桜梅的芸術論#3 『爽快』
たまたま退勤時刻が友人と一緒だったので、彼の提案で、駅前にいつの間にかできていた居酒屋へ行くことになった。
大体定刻通りに上がり、更衣室へ行くと彼がいた。「探していたのか」と問われ、「そうではない」と返し、「更衣室へ入るのを見ていた」と意味のない嘘をついた。
往々にして白々しい嘘をつく。
自分には才能が無いのだから仕方がない。などと言うときは、たいてい悔しがる素振りをして内心孤高を信じているものだし、頭に血が昇っても、ぐっと堪えてつばを飲み、シニカルな嫌味ったらしく自