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トンネル

気づいたらトンネルの中だった

後ろを振り向く
入り口は見えない

自分を信じて前に進んでみる
出口は見えない

もう一度、後ろを振り返る
わからなくなる

おれんじ色の薄明かりだけが呼吸を許す

目を閉じたまま、前に走り出してみた
つまずいて転んだ

薄明かりが差すコンクリートに自分の影が落ちた
とても安心した

反対側から足音が聞こえた
「こんにちは」
通りすがりに挨拶を交わす

もう何も怖くなくなった

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