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9月19日放送分『青天を衝け』プチ解説

面白くなってまいりました! 旧幕府側からの視点で描く、大河ドラマ『青天を衝け』。渋沢のフランスでの活躍ぶりと駿府(静岡)での新事業の成功が、ついに新政府側の耳元に届く展開に。旧幕府出身者が新政府に出仕する例はたくさんありましたが、旧幕臣である渋沢が薩長土肥のメンバーに脅威として見られるのは痛快ですね。幕府側にも優秀な人材はたくさんいましたよと。はやくも次週に期待です。

というわけで、すっかり新時代に突入した『青天を衝け』のプチ解説にまいります。

1.大隈重信

肥前(佐賀藩)出身。1869年時点では大蔵大輔(次官)。のちに大蔵卿となり、新政府の財政を掌握します。岩崎弥太郎率いる三菱との蜜月関係は有名で、本作では三井とどのような関係で描かれるのか注目です。ちなみに大隈が創立した東京専門学校は、現在の早稲田大学になります。

2.大隈綾子

旧幕臣の三枝頼永の娘で、小栗上野介(演・武田真治)のいとこ。大隈重信と結婚後、夫を支え続け、あの犬養毅に「男なりせば、老候以上の人物」と言わしめたことでも有名です。いわゆるおしどり夫婦。

3.大蔵省

古代日本において中国にならい設立された二官八省のうちの1つですが、明治維新で復活。1869年に設立された、国の財務や金融などを司る役所です。大蔵省という名前は古くからありますが、現在に続く大蔵省(現・財務省)の原型ができたのは、1885年の内閣制度発足時より。その時に初代内閣総理大臣になったのが伊藤博文(演・山崎育三郎)であり、第1次伊藤内閣は薩長土肥出身者で占められていました。そんな中、唯一旧幕臣出身者として入閣したのが、五稜郭まで戦った榎本武揚(逓信大臣)です。

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以上、9月19日放送分『青天を衝け』プチ解説でした。新時代の幕開けに期待しつつも、儚く散っていく旧幕府軍の悲哀に心打たれる回でした。今回の大河はすべての立場の人物に平等にスポットを当てている点で、非常に名作であると感じます。これからの『青天を衝け』に、ますます期待が高まります。

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