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相場格言・・・って書いたものの ◇其の玖「休むも相場」

相場格言「休むも相場」

【やすむもそうば】


<意味>

相場の先行きが不透明な場合や、形勢が不利なときに手仕舞い、次の好機が来るまで模様を眺めること。


<思うこと>

自分は中長期的な投資をするので、株の売買は頻繁に行うことはありませんが、株の買い時と売り時は悩みます。
 
株を売却して、投資資金が増えると、株を買おうとした時に株価が高いような気がしても、買いたくなります。逆に、株を売ろうとした時に株式市場全体が盛り上がりに欠けているときは、株価が上がらないので、株価が安いような気がしても、売りたくなります。
 
そのような気持ちになるのは中長期的な視点から短期的な視点に考え方が変わっているのだと思います。このときは、当分の間、株式投資から離れると、中長期的な視点に考え方が戻ります。
 
株式投資で毎日、株価を見続けると、だんだんと短期的な動きを注視するようになる場合があります。短期投資が得意な人は問題ないかというと、そうともいえません。数日で株を売買している投資家が1時間の株価の値動きを気にするようになります。
 
自分の投資スタイルが崩れ始めると、株式投資を続けても、損失を出すことが多くなり、その損失を取り戻そうと焦ることで、より悪い方向に向かいます。株式投資はこの時期だけしか儲からないということはないので、休むことも大事です。
 
普段の生活においても、ゆとりのない生活を送り続けると、短期的な思考になり、気持ちに余裕がなくなることがあります。相場格言にある「休む」というのは頭を休めるというよりは気分転換という意味だと思います。

気分転換は脳に刺激を与えることで、固まった思考力を柔軟にすることだと自分は考えています。相場でも普段の生活でも気分転換は重要なことです。


<相場格言と全然関係ない経験談>

自分は何か考え事をしていると散歩がしたくなります。1時間ぐらい散歩をすると、ちょっとした気分転換になり、頭がスッキリして、いろいろなアイデアが浮かびます。
 
散歩をするときは生物、植物、乗り物、建物などを多くのものを見るようにしています。歩くという動作だけでも、脳に刺激を与えますが、視野をフルに使った方が、脳にもっと刺激を与えると思っています。
 
日常生活では視点がだいたい決まっていて、視野が狭くなる傾向があります。例えば、家にいる時、大掃除とか特別なことがない限りは見るところはだいたい同じです。そうすると、脳にあまり刺激を与えていません。
 
自分にとって、散歩は気分転換が目的になっていて、運動をしているイメージがありません。


<趣味が徒歩旅行という偉人>

人物の本をいくつも読んでみると、自分と同じように散歩を好む人が多いのがわかりました。その中で、すごいと思う歴史上の偉人を紹介します。散歩といわず「徒歩旅行」が趣味である物理学者ニールス・ボーアです。
 
ニールス・ボーアは1885年にデンマークで生まれた物理学者です。1922年にノーベル物理学賞を受賞し、量子論で偉大な足跡を残したのですが、前年の1921年にノーベル物理学賞を受賞したアインシュタインが超有名過ぎて、地味な印象を受けます。
 
下の写真はボーアとアインシュタインの二人が話している写真ですが、アインシュタインの方が目立って見えるのは自分だけでしょうか?

写真:(左)ボーア、(右)アインシュタイン

ボーアは何年もの間、アインシュタインと量子論で論争するほど、とても優れた物理学者です。ここで量子論の話をしたら、「休むも相場」といいながら、頭を使いすぎてしまうので、「ボーアは偉人」とだけ覚えてください。(自分も量子論をあまり理解していないので、ちゃんとした説明はできませんが・・・)
 
1924年にボーアは自身の研究所に訪問してきた若き物理学者のハイゼンベルク(1932年に31歳の若さでノーベル物理学賞を受賞)を「徒歩旅行」に誘います。
 
コペンハーゲンから北に向かう市内電車に乗り込み、それを降りて歩き始めました。なんと、彼の研究所に戻るのに途中で宿泊しながら、三日間、歩き続けたそうです。総距離160キロの徒歩旅行。
 
自分は1時間ぐらいの徒歩で満足しているのに、ボーアは3日の徒歩です。やはり偉人はスケールが違いますね。ただ、付き合わされたハイゼンベルクはどう思ったのか知りませんが・・・。


-おわり-










「おまけ」です。
気分転換になりそうな本として、エドワード・ゴリー(柴田元幸:訳)の「華々しき鼻血」を紹介します。

文中に含まれる副詞の頭文字がAからZまでのアルファベット順に文とそれに関わる絵が載っている本です。
下図のように見開きで左に文、右に絵という構成になっています。


副詞がInadvertentlyで「I」が頭文字の文と絵

この副詞の使い方が微妙な意味をなしており、絵もおかしいので、笑えます。訳し方がエドワード・ゴリーの奇妙な世界を十分に生かしていると思います。


-本当のおわり-




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