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10月24日放送分『青天を衝け』プチ解説

今週の『青天を衝け』も見応えがありました。栄一の下野、商人たちの死闘、そしてかっさまの逝去。内容盛りだくさんでしたが、演出が素晴らしく、あっという間の45分間でしたね。とくに商人らの描かれ方が、まさに半沢直樹(笑) 栄一の今後の「倍返し」に期待です。

ということで経済ドラマと化した10月24日放送分『青天を衝け』プチ解説に参ります。

1.佐賀の乱

1874年に佐賀県の不平士族が起こした反乱。征韓論(朝鮮を侵略するべきとする論)に際して、敗れた側の江藤新平(演増田修一朗)が中心となって起こしました。対して政府側は、大久保利通(演・石丸幹二)指揮下の軍隊を派兵し戦闘。政府軍は最新鋭の武器を用いて鎮圧します。反政府軍の首領だった江藤はもともとは司法卿(現在の法務大臣のようなもの)であり、指名手配写真の制度を作った人でしたが、その制度によって逮捕されてしまい斬首(正しくは梟首(きょうしゅ)であり、近代的な司法制度によって裁かれることなく晒し首に)。

2.台湾出兵

1874年に台湾に兵を送った事件であり、「征台の役」とも呼ばれます。台湾先住民によって琉球島民が殺害されたり、岡山県で略奪が起きたりしたことを理由として出兵でしたが、実際は上述の佐賀の乱など国内の不満をそらすために行われました。アメリカなどの反対で中止となりますが、西郷従道(西郷隆盛の弟)は無視して出兵してしまいます。結果、大久保が清国と交渉し、賠償金を貰うことを条件に撤兵しました。

3.日新真事誌

栄一や井上馨(演・福士誠治)が、政府内の事情を暴露した新聞。1872年創刊の日刊新聞であり、社主・主筆はイギリス人(ブラックという人)でした。外国人目線の自由な論調が人気を博しますが、栄一らによる暴露によって政府から睨まれ、新聞紙条例(新聞や雑誌などを取り締まる条例)の発布によって廃刊となります。

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以上、今週の『青天を衝け』プチ解説でした。次週はますます半沢直樹的な展開になっていくものと思われ、まさにNHK的日曜劇場。次週は選挙特番により19:10放送開始となりますので注意しましょう。

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