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バナナはおやつに入るのか

「バナナはおやつに入りますか?」

遠足前の一幕として、有名すぎるこの質問。だが、明確に回答ができた人間が果たしていただろうか。

バナナはおやつに入るか論争について、これまで明確な答えだされることなく、ないがしろにされたまま月日が過ぎて行ってしまっている。

子供達は大人に対して、純粋無垢な疑問としてバナナがおやつかどうかについて質問をしている。にもかかわらず、大人たちはその疑問に大して真摯に受け止めようともせず、各々の感覚だけ回答をしてしまっているのが現状だ。それは子供たちの好奇心に対してあまりに不誠実であり、大人への信用喪失、ひいてはバナナ非行に走る原因にもなりかねない。

そこで本日は、「バナナはおやつに入るのか論争に終止符を打つため、この世紀の大問題について、検討・考察を行っていく。


おやつの定義

バナナがおやつに入るのか問題を考える上で最も重要な要素として、おやつというものが、一体何なのかを検討する必要がある。

検索をすると、「日本おやつ教会」という団体を見つけた。その団体のHPでは、おやつの定義を謳っており、語源として以下の説明がなされている。


江戸時代、1日2食が一般的だったころ、和時計の時刻で「八つ時(現在の午後2時から3時ごろ)」に小昼という間食を摂っておりました。その間食を「おやつ」と呼ぶようになり、やがて間食全般を「おやつ」と呼ぶようになりました。
ーおやつの定義(一般社団法人 日本おやつ教会)


ここで気になるのが、「間食全般を『おやつ』と呼ぶ」という一文である。

おやつが生まれた背景として、一日二食文化の間食の為であることは解った。語源としても「八つ時」から取った言葉で、今の「3時のおやつ」という文化が、こういった背景から受け継がれているものであることも理解できる。

しかし、間食全般を『おやつ』と呼ぶのはあまりにも横暴ではないだろうか。

バナナはおやつに入りますか」という子供達の質問に対して、「間食全般が入ります!」という答えでは、遠足にちらし寿司を持ってきている子供を注意する事が出来ない。この答えでは遠足のおやつタイムが、すたみな太郎状態になる恐れがあり、バーベキューセットを持ってくる猛者が現れても、我々大人は、子供たちのわんぱくな間食になす術がなくなってしまうのである。


おやつ=間食

ここでwikipediaを見てみると、おやつとして重要な要素を確認できる。

おやつというのはあくまで間食という位置づけであり、通常、昼食や夕食よりは量が控えめである。うっかりおやつを食べすぎると夕食時になっても空腹にならず、肝心の夕食が食べられなくなってしまい、夕食でとれるはずのさまざまな種類の栄養素がとれなくなってしまうからである。
ーおやつ(wikipedia)

間食という位置づけであるため、昼食や夕食より控えめで、夕食を食べられる範囲での食事がおやつに当てはまるという。

たしかに子供時代「そんなに食べたら、晩御飯食べれなくなる」とはよく聞いたものだ。この理論で言うと、晩御飯が食べられる範囲での食事は、おやつに入ると言う事になる。


だが、待って欲しい。

この理論では、王将のジャストサイズすべておやつに入ってしまう。


補助的な食事というある意味抽象的な表現でおやつを定義してしまうと、「春巻きはおやつに入りますかぁ!」「ミニ天津飯はどうなんだぁ!」「よだれ鶏はぁ!先生お答えください!!!」と教室中が国会のように大荒れになることは想像にたやすい。子供達毎で食べられる量が違う為、それぞれの考えるおやつ大人が判断できない状況が生まれてしまうのだ。

やはり、バナナがおやつに入るかどうか明確な回答できないのか

諦めかけていたその時。一つのHPが目に入った。農林水産省の「子供の食育」というサイトである。


おやつの数値規定

農水省のサイトでは、食事間隔の理想時間、現代人の一般的な生活リズム、間食としてのおやつ、と言った形でおやつの必要性について説明がされている。どうしておやつが必要なのか、おやつにはどういった役割があるのかを、大人には理屈的に、子供には感覚的に説明がされておりとても分かりやすいサイトだ。

その中で「おやつの食べ過ぎに注意して!」というタイトルで、おやつの量について記載があったが、その中にこんな一文を見つけた。


大切なのは食べ過ぎないことと、時間を決めて食べること。食事のリズムやバランスをくずさないよう気をつけて、一日200kcal(キロカロリー)以内を目安にしましょう
ー子供の食育「おやつの工夫」(農林水産省)


おやつの目安は、1日200kcal以内なのだ。これほど明確で、わかりやすい指標が過去にあっただろうか。

もちろん個人差はあり、200kcalでは足りない人・多すぎる人居るだろう。だが200kcalが指標という明確な数字があれば、そこに当てはめるだけで、あらゆるおやつおやつじゃない論争に、明確な答えをもたらすことができるではないか。


バナナはおやつに入るのか

何より先ほどの農水省の指標によって、バナナがおやつに入るかどうか論争についても、回答を導き出すことができる。

バナナの日本最王手DoleのHPによると、バナナの標準的なカロリーは以下と紹介されている。

「カロリーが高いのでは?」と誤解されることも多いバナナですが、1本(可食部100g)のカロリーはたったの86kcal
ーバナナに含まれる栄養について(Dole)


バナナ1本あたりのカロリーは、約86kcal。そして、おやつの目安200kcal


よって結論

バナナは、2本までおやつに入る。



この結論は、序章に過ぎない

一旦の終焉を終えたように見えるバナナはおやつに入るのか論争であるが、もちろんこれで終わりではない

おやつを「間食」「200kcal以内」という定義の元、バナナがおやつかどうかを判断したが、200kcal以内という数値をもってしても、まだ我々の感覚と、おやつの間には大きな隔たりがある。

というのもTANITAの運営するカロリズム公式サイトに、摂取カロリー早見表というデータが掲載されているのだが、このサイトの情報で考えると、どら焼きやチョコレートケーキ200kcal超えおやつの定義から外れてしまうのだ。すなわちこの論争は、おやつに対する感覚的な印象数値化し、おやつの定義明確になる日まで、終わることがないのである。

だがひとまず、現段階ではバナナはおやつに入ること証明されたのは確かだ。子供たちの無垢な質問に対して、我々お茶を濁す必要は無くなった

これから子供たちにバナナがおやつに入るかどうかを聞かれても、大人の皆さまは胸を張って答えていただきたい

ちなみに、王将の餃子も3個まではおやつだよ」と。

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