星の文学誌を所持しています。


天文学、季節の星空、ギリシャやローマ神話を題材としたエッセイ集。
恐らくですが澁澤龍彦のエッセイと同系統じゃないかと思います。

小泉八雲に傾倒し、小泉八雲から直々に学んだ星の文学者野尻。見事に美しい文章に違いありません。

この本を買ったのは天文分野にハマっていたころ。以前紹介した天文古玩様のブログを読んでいた時大好きな宮沢賢治や長野まゆみ、稲垣足穂と同じく「野尻抱影」がカテゴリされておりました。

2015年のこちらの記事です。
なんて美しい装幀!あ、あの安野光雅!
星にまつわる文学誌!
これは読むしかない。後に積まれることになりますが購入に至ったわけです。

ではなぜ買い続けているのか?

「30までは貯金せず欲しいと思ったものは買った方が良い。 将来の財産になる」
忘れてしまいましたが以前誰かがこのようなことを言っておりました。
買わない後悔より買って後悔した方がいい。
本当にその通りだと思います。

アイデア、発想力が何より重要な創作活動。
そしてどこから降ってくるかわかりません。
今回あげた4冊の本も天文、怪奇、エロティシズム、美術と密接に関わるヴンダーガンマー的なものばかりです。

ノウハウ本やビジネス書、料理雑誌だって全て知識の源です。

本棚で眠る彼らに後悔したという気持ちは一切ありません。
売ったり捨てたりしなければ一生残り続ける宝物ですから。

今回挙げた本は全てちゃんと読んで記事にしたいと思います笑

みなさんもレッツ積ん読!

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