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10月10日放送分『青天を衝け』プチ解説

今回はいろんな意味で怖い回でした(笑) その時代性もありますし、史実ですから仕方のないことですが、栄一もなかなか…。

さて、ついに廃藩置県が断行されました。教科書では結構あっさりと記述されていますが、世界的に見ても封建制度を一瞬にして壊してしまうのはまさに奇跡としか言えません。ここから新政府が"自立"していくわけですね。

ということで、コントとシリアスが入り混じる『青天を衝け』プチ解説です。

1.木戸孝允

長州出身。大久保利通(演・石丸幹二)、西郷隆盛(演・博多華丸)とともに維新三傑と呼ばれています。幕末の一時期、桂小五郎と名乗っていました。五か条の誓文の起草や版籍奉還、廃藩置県などの施策に関わっています。岩倉使節団にも同行。西郷らが征韓論(朝鮮侵略のこと)を主張した際にはこれに反対し、西郷らを下野(官職を辞めること)させています。ちなみに、『青天を衝け』には木戸さん出てきませんね(笑) 名前だけは出てきましたが…。

2.新貨条例

太政官が布告した日本で最初の貨幣に関する法律。今回も登場した「(円)」に加え、通貨単位として「」と「」を定め、十進法による通貨単位制度を確立させました。一方、紙幣に関しては国立銀行条例(1872年)によって国立銀行(国立と言っていますが民間会社です)が設置され、紆余曲折ありましたが新紙幣が流通するようになっていきます。

3.岩倉使節団

岩倉具視(演・山内圭哉)を中心とし、約2年近くにわたり欧米各国を歴訪した使節団のこと。大久保や木戸、伊藤なども同行しています。幕末時に締結した条約の国書を持っていくこと、条約改正の予備交渉、などを目的としていましたが、主目的は各国の事情や制度の調査などが目的でした。帰国後は大久保が政府の主流派となり、引き続き改革を進めていきますが、いかんせん敵が多くなり…。なお、この使節団には團琢磨(のちの三井合名理事長)や津田梅子(のちの津田塾大学創設者)も留学生として同行しています。

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以上、10月10日放送分『青天を衝け』プチ解説でした。栄一が実際に大久保さんと口論していたのかは不明ですが、そこは旧幕臣のプライド。外様の国の下級藩士には負ける気がしない、というところでしょうか(尤も、栄一も百姓出身ですが…)。ますます目が離せない『青天を衝け』、来週も楽しみです!


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