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相場格言・・・って書いたものの ◇其の拾「行き過ぎもまた相場」

相場格言「行き過ぎもまた相場」

【ゆきすぎもまたそうば】


<意味>

相場というものは時に企業価値以上に値を上げることも下げることもある。


<思うこと>

株式投資を長年やっていると、株価が天井知らずに暴騰する銘柄をよく見ます。
 
図1はヘッドウォータース(証券コード:4011)の2022年10月からの1年間の株価です。

図1 ヘッドウォータースの株価

2023年1月から7月までの半年ちょっとで株価が10倍近く上昇しています。業務内容はAIを活用したソリューションを提供しています。2023年上半期はAI関連銘柄の一部でプラス要因は株の買い、マイナス要因は無視という傾向が強くなりました。プラス要因が続くと、買いが買いを呼び、株価が上がり続けました。
 
2023年7月の16630円は現在の企業価値から見ても高すぎる(PBR=30倍以上、PER=300倍以上)ので、長続きはせず、上がるのが止まったら、上昇するのと同じぐらいの時間で暴落しています。
 
逆のパターンでプラス要因は無視、マイナス要因は株の売りという傾向になると、売りが売りを呼び、企業価値よりも超安値の株価になることがあります。株価が下がり続けると、買いにくいところがありますが、買いの絶好の機会といえます。
 
これは相場に限ったことではありません。人間の集団心理が働いて、行き過ぎはいつどこでも起きます。いわゆる「ブーム」です。


相場格言と全然関係ない経験談

下の表は日本の歴代映画興行収入ベスト5(2023年9月末)です。

表1 日本の歴代映画興行収入ベスト5(2023年9月末)

1位は劇場版「鬼滅の刃」無限列車編ですが、2位の「千と千尋の神隠し」や3位の「タイタニック」を100億円ぐらいの大差をつけています。
 
正直なところ、意外に感じました。なぜかというと、ジャンプで連載している漫画をアニメにすると原作のコピーになりがちで、アニメ単体としては面白みがあまり感じないからです。

自分は漫画とアニメはまったく違うジャンルだと思っています。例えば、登場人物が走るシーンがあるとします。漫画であれば、1コマ描けば、後は読者の想像力に任せることができます。アニメは走るシーンを1枚の絵で表現することはできません。
 
また、アニメは動きがある方が面白く見えるので、走るシーンでも足の動かし方や姿勢を変えるなどの動作を加えることで、走っているシーンを長く続けても飽きずに観ることができます。漫画で走るシーンを連続で10コマも使われたら、飛ばしたくなります。
 
宮崎駿監督の「風の谷のナウシカ」はアニメ映画を観た人は多いですが、宮崎駿原作の漫画の方を読んだ人が少ないのは漫画とアニメの違いによるものだと自分は思っています。


「鬼滅の刃」無限列車編の話に戻りますが、自分は漫画で読みました。炎柱・煉獄杏寿郎がかっこよくて、泣けるので、好きですが、アニメはどうでもよい気持ちになっていました。その劇場版「鬼滅の刃」無限列車編の公開前のことです。
 
スーパーの本屋を覗くと、鬼滅の刃コーナーが設けられ、コミックが山積みに積んでありました。こんなに山積みにコミックを置いて売れるのかという思いもしました。
 
そしたら、劇場版「鬼滅の刃」無限列車編が公開すると、
作品のクオリティーなのか?
コロナ自粛によるストレス発散なのか?
マスメディアが大いに取り上げた影響か?
原因はよくわかりませんが、急ピッチで興行収入が伸びていき、日本映画の歴代興行収入第1位になりました。
 
それと同時にスーパーの本屋に設置された鬼滅の刃コーナーで山積みにされたコミックが1巻から全てなくなり、「売り切れ」と書かれていました。
 
ただ、その熱が冷めると、鬼滅の刃コーナーのコミックは復活し、ブックオフに大量のコミックが売られるようになりました。これは行き過ぎた人気といえるでしょう。


劇場版「鬼滅の刃」無限列車編に限らず、超人気作品は時として出てきます。その原因はよくわかりません。超人気作品の続編、もしくは類似作品を出しても、そこまで人気がでることはないです。
 
まあ、そのような原因がわからないように脳が作られているのかもしれません。そうしないと、人気作品はずっと人気作品であり続けることで、新しい作品が入る余地がなくなります。
 
そうしたら、つまらない世の中になるような気がします。


-おわり-











「おまけ」です。
ここで、鬼滅の刃を紹介しても面白みがないので、ちょっとひねって「吾峠呼世晴・短編集」を紹介します。

鬼滅の刃のベースとなった作品「過狩り狩り」を含め、「文殊史郎兄弟」、「肋骨さん」、「蠅庭のジグザグ」の読み切り4作品が収録されています。
 
「過狩り狩り」は新人漫画賞佳作の作品です。読みにくさはありますが、新人としては絵がそれほど荒れてなくて、完成度が高いような気がしました。 


自分は人気のある漫画家さんの新人時代の作品をよく読むのですが、「ONE PIECE」の尾田栄一郎の新人時代はすごい絵です。

アマゾン等で尾田栄一郎短編集「WANTED!」の試し読みができるので、絵に自信がない漫画家志望の人が読んでくれれば、こんな絵でもすごい漫画家になれるんだと自信が出ると思います。


-本当のおわり-

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