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この時期になると思い出す高校入学の春🌸

この時期になると忘れられないA先生を思い出す。
それは私が高校に上がった時のこと。

それまで一学年10人しかいない小規模な学校で、小中の9年間過ごしてきた。
しかし高校は40人のクラスが3つあって、一学年120人。私にとって世界が大きく変わった。

高校初日、教室は人生で初めて見る光景が広がっていた。何組かのグループで分かれていて、同じ中学校の人同士で話しているようだ。私はこの教室に同じ中学校の人はいない。前日の入学式をインフルエンザで休んでしまったため「出遅れた」と思った。昼飯は喉を通らずただ下を向いていた。帰宅してすぐに自分の部屋に入り泣いた。こんなところで3年間過ごすのかと。自信がなくなった。

それまで、初対面の人に話しかけて人間関係を作っていく経験がなかった。中学までの仲間は、物心がついた時には一緒に過ごしていたからだ。

高校生活を送っていくと、これまでの人生で初めて接するタイプの人たちがいた。
髪の毛が茶色の人、ありえないくらいキーホルダーをつけている人、香水をつけた人。さらには乱暴な言葉を使う人、陰口を言う人。中学までは誰がを苦手と思ったことがなかった。「あいつはああいうヤツ」で終わっていたのだ。幼い頃から過ごしてきた仲間だからだろう。

しかし高校では、そんなタイプの人たちを気にしてしまった。ある日、彼らから嫌なことを言われて学校に行きたくなくなった。そんなとき担任だったA先生は私にこう言ってくれた。

合わない人からは離れていいんだよ。
合わないと思う人たちを見ないようにして生活してごらん。

その後A先生の言うとおりに生活してみた。
すると私が気にならなくなったのか相手が離れたのか、合わない人を気にせず高校生活を送れるようになった。A先生は結局3年間担任で、3年間私を見守ってくれた。

卒業後は離れてしまったけれど、私のSNSの投稿に時々「いいね」してくれる。
今でも見守ってくれているA先生に、妻を連れて挨拶に行かないと。

#忘れられない先生

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