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ド素人なりに仏教について調べてみた②

前回は仏教の興りから奈良仏教についてまとめました。
今回は平安時代~鎌倉時代の仏教の概要について書いてみようと思いますが、鎌倉時代の宗派については次の記事にまとめます。
鎌倉時代はわりと宗派が分かれるので、ここで書くと長くなる!


1.平安時代の仏教

平安時代になると、日本仏教を代表する二大宗祖が登場します。
それが、最澄空海です。

最澄(767年~822年)は、日本における天台宗の開祖です。
桓武天皇の勅命で、遣唐使船に乗って渡唐し修行しています(8ヶ月で帰国)。
勅命を受けたとき、既に位の高い僧でした。

そして、空海(774年~835年)は、真言宗の開祖です。
空海は最澄と違い、高僧というわけではありませんでした。
勅命を受けていないので、遣唐使船へ私費でどうにか渡唐します(3年で帰国)。
大日経に書かれていた大乗仏教・密教の教えは日本で流行っておらず、長安で修学しました。

それでは二人が興した天台宗と真言宗について簡単に見てゆきましょう。

1-1.天台宗

前述した通り、開祖は最澄です。
最澄は唐の天台山で天台教を学び、天台教こそが最も優れた教学だと考えました。
天台教自体は隋の時代に成立したもので、法華経に基づいた宗派です。

最澄はこの教えに密教や禅・戒律・浄土教を融合させた総合仏教を目指しました。
それが天台宗です。

※法華経については別の記事にてまとめる予定です

総本山は比叡山延暦寺
後の宗派の成立に大きく影響することとなります。

1-2.真言宗

開祖は弘法大師空海。
空海は長安で密教を学び、日本へ持ち帰ります。
密教とはその名のとおり秘密の教えで、机の上で学ぶものではなく、師から弟子へ直接伝える教えです。

真言(真実の言葉)を唱えて真理に到達できるということで、真言宗となりました。
また、真言はサンスクリット語で「沢山唱えると、より仏に近づくことができる」という意味です。

「煩悩や執着が一切ない、無垢で真理を表現するのが仏さまの言葉(真言)である」
「何も汚れていない、真理を語る言葉が真言である」

とされています。

真言宗は国家の鎮護から個人の祈願まで最も有効な宗派だといわれ、日本仏教の中核になりました。
その勢力は絶大で、室町時代まで続きます。

総本山は二ヶ所で、真言宗は東寺(京都・九条)と、高野山真言宗は金剛峯寺(高野山)となります。
※晩年の空海は高野山にこもります。

2.鎌倉時代の仏教

鎌倉時代の仏教の特徴は、平安時代までに中国で成立した宗派を現地で学び、日本に取り入れたもので、おもに国産仏教が成立してゆくこととなります。

真言宗は大きく変化することはありませんが、この時代になると天台宗はおもに3つに分派してゆきます。

2-1.浄土教系


⇒浄土宗・浄土真宗・時宗・融通念仏宗

極楽浄土に往生することを説くのが浄土教系で、
『極楽浄土には阿彌陀仏が住んでおり、念仏を唱えることで阿弥陀仏に極楽浄土へ導いてもらおう』
というのが主たる教えになります。

ここにある『念仏』は『南無阿弥陀仏』です。

『南無阿弥陀仏』とは、自力で悟るのではなく、他力(阿弥陀仏の本願)に頼るという意味です。
※「南無」・・・帰依する、信じる(よりどころ)
※「本願」・・・本来の願い

「旧来は自力で修行していたけれど、本当に力を持っているのは阿弥陀仏なので、修行しなくとも阿弥陀仏の本願に頼りなさい」
ということです。

教義は、仏説無量寿経・仏説観無量寿経・仏説阿弥陀経の浄土三部経を正依にしています。
※ただし融通念仏宗は華厳経・法華経が正依で、浄土三部経は傍依

2-2.禅宗系


⇒臨済宗・曹洞宗

『禅』とは、インドに古くからある修行法(のちに仏教に取り入れられる)ですが、禅宗として成立したのは中国です。

禅宗系の開祖は達磨大師(生没年不詳)で、中国禅宗初祖とされています。

逸話として、壁に向かって9年間ひたすら禅を組んでいたら手足が腐って取れたというものがある、日本でも有名なあの「だるまさん」です。

また、中国の宋の時代に7つの宗派(五家七宗)に分かれて、そのうち臨済宗と曹洞宗の2つが日本に伝わりました。

2-3.日蓮系


⇒日蓮宗

日蓮(1222年~1282年)が開祖となるのが日蓮宗です。
元々日蓮は天台宗の僧侶で、非常に急進主義的思想を持っていました。
そして、他宗派を全否定し、法華経を根本聖典とします。天台宗も法華経なのでそのまま踏襲しています。

また、日蓮は先述したとおり法華経が唯一絶対としていたので、総合仏教を目指していた天台宗のことも否定しました。
※日蓮についてはまた改めてまとめようと思います

日蓮系の特徴は、題目『南無妙法蓮華経』を重視するところで、妙法蓮華経は法華経の正式名称となります。


まとめ

今回は平安時代から鎌倉時代の仏教についてまとめてみました。
平安時代からが日本仏教の本格的始動といった感じですね。そして、鎌倉時代になると更に分派してゆきます。

次回は③「浄土系・禅宗系の宗派」についてまとめようと思います!

ではまた次回の記事で!


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