見出し画像

毎日歩いている道が生まれて初めて見る景色になる

定期的に
「毎日歩いている道が生まれて初めて見る景色になる」
というトレーニング的なことをしてます。

映画監督のデレク・ジャーマンが「彼は、毎日歩いている道でも、生まれて初めて見た景色であるかのように感動を受けられる人」と評されるのを聞いて、僕もマネしてみよう、と15年くらい前に始めたのがきっかけです。

やり方は結構簡単で、毎日見ている景色には、毎日無意識に注視している部分と無視している部分があるはずで、それが「毎日見ている景色」を形作っています。
なので、一旦「認知のフォーカス」を外します。漠然と視野を広げ、少しずつ見えているものに対する先入観を捨てます。見えているものから何も感じなくなっていくような気分がします。

慣れないうちは時間がかかりますが、だんだん視界に入る光量が増え、色彩が豊かになる感覚が始まり、あるポイントで「初めてこの景色を見るような気持ち」になります。今度は逆に洪水のように感覚の波が押し寄せてきます。

実際は毎日見ている景色なので、気持ちの問題ではあるのですが、「毎日見ている景色の中にも、必ず僕が生まれて初めて気づく事がある」というのもまた事実だと思います。

このトレーニングをやって、得られるものが何かあるかというと微妙なとこです。特に注意深くなったり、気の利く人になったりもしません(実証済み)。
毎日通る道で、面白い看板とかは見つけやすくなるかもしれません。

と、ついつい茶化してしまいますが、この方法には人生の難所で幾度となく助けられてきました。特に、苦しい時には見慣れた景色は暗く沈鬱に見えがちですが、それが驚きに満ちた新鮮な景色に変わると元気が湧いてきます。セレンディピティ的閃きを得るきっかけとしてもおすすめです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?