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2024年4月後半日経平均相場の振り返り


①    日経平均チャート

4月前半相場を振り返ると、日経平均株価は後半入り早々16日に761円安、17日には509円安と2日間で1270円安となり38000円を割れてしまった。
16日は米国株安を受けての下げであるが、日米共に長期金利の上昇を受けて相対的な割高感が意識されやすい半導体関連などハイテク株を中心に売りが広がったものである。

②    レーザーテック

17日は午後に急落した。
レーザーテックは8%安となり、東証プライムの値下がり率ランキング首位となった。

③    ASMLホールディングス

きっかけは午後2時過ぎに伝わった、オランダの半導体製造装置大手ASMLホールディングスの決算内容だった。
ASMLの2024年1~3月期決算は売上高52億ユーロ(約8500億円)と、前四半期(23年10~12月期)の72億ユーロから27%減少。
受注額は36億ユーロと、前四半期から6割縮小した。
ASMLは最先端半導体の微細加工に欠かせない極端紫外線(EUV)露光装置を独占的に手掛けている。
レーザーテックも最先端半導体の製造に欠かせない、EUV光を用いた検査装置を展開する。
ASMLの受注額縮小で、装置需要がしぼむとの連想につながった。
これで日経平均株価は3日続落だ。
終値は前日比509円安の37961円と安値引けとなり、2月14日以来2カ月ぶりに38000円を下回った。市場関係者が注目していたチャートの節目を下回り市場心理が弱気に傾いた。
日経平均は3営業日で1600円近く下げ、3月12日の取引時間中につけた安値38271円を割り込んだ。

④    ダブルトップ

この下落を受け、チャート上で「ダブルトップ」を形成したとの受け止めが広がった。
ダブルトップとは、チャート上で株価の下落トレンド入りを示すサインとされる。
直近の2つの高値が作る「山」の間の安値を足元で下回る場合に指摘される。
日経平均は3月7日の取引時間中に1つ目の高値の山である40472円をつけた。
その後、3月12日の場中に安値を付け、3月22日に2つ目の高値の山である41087円まで上げた。
そして4月17日に3月12日の安値を下回ってしまった。
これで不安心理が拡大したものと思われる。

⑤    日経平均下げ幅

19日には日経平均が1011円安となった。
下げ幅は2021年2月26日(1202円安)以来、3年2カ月ぶりの大きさだった。
前日の米ハイテク株安を受け、半導体関連株などに売りが先行した。

⑥    中東情勢

そこに同日午前にイスラエルがイランに攻撃したと報道が伝わると、リスク回避目的の売りがさらに加速した。
日経平均の下げ幅は一時1300円を超えて37000円を下回る場面があった。
これで19日の東証プライム市場の値下がり銘柄数は1554銘柄(94%)と今年最多だった。

⑦    330銘柄年初来安値

また330銘柄が年初来安値をつけた。
業種別日経平均では36業種中33業種が下落した。
その後は売られすぎの観点から下げ止まりを見せ、24日には米ハイテク株高を受け日経平均株価は急伸し終値は907円高今年3番目の上昇幅だった。
しかし翌25日は戻り待ちの売りが優勢となり日経平均は831円安となった。
26日に日銀の金融政策決定会合の結果発表を控え、手じまい売りも出やすかったと思われる。

⑧    日銀金融政策決定会合

日銀は26日の金融政策決定会合で、金融政策の現状維持を決めた。
植田和男総裁は会合後の記者会見で、最近の円安進行について「基調的な物価上昇率に無視できない影響が発生すれば政策の判断材料になる」と述べた。
一方で最近の円安について「基調的な物価上昇率への大きな影響はないと判断した」と話した。
これを受け外国為替市場で円は対ドルで下落し、一時157円台後半の安値をつけた。

⑨    為替市場

そして29日の午前も円は売られ一時34年ぶりの1ドル=160円台前半まで下落対ユーロでも一時1ユーロ=171円台と、99年のユーロ導入以降で最も円安・ユーロ高水準となった。
だが午後に入ると急速に買い戻され、1ドル=154円台まで上昇する場面があった。
市場では政府・日銀が円買い為替介入に踏み切ったのではないかとの観測が出ている。

⑩    インドGDP

最後に今月の話題を一つ。
国際通貨基金(IMF)の推計によるとインドの名目GDPが2025年に日本を上回る見通しにとなったことを公表した。
インドのGDPは同年に4兆3398億ドルとなり、4兆3103億ドルの日本を抜いて世界4位に浮上する円安でドル換算の日本のGDPが目減りし、従来予測より逆転時期が1年早まる。
日本のGDPは23年にドイツに逆転されたことは以前記述したが、インドに抜かれれば5位に後退する。
ちなみにインドのGDPは14年時点で世界10位だった。
IMFによると、27年にはドイツも抜いて世界3位となる見通しだ。
頑張れ!にっぽん。

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