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11月14日放送分『青天を衝け』プチ解説

史実を知っているものとしては、どこでだれが死ぬのか分かりきっているんです。しかし、それでもなお、ドラマを観ていると辛く、悲しく、空虚な気持ちになります。今週の死亡フラグは、来週回収される模様。次回は切ない回になりそう。

というわけで、11月14日放送分『青天を衝け』プチ解説にまいります。

1.ユリシーズ・グラント

アメリカ元大統領で、栄一らがもてなした人物。一般的には南北戦争の英雄ですが、岩倉使節団が謁見した時の大統領でもあります。ちなみに、トランプ前大統領がバイデン大統領の大統領就任式を欠席したことがニュースになりましたが、ニュース等では「152年ぶり」と報道されていました。その152年前こそグラント大統領の就任式であり、欠席したのはアンドリュー・ジョンソン元大統領。この辺については、以下の記事で書いています。

2.王子の製紙会社

栄一が話していた王子の製紙会社とは、1872年に設立された抄紙会社のこと。1893年に王子製紙となりますが、富士製紙や樺太工業と合併して国内シェア8割を持つ巨大製紙企業となります。戦後、過度経済力集中排除法によって解体され、旧苫小牧製紙が幾度の社名変更と合併を経て1996年に王子製紙となりました。2012年に王子ホールディングスに移行。

3.国会開設運動

もとは1874年に征韓論に敗れた板垣退助、後藤象二郎らが民撰議院設立建白書を左院に提出したことにはじまった運動。その後全国各地に政治結社がつくられ、政府に対して国会開設の意見書を提出しますが、受け入れられませんでした。1881年になってようやく国会開設の勅諭が出され、1889年に大日本帝国憲法が発布されたことで翌1890年に第一回総選挙が行われました。ちなみに、戦前の代表的な政党であった立憲政友会(1900~1940)の初代総裁は伊藤博文。伊藤の時代を読むセンスには脱帽です。

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以上、11月14日放送分『青天を衝け』プチ解説でした。冒頭にも書きましたが、次週はまたまた悲しい回。涙なしには見られなさそうです。来週はハンカチを片手に視聴しましょう。

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