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【symposium2】(Part.4)「クバへ/クバから」_第2回座談会(レクチャー2)上演記録「『クバへ/クバから』の写真群と沖縄写真史をめぐって」

(Part3はこちら

光と影、組写真と群写真

三野 とりあえずそんな感じかな。またおいおい話すことにして、沖縄写真史についての話は以上になります。

笠井 ありがとうございます。今の話を聞いて、まだまとまって何か言えるわけでもないと思うけど、ぱっと思いついている感覚とかを少し話してもらえると。なまけさんどうですか。

なまけ さっき山本くんのこれ読んでたら――。

山本 岩波写真文庫の『沖縄――新風土記』(1958)ですね。

なまけ 「影のない街」って文章が載っていて。「戦前の那覇をなつかしむ人たちは「那覇は影がなく住みにくい」と嘆く。戦争で樹木がなくなった上に、米軍の機械力ですっかり地ならしされてしまったからだ。しっとりとした、昔の街のたたずまいはどこにもない。赤い甍にかわって舗装道路が出現し、白い米軍用住宅が立ち並び、復興のおくれた旧市内には市民用のブロック建築が増加しつつある。風俗も変った。アメリカの俗語が幅をきかし、夜の盛り場には米軍兵が出没する。」というのがあって、なるほどと。光と影っていうたとえで沖縄を見る点が『光と陰の島』とも共通していて、おもしろかった。

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写真家・舞台作家の三野新と、いぬのせなか座による、沖縄の風景のイメージをモチーフとした写真集を共同制作するプロジェクト「クバへ/クバから」…

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