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11月7日放送分『青天を衝け』プチ解説

今回もあっという間の45分間でした。劇中に登場した、「政府は(民が)貧しいのは己のせいだというが、貧しいのは政府のせいだ」というのは現代の新自由主義への風刺とも捉えられ、なかなか見ごたえがありました。単純に面白いだけではなく、現代社会への主張も内在されている今回の大河ドラマは、10年に一度の傑作と言わざるを得ません。いや、本当に面白い。

というわけで、岩崎弥太郎と栄一のバトルも気になる11月7日放送分『青天を衝け』プチ解説にまいります。

1.大倉喜八郎

越後国生まれ。幕末から維新後にかけて武器(鉄砲)の商売で成り上がった人物。1874年にはロンドンに支店を構え、早くも欧州との貿易を始めています。その後事業を多角化し、明治の末期頃には中国大陸への投資を加速させました。大倉土木(現・大成建設)をはじめとする大倉財閥を形成し、そのトップとして君臨。帝国ホテル、札幌麦酒 (現・サッポロビール)などの企業のほか、大倉商業学校(現・東京経済大学)など教育にも力を注ぎました。

2.東京瓦斯会社

栄一が取り掛かったガス会社。関東にガスを供給することを目的とした会社で、当初はガス灯事業としてはじまっています。1910年代にはじまる電灯の普及や、関東大震災によるガス灯の減少などに伴い、都市ガスの事業へと転換していきます。現在の東京ガス

3.東京養育院

元は松平定信による寛政の改革の一環として、江戸市民の救済のために行われた事業。維新後に明治政府に引き継がれました。栄一が初代院長を務めています。太平洋戦争後も高齢者のリハビリテーション事業として継続し、2009年に地方独立行政法人・ 東京都健康長寿医療センターとなりました。ちなみに高度医療分野の源流は、徳川吉宗によって設置された小石川養生所にまで遡れるようです(参考)。

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以上、11月7日放送分『青天を衝け』プチ解説でした。さすが明治を舞台にしているドラマなだけあって、現代に通じる組織・企業が多いですね。それを知っているだけでも、より『青天を衝け』を楽しめると思います。

また来週もプチ解説を書いてまいりますので、乞うご期待。

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