【12月8日有機農業の日インタビュー③ 】こばふぁーむ小林さん「こばふぁーむのお米や加工品は、まさに本能でわかる味。自然栽培に興味を持ってくれる若者を増やしていきたい」

2022年12月12日 11:41

12月8日は有機農業の日

12月8日は有機農業の日です。平成18年(2006年)12月8日に、「有機農業の推進に関する法律」(有機農業推進法)が成立しました。平成28年(2016年)の10周年にあたり、これを記念して12月8日を「有機農業の日」として制定し、毎年官民で様々なイベントを行い、有機農業について考える、また有機食品を普及する取り組みがされています。

農林水産省から出ている「みどりの食料システム戦略」では、2050年までに目指す姿として、下記が掲げられています。
・農林水産業のCO2ゼロエミッション化の実現
・化学農薬の使用量をリスク換算で50％低減
・化学肥料の使用量を30％低減
・耕地面積に占める有機農業の取組面積を25％、100万haに拡大　など

弊社でも有機農業や自然栽培の必要性や現状を広めるべく、今回は、IN YOU MARKETにご出品いただいている有機農業や自然栽培をされている生産者の３名の方にお話をお伺いしました。

最後は、兵庫県で自然栽培のお米を育てている「こばふぁーむ」の小林さんです。

こばふぁーむの創業ストーリー

杉山「小林さんは、元々会社員・教員をやられていたとのことなのですが、こばふぁーむはどういう経緯で開業されたのでしょうか？」

小林さん「元々保健体育の教師をしていたので、”体は食べるもので出来ている”という意識が自分の中にもあって、たまたま知人に自然栽培をしている農家さんのセミナーに誘われ、話を聞いてみたところ、自然栽培でのお米作りに興味を持ったというのがきっかけですね。そのことがきっかけとなり、稲の田んぼを自然栽培で始めることになりました。

農業に関心があったというより、大学では健康やけがの予防などについて学んでいたのですが、高等学校の臨時教諭の時に現代はこんなにも生活習慣病などの健康の問題が低年齢化していることに危機感を抱いていました。高等学校の体育教師として、この問題の解決につながる仕事をしたいと一生懸命、採用試験を受験していました。」

杉山「元々は健康に興味があったということなんですね。そのセミナーでお話を聞いてみて、自分もお米の栽培を始めてみたということでしょうか。」

小林さん「はい。その当時学校と田んぼを往復しながら、平成16年（2004年）１からすべてを勉強し、田んぼと稲に向き合い、言葉では言い表すことができないくらいの充実感と、達成感を味わい、家が揺れるほどの台風にもビクともしない自然栽培の力強い稲の姿に心から感動し、無事に収穫の秋を迎え、初めて自分で作ったお米を一口食べた瞬間に“おいしい！”という喜びと感動が全身を包み、心からの感動が溢れてきました！このお米を１人でも多くの人に届けたいという思いから、専業に踏み切りました。全くの素人からはじめた自然栽培が私の進むべき道を示してくれました。」

杉山「１から農業を始めるというのもなかなか大きな決断だと思うのですが、最初はどのように始めたのでしょうか。」

小林さん「最初は地域の農区の代表の方などに自然栽培を本格的にしたいと思っていると相談しに行きまして、そしたらすごく喜んでいただけて、どんどん土地を増やしていくことができました。」

こばふぁーむのお米について

杉山「自然栽培で作られたお米は、どのような特長があるのでしょうか。」小林さん「表現が非常に難しいのですが、本能に響く味というか、とても美味しいです。また、実は自然栽培で育てたものは、病気になりがちなどと思われやすいのですが、作物自体が健全であるので、根張りが非常によく、病気や虫、自然災害にも強いんです。土の中には多くの微生物が生きており、植物と密接な関わりを持っています。その微生物を始め、多くの生き物たちによって生態系が見事に調和することによって、農薬も肥料も使わなくても土を健康な状態にして、大地が持つ生命力を引き出して農作物を育てています。こばふぁーむの田んぼの生き物調査で、絶滅危惧種のタガメや車軸藻が発見されました！

下記画像１の写真は、ウンカの被害を全く受けないこばふぁーむの田んぼの写真なのですが、慣行栽培の田んぼは、円形にウンカの被害が広がっています。自然栽培の田んぼとの境界は、わずか３０ｃｍですが、まったくウンカは田んぼに入っていません。その他の田んぼもすべてこの写真のように全くウンカの被害にあいませんでした。

こばふぁーむの自然栽培の稲は、画像２のように、根張りがとても良いため、風水害にあっても倒れません。（画像３：2022年9月の台風通過後の写真）」

杉山「自然の力は偉大なのですね。こばふぁーむさんのある姫路市の林田町はどのような場所なのですか。」

小林さん「中山間地域で、気温の寒暖差があり、とても水が綺麗なところです。寒暖差と水が綺麗というのはお米の食味にも生きてきていると思います。蛍の季節になると、たくさん蛍もいるので、近隣の住民の方が見にきたりしていますね。こばふぁーむの田んぼは、すべて有機ＪＡＳ認証を取得していて、となりが慣行栽培の場合は、二重の畦を設けて、３ｍ～５ｍの緩衝帯を確保し、農薬散布の飛散を防ぐように努めています！またビオトープを設置し浄化された水を田んぼに入れたり、生物多様性にも貢献しています。」

杉山「こばふぁーむさんでは、現在何種類のお米を作られているのでしょうか。」

小林さん「４種類です。もち米は滋賀羽二重、酒米は山田錦、うるち米は農林22号、そしてメインのお米は滋賀旭です。ちょうど12月が新米の時期なので、バタバタしています。」

IN YOU MARKETに出品してみて

杉山「IN YOU MARKETのお客様からもかなりリピートの高いこばふぁーむさんの商品ですが、昨年末からIN YOU MARKETに出品してみて、いかがでしょうか。」

小林さん「最初はこんなに注文が入るのかとびっくりしました。自社のオンラインショップのサイトはあるのですが、注文はひと月に数個程度でしたので、、、とある日に、代表の松浦さんから直々にお電話がありました。松浦さんは、私どものホームページをご覧くださり、とても高い評価をしてくださいました。そのことがとても嬉しく、インユーさんとのやり取りが始まりました！インユーさんのスタッフの方は、皆さん商品を丁寧に取り扱ってくださっているなという印象です。おそらく少ない人数でやられているかと思うのですが、キャンペーンなどの販促施策もやってくださいますし、いつも対応が丁寧で、場所は離れていますが、とても近い距離感な気がしています。」

杉山「そう言っていただけるととても嬉しく思います。弊社としましても、離れているからこそ、親密にコミュニケーションを取りたいと思っていますし、今後もそういっていただけるよう、頑張りたいと思います。最後の質問になりますが、こばふぁーむさんの今後の展望などはありますでしょうか」

今後の展望について

小林さん「2023年(令和5年)はこばふぁーむの創業２０周年なので、ブランディングをしっかりしていくということを目標にしています。そして、私どものお米や、加工品を一人でも多くの方に知ってもらい、食べられた方が健康でそして、毎日笑顔で元気いっぱいでいてもらいたいと心から願っています。そのために、私どもの商品を手に取ってもらえるように、パッケージも洗練されたようなものにしたり、統一感を出したりなど、工夫をしていきたいですね。あとは、自然栽培に興味を持ってくれる若者を増やしていきたいです。こばふぁーむでも担い手の育成を積極的にしています。最初にも申し上げたのですが、”健全な精神は健全な肉体に宿る”ので、私どものお米や加工品を特にお子様に食べてほしいですね。学校給食などで提供できる機会があると嬉しいなと思います。こばふぁーむのお米が食べられるレストランなどもオープンしたので、食べてもらえる機会を増やし、こばふぁーむのお米でぜひ心と体を整えてほしいです。私どものお米や加工品を通して、たくさんの方に幸せになっていただきたい！と強く願います。美味しいものを食べると人はみんな幸せな気持ちになります。こばふぁーむの自然栽培で、できたお米や加工品には、そういった天与の味わいが備わっています！まさに、本能でわかる味！であると思います。」

杉山「小林さん、本日は素敵なお話をありがとうございました。」

こばふぁーむさんの商品はこちら

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