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4月25日放送分『青天を衝け』プチ解説

『青天を衝け』の世界も、攘夷の嵐が吹き荒れてきました。物騒な世の中に突入し、ますます物語に引き込まれるようになってきています。演者もみな演技がうまく、個人的には大満足。日曜夜は、すっかり大河派となり申し候。

さて、今回も『青天を衝け』のプチ解説に参ります。

1.島津久光

薩摩藩主・島津斉興の子。家督争いに敗れますが、自身の子である忠義が藩主になると、藩の実権を握ります。公武合体運動の中心人物となり、江戸にも上京しました。その帰り、島津久光の行列に乱入したイギリス人を斬殺するという生麦事件を起こしてしまいます。それが薩英戦争の引き金となり、薩摩は「攘夷は無謀」であることに気づくことになります。

2.三条実美

内大臣であった三条実万の子。父の志を継いで、尊王攘夷派として行動します。しかし、八月十八日の政変で攘夷派が京都から追放されると同時に、長州に逃げていきます(七卿落ち)。王政復古後は、右大臣や太政大臣を歴任。その後、内閣制度ができたため、最後の太政大臣となりました。

3.七卿落ち

八月十八日の政変で、公武合体派に敗れた尊攘派の公卿(三条実美、三条西季知、東久世通禧、壬生基修、四条隆謌、錦小路頼徳、沢宣嘉)の7人が、京都を脱出して長州藩に流れた事件のこと。孝明帝により、禁足(外出禁止)の処分を下しています。しかし、禁足の朝命を無視して京を出た罪により、朝廷はこれら七卿の官位を停止してしまいます。これが、倒幕のエネルギーとなったのは言うまでもありません。

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以上、4月25日分『青天を衝け』プチ解説でした。幕末は「天子様」への思いは同じなれど、ちょっとした立場の違いで対立構造が生まれています。その辺が、幕末の人物相関図をややこしくしているのですが、一度理解してしまえばとても面白く興味深いものになります。ぜひこの大河を機に、書籍などを手に取ってみてはいかがでしょうか?

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