イタリア語との出会いは突然に


私が人生の中で寝食忘れるほど没頭したのは

イタリア語とバイオリン。

今日はイタリア語について語ろうと思う。


出会い


時は1990年代。

大学3年生の頃、赤坂の語学学校の英会話レッスンに通っていた。

週3回通って確か月5,000円の月謝。イタリア語と出会うだなんて想像もせず、英語を話せるようになりたくて通い始めた。

あまり日本に友好的ではないように見えたアメリカ人の講師と数人の日本人とのグループレッスン。通っていてもあまり楽しくなかった記憶のみ残っているが、ある日、語学学校のオーナーの佐藤さんから「受付のバイトをしてみない?」と声がかかった。

見学希望の電話応対をする程度の簡単なバイトで時給も安かったが、とにかく外国に目が向いていたので二つ返事でやらせてもらうことに。

その学校は英語のみならず、様々な言語のレッスンがあり、「バイトをしてくれたら、英語以外の外国語のレッスンをただで受けられますよ」、と佐藤さんに言われた。

当時第二外国語は大学でフランス語を専攻していたが、全く意味がわからず、お手上げ。特に習いたい言葉もなかったように記憶している。そもそもこんなことを言ったら元も子もないが、授業がつまらなかった。

ある日のこと、いつものように電話番をしていたら、音楽が聞こえてきた。

とても懐かしい響きで、力強いが少し物悲しく、なめらかな抑揚があり、

私の中で何かが跳ねる感じがあった。

それは音楽ではなく、2人の外国人が話していた言葉だった。


イタリア語を習いたいです。


この言葉はなんだろう?

と思い、佐藤さんに尋ねたら、それはイタリア語だった。

確か木曜日の夜だったのだが、佐藤さんに「第二外国語はイタリア語を習いたいです」とお願いして、その週の土曜日のレッスンに入れてもらうことになった。

当時はイタリアなんて考えたこともなかった。

正直ヨーロッパのどこに位置するのかもよく知らなかった。

世界史も興味がなかった。

でもその言葉の音に惹かれ、この言葉を話せるようになってみたい、

という思いがこみ上げた。

  つづく 


terucchiteruteruさんのオキナワシリーズに刺激を受けて、自分の人生を少し振り返りたくなりました。

私の人生でイタリアは切っても切れない縁のある国。

不定期で書きたいと思います。

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