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なにがどうして いたちごっこ

日常的に使っているのに、よく考えたらわからない言葉は、意外とそこら辺に落ちていますよね。「酒が飲める事を何故『強い』というのか」なんて、典型的な例ですよ。



そんな中で最近、ひとつ引っかかったんですよ。

いたちごっこって、なんなんですかね。


ハッカーとの攻防とかで、たまに聞くじゃないですか。

セキュリティを強化したら、抜け穴を探してくる、いたちごっこだ。的な感じで。

エッチなサイトの、ファイアーウォールと、かいくぐるエロサイトの出現は、いたちごっこだ。的な感じで。


なんとなく、意味はわかりますから、「いたちごっこ?うちの地元は鬼ごっこって呼んでましたけどw」なんて、言わずに済むとは思います。ただこのいたちごっこと言うものが、一体何なのかは、イマイチよくわからんと思いませんか。


まずイタチの時点で、この慣用句のイメージとは、違う気がするんですよ。いたちごっこって、追っかけっこを表してると思うんですけど、イタチに、特別追っかけっこしてるイメージはないと思うんですね。よっぽど「トムジェリやないかい」の方がしっくりきますもん。

加えてここに「ごっこ」でしょ?要は「真似る」ってことやないですか。「イタチの真似」が、「追っかけっこ」って、つなげてしまうと違和感半端ないんですよね。感覚だけで「いたちごっこ」に意味をつけるなら、「四足でバリ早い」になる勢いですよ。


そんな「いたちごっこ

腑に落ちないまま、検索してみると、ご丁寧にWikipediaにまとめられておりました。これが結構、興味深いんですよね。


まず1番驚いたのが。

いたちごっこは、江戸時代後期に流行った子供の遊び。
ーいたちごっこ

いたちごっこ、遊びやったんよ。


鬼ごっことか、おままごととか、そう言う遊びごっこやったんですよ。ただの「〇〇みたい」って意味じゃなく、しっかりあそびとしてあった事がまず驚いたことでした。


そしてもうひとつ

二人一組となり、「いたちごっこ」「ねずみごっこ」と言いながら相手の手の甲を順につねっていく。
いたちごっこ


いたちごっこは、ネズミとセットやったんですよね。


なんでも手遊びらしくて、イタチとネズミに分かれる形で、お互いに手をつねったりする遊びらしいんですよ。

そうやって考えると、追いかけるイタチと、反撃するネズミの構図ができて、まだいたちごっこ今の意味リンクしてくるやないですか。単純に、「イタチみたいな様」ではなく、いたちごっこで使われるイタチネズミに擬えて、追いかけっこを表現する。そう言われると、少し理解ができると思うんですよね。


両手が塞がったら一番下にある手を上に持っていき、また相手の手の甲をつねるという終わりの無い遊びなので、転じて「埒があかず、きりがない」ことも指すようになった。
いたちごっこ

そして遊び自体も、言葉の由来になってるそうなんですよ。卵が先か鶏が先かじゃないですけど、終わりのない追っかけ合いを、イタチとネズミに例えて、それを終わりのない物事に転用した。

そのネズミが言葉上でなくなり、いたちごっこになったって考えると、とてもスッキリするやないですか。イタチ同士が追っかけているイメージがあるかないかではなく、そもそもイタチとネズミに擬えた手遊びで、そこから引用された言葉なんだと。歴史を感じる、面白い言葉でございますよ。


ただ、思いますよね。

両手が塞がったら一番下にある手を上に持っていき、また相手の手の甲をつねるという終わりの無い遊び
いたちごっこ 

思いついた奴、どんだけ暇やねん。

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