秋の孤独スケープヘッダー

世界への前奏曲のような、小さな音楽たち。Part.9 秋の透明な孤独。

ひとりでいることがけっこう好きです。

なんていうのかな、ひとりで本読んだり、音楽を聞いたりするときって、いい時間だと思うのね。
その孤独感は、さみしい!かまって!みたいな気持ちとはちょっと違って、なんだかこう、あたたかい孤独感。世界が満ちてくるような孤独感。

あーぜんぜんうまく言えない…。たぶん、わかる人いてくれると思うんだけど、どうかな。
というか、みんなひとりの時間って好きなんじゃないかな。
何をしてその時間を過ごすかは、ひとそれぞれだと思うけど。

秋になると、その孤独感が透き通ってくる気がする。
秋の透明な孤独。ちょっとかっこいいでしょ。

秋は、透明な孤独がひたひたと満ちてくる。水のように満ちてくる。
秋はいちばん、孤独を繊細に感じることができる季節だと思う。

今夜は、そんな孤独にひたれるような曲を紹介したいと思います。
わたしは、孤独にひたりたいときにこの曲をよくかける。
ピアノで弾いたりもするよ。

曲名を紹介するまえに、まずは一度、聞いてもらえたらと思います。
3分もない、短い曲だよ。


スペインの作曲家、フェデリコ・モンポウさんのピアノ曲集「内なる印象」から、《Pajaro triste》でした。
Pajaro triste は「悲しい鳥」と訳されることが多いみたいけど、「悲しい」という日本語だけでは、さっきの満ちてくる孤独感が伝わらない。
なんか違うんだよね。

このモンポウさんのピアノ曲には、ただ悲しいとか暗いだけじゃなくて、何か満ちてくるものがあるとわたしは感じてる。
それは、いつくしみ、のようなものだと思う。

そうね、ひとりでいる時間が好きなのは、自分への、あるいは世界へのいつくしみを感じられるからかもしれない。自分や身の回りの世界を、いつくしむ時間だからかもしれない。

あ、なんか言葉はおおげさになっちゃったけど、みんなそうじゃない?
だから、ひとりの時間って大切なんだと思う。



秋も晩秋のいりぐちだね。
日が暮れるのもだいぶ早くなってきたね。

おやすみなさい。



今回ご紹介した曲について
作曲家:フェデリコ・モンポウ(Federico Mompou 1893-1987)
曲名:Impresiones Intimas V. Pajaro triste(内なる印象 V. 悲しい鳥)
演奏:Alicia de Larrocha


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