自分ガチャ

この世に産まれた瞬間に自分の性格が決まってるように思えてならない。
所謂陽キャという種族とは本当に棲む世界が違うと思う。

彼らは自分とは真反対な存在である。
自信に満ち溢れ、行動力があり、自分の意見を貫き通せる。そして人に自分の警戒心を悟らせないで接することができる。
そして陰キャのフリをすることもできる。これが一番厄介なところだと感じている。

自称陰キャ(陽キャが擬態しているもの)に不用意に近づくと、自分の芯からの性格の悪さが浮き彫りになってしまい、自己嫌悪、嫉妬が生まれてしまう。
かといって彼らには悪意がない(そう思いたい)ので、そのマイナスな感情を悟らせるわけにもいかないのだ。

自称陰キャの陽キャというものはカウンターを常に狙っているボクサーみたいなものなのだ。故に、自己開示をして自分の弱点を晒したら最後。
「何が好きなの?俺はアニメとかも好きだな〜」という言葉には気をつけた方が良い。
その彼の言うアニメは基本的に少年漫画雑誌原作のものだ。まんがタイムきららやエロゲ原作のアニメではない。「彼の好きなアニメ」をA、「自分の好きなアニメ」をBとしたとき、AかつBは空集合なのだ。

ここで不用意に自分の好きなアニメについて語ったら引かれてしまうと考えた方が良いので、私のように失敗しないためには、HUNTER×HUNTERなどを読んでおいた方が良いかと思う(私は未だに読んだことがないが)。

そもそも彼らは楽しさを常に求めて生きているのであって、このような場面では知識披露の対決をしに来ているわけではない。オタクに優しいギャルどころか、オタクに優しい陽キャは存在しないのだ。

このような状況に陥らないためには、逆に、自分から相手の好きなものを聞いた方が良いのである。
相手の答えたものを自分が知っていたら、知識をひけらかさないようにバランス感覚を持ってうまく話していけば良いし、知らないものだったら相手に話させてあげ、自分でそれを体験してみるのも良い。

ここで注意することがある。相手の好きなものについて詳しくなりすぎない事。ちょっとかじって、
「この間教えてもらったアレ良かったよ!他におすすめとかない?」とか聞く程度でいいのだ。
その周りのものについて詳しくなりすぎてしまうと、私のようなオタクは自己顕示欲を満たすためにそれについて語りすぎてしまい、相手を引かせてしまう。別に相手は求めてないのに。
自意識過剰な人に対して、「人はあなたが思うほど人に興味がないよ。」とか言ったりするみたいだが、本当にその通りである。少し興味が生まれてきていたとしても、ちょっとした事で相手は冷めてしまうのだ。

ここまで色々述べてきたが、実際の会話のスピードというのはすごく速いもので、こんな事を考えているうちに、陽キャたちは他の友達と話しに行ってしまう。おそらく彼らはこんなに色々な事を考えなくても会話ができてしまう超人の集まりなのだろう。
棲む世界が違いすぎる。才能を持ちすぎている。

私の日常生活の中での思考は、ここで述べた以外にも色々なシチュエーションがあるが、こういうように堂々巡りを繰り返し、結局機会を逃し続けてしまう事が多い。

もっと明るい性格になればこんなことも起こらないとは思うのだが、そう簡単に変えられるものでもないと思う。負った傷が多すぎて自衛にエネルギーが全て持って行かれてしまうのだ。臆病すぎるが故に。

そもそも彼ら陽キャのように性格が良ければ傷つく事も多少なりとも少なかったのだと思う。
人生は自分ガチャすぎる。

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