自己肯定感という犯罪抑止力

●早い段階で自己肯定感を徹底的に養う大切さについて

犯罪を予防し、未然に防ぐすることは、犯罪者をさばくよりはるかに優れている。だって、被害者が生まれないから。

しかし、予防という素晴らしい働きは、その性質のゆえに、世間では目立たない。
人は、起こったことには気づくが、
起こらなかったことには気づかないのだ。
(このことについては風刺四コマmamamilkでも取り上げてる)

電車のホームに誤って転落した人を、命がけで、
大きなけがもさせることなく救出したサラリーマンは
「一つの命を救った英雄」として新聞記事に載るかもしれない。

しかし、事故を防ぐために毎日駅で目を見張らせている駅員さんはどうだろう。ホームのすれすれを歩く酔っ払いの肩をポンと叩き、「白線の内側にお下りください」と声掛けをして回っている人は、
「けが一つさせず、何人もの命を救っている英雄」のはずなのに、
”未然に防いでしまっているせい”で、その功績が称えられることはないのだ。

しかし、そんな目立たない働きこそが、じつはこの世界で大切な役割を担っているのだ。

私の人生は、どう転んでもおかしくないようなものだった。
周りと同じようにできない「生きづらさ」と、それに伴う自己肯定感のなさとで、自殺を考えたことは何度もある。
犯罪者、殺人者になった可能性だって十分あっただろう。
(もちろん、すべての原因を発達障害のせいであるとは考えない)

しかし、しぶとく生きてこられたのは、どこかで、わたしの背中をポンと叩いて、「あなたは生きていていいんだ」「決して無価値な存在なんかじゃないんだ」と、伝えてくれた存在があったからだ。

私は、彼らを、「命の恩人」だと思う。
彼ら自身が、「命を救っていること」に気づかなかったとしても。

「あなたの生きづらさは、あなたの弱さのせいではない。」
「あなたが劣っているから、苦しいのではない。ただ社会が成熟していない)」
「あなたは、価値がある存在なのだ」

そういう、シンプルなメッセージをに出会う中で、
「自己肯定感」、「自分はありのままでいい存在」なのだと知ることで、
人の人生は、大きく岐路を変えていくものなのだと思う。

人生の早い段階、例えば幼児期から自分の特性を発見し、
『自己肯定感』を養うという働きは、犯罪者や自殺者を激減させる。

犯罪への罰則を強化したり、自殺防止ポスターを貼りまくったり、
社会への反発心から事件を起こしてしまった人を公正させるよりも、
有効で確実な手段であると思うのだ。

「あなたが今日、ハグをしてあげたおかげ、彼が15年後に犯すであろう殺人を未然に防ぐことができました」
「あなたが優しく肩を叩いてくれたおかげで、20年後、彼は自殺を思い直したんです」
そんなこと、誰も言ってはくれない。それでいい。

私は、そういう、
誰にも気づかれない、ささやかな命の恩人になりたいと思いつつ、
今日も、情報発信にいそしむのです。

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