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「あ・うんの呼吸」が一番ヤバイ。

ゆる物書きサロン、文系女子&男子のためのたまり場、言葉のパーソナルトレーナー、遊んで学べる文章ジム、こと「おとなの寺子屋〜文章教室〜」、次回は特別企画。7月10日(土)開催です。


 日本語は世界の中でも「ハイコンテクスト」な言語と言われています。
 
 「ハイコンテクスト」とは、言葉の意味以外の部分が大事になってくるということ。双方の関係性や言い方、文化や背景によって言葉の意味が変わってくる、繊細で微妙なコミュニケーションなのです(いっぽう、英語はシンプルに言葉通りの意味で伝えるため、国や文化をまたいだグローバルなコミュニケーションに向いています)。
 
 俗に「あ・うんの呼吸」とか「ツーカーの関係」とかいったりしますよね。いろいろな物事や前提を共有している間柄だと、ろくに言葉を発しなくても気持ちが分かる。あえていろいろ言わなくても会話が通じる。日本はその傾向が強いということです。ですがこれが「人づきあい術」としては危ない落とし穴。
 
 お互いが「あうん」で分かっているつもりでも、実は分かってない。時間がたてば感覚も変わるし、合意がずれていく。「あれ?おかしいな」「こんなはずじゃ」が積もり積もっていき、最終的に大事故に。伝わっているはずが伝わってなかった。仕事でも夫婦でも、このように「あ・うん」の関係になり始めたころがいちばん危ないのです。
  
 そういうことがないように、「あの件」「いつものように」でごまかさない丁寧なコミュニケーションが大切です(仕事であれば初心を忘れない、夫婦ならきちんと感謝を言葉にするなど)。
  
 「世界中でも隣国同士はたいてい仲が悪い」などと言います。それも、なまじっか文化が近くていろいろなことを共有できている(つもりになっている)ものだから、ちょっとした違いにイライラしてしまう結果なのです。遠く離れた異国であれば、さぼらずイチから文化を理解しようとするのに。
 
 気心の知れたスタッフとばかり仕事をするのは楽ちんです。が、時には別のスタッフとも仕事をするよう心がけましょう。めんどうかもしれませんが、正常でまっとうなコミュニケーションを見直すきっかけになります。

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