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暮らしと食の、想うこと

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暮らすこと、料理をすること。 10年同じ部屋を借り続けて作り続けてきた料理と暮らしと想いについて。
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#建築

愛を言葉にする必要はあるか

この週末は長年の役目を終えた弊社の倉庫の壁を解体していまして、交通整備的な必要性から大学教員の友人を呼びましたら最終的には率先して解体を進めくれて随分と助かったなと思いました。 (解体の進む役目を終えた弊社井の頭倉庫) お礼に彼の自宅に色々と食べ物や飲み物を夕方持っていったところ、二人きりの時にお酒を飲みながら彼がポロリと口にしたことが興味深かったのでそれについて今日は少し触れようかと思います。 曰く彼は「愛している (I love you - I love you,

スモーラー・ザ・フード・イズ ,

ある知人が、極力食べ物はあらかじめ小さく切れている方が好ましい、といった趣旨の話をしてくれたことがある。してくれたというか、その時は内心少しばかりバカバカしくすら思えた。ナイフがあれば好みの小ささに切ることはいくらでもできるし、「お店の人に切っておいて欲しい」というのはまるで子供のようなリクエストではないか、そう思った。 しかしながら時を経て、食べやすく且つサラダドレッシングがより絡みやすいのは少し必要以上に切り込んだ野菜だということに数年後に気がついた。そしてその時「そう

お客様がいらっしゃる家

現代の日本の住宅から消えたのは客間だと言われています。スペースが自ずと限られる都会生活では致し方ないという実状もあるかも知れません。 ちなみに「百科事典が最も売れたのは日本に客間があった時代まで」と言われています。読むかどうかは別として、ドカッと立派な本を客間に飾る人たちが昔はいたわけです。どうしていたのか?それは当時の住宅の間取りに関係があると推察してゆくことが出来ます。 これまで近代日本の住宅のデザインは居住スペースである複数の和室に対し、洋室の客間一部屋でした。しか

ANOLONのフライパン

僕も大抵の方と同じく調理をする際、最も使う頻度の高いものはフライパンです。 朝食に目玉焼きとソーセージを焼き、昼食にパスタのソースを炒め、夕食のステーキやムニエルなどのソテーに使うので、キッチンのコンロには一番なくてはならないものと言えそうです。 写真にあるANOLONのフライパンを購入したのは9年前です。ANOLONはアメリカでシェアNo.1と言われている調理器具メーカー・Meyer社(日本語表記は「マ」イヤー)のブランドの一つで、流麗なフォルムと多層構造の底面に光るコ