読書（2022/3/11）:胎界主初見実況ログ（第二部三幕）第十四話『生体金庫』5-1（第二次生体金庫攻城戦本編序盤（勝手に命名））

犬神工房、『胎界主』初見実況、 #犬界主 『生体金庫』第二次生体金庫攻城戦本編、の、プロローグ、ピュアたまのありがたい説法語録（ピュアたまのありがたい説法語録！？）を、開始します。

一般に、カルト野郎の繰り言を聞くのも、それに少しずつ取り込まれるのも、生活の質を脅かす、罠なのです。が、ここを読まないと物語が先に進めないからね。飛ばさず、行って見ましょう。 #犬界主

まず、ピュアたま、ルーサーの質問に答える。「ハオウが死んでもなんとも思わないか」。その答えは、「そりゃあ哀しいさ　けど「足下を泳ぐ魚」と言ったのも本心だ」うわっ。ピュアたまにとっては、ハオウ君はそういう扱いらしい。 #犬界主

おい。ピュアたま、ハオウ君のことが心配じゃなかったのか？　あいつ、まだピュアたまのことを盲信しているところがあるし、そこで懸念があったんじゃないのか？　それとも、「盲信してるようではやはりザコとしか言いようがない」ということか？　こいつ…！？ #犬界主

感情と事実は別だ。人の一生なんてものには大した意味も価値も無い。そう言い放つピュアたま。何を成そうがしくじろうが、勝とうが負けようが、価値は無い。誰の死も生も、助けようが見捨てようが、意味は無い。（稀男にグサグサ来そうだ。心配するリース） #犬界主

普通に暮らして生きて行く事に、過剰な意味も価値も要らない。傲慢にも「自分達のやっている事にこそ意味がある」なんて思い込むから争いになる。謙虚に真面目に生きている者なら大した意味など無いと知っている。 #犬界主

自分のやっていること、復讐に意味を見出していたが、それに疲れたアスちん。そして、自分のやっていることに一ミリも反省のない、何一つ謙虚ではない傲慢なソロモン。ピュアたまのご高説に、難しい顔をしている。 #犬界主

そういうある種殺伐とした正しいリアリティの話で、小さい意味や価値を感じて生きていきたいのであれば、皆で仲良く認め合っていればいいのだ。皆で仲良く認め合っていれば、そんなもの求めなくても、充分幸せになれる。そんなことを言いだすピュアたま。 #犬界主

まあ、本当はそうだよ。でも、認め合うの、無理じゃん。ソロモンはあんなんでも傑物だから、バイキンのような悪魔も骸者も容認しているけど、ふつうの人間や妖精にとっては、どちらも容認したくないじゃん。搾取者だったり破壊者だったりするんだもんな。 #犬界主

さて、「この考えは間違っているかな？」聴衆の反応を引き出そうとするピュアたま。これ、そういう弁論上の罠であり、釣りだと思うのだが…ここぞとばかりに脆弱性に突っ込むルーサー。まさか今のが「真実」？　だったら当たり前すぎる。ピュアたまを信じる根拠にもならん。 #犬界主

だが…もちろんそれで終わりではない。そうなら皆があれほどピュアたまを盲信する訳がない。ことに、付き合いの長いガチの盲信者であるハオウ君が、そんな話で納得してくれる訳がないのだ。ピュアたまは言い放つ。「いいわけないじゃないか」こっ、こいつ！　苛立つルーサー。 #犬界主

結果的にざっくり説法をおっ始めたピュアたま。流石にルーサーもわかる。で、その話、オチはあるんだろうな。つまんない説法なんか聞きたくないぞ。牽制する。ピュアたまが言うには、ちゃんと「終点」はあるのだそうだ。「終点」。含みのある言い方だ。 #犬界主

ピュアたま、説法再開。言葉が事象・事物を切り裂いて来た。扱い易い様に見え易い様にと。「はじめに言葉ありき」とは言わんが、「ことば」の四大司神トト=ロックの話でもないが、混沌した<原典>めいた世界全体が、分節されていくイメージが、個人的にはありますね。 #犬界主

しかし決して分けられないものがある。それが「意味」と「価値」だ。「意味」無きものには「価値」はなく、「価値」無きものに「意味」などない。（明らかに独自用法でなんか言い出したので、ルーサー、寝言でも聞いているようないい加減な態度になる） #犬界主

しかし、俺は気になる。言葉で「意味」と「価値」を分けられないのだとしても、丸ごと「意味≒価値」とみなせるものはあり、それらは言葉で表す二つの側面であるが、根は一つ、と言ってるんだよな。じゃあ、それは、どんなもんなんだ？ #犬界主

ピュアたまのたとえ。たとえば、あの稀覯本。バンシーに贈ったのは経済的援助にすぎない。本当の価値はその中身にあっても、アレら（うわっ）が本を開く事はない。ピュアたまは知っている。分かっている。（読んでる分、ハンバーグ先生は偉いのではあるが、鼻をほじるな！　本が汚れる！） #犬界主

普及品であろうが稀覯本であろうが、中身の価値は同じなのだ。つけられた値段、数字に「意味」はない。「「意味」と「価値」が分かれていないもの　それこそが「本物」だよ」意味、価値、本物。そこがピュアたまのこだわりポイントなのだろう。 #犬界主

「そして人間には「本物」が必要なんだ」稀男が何か考えている。赤子の稀男。両親にとって、本物ではない、まがい物の稀男。両親にとって本当に必要だったのは、失われた真の稀男の方だったはずだ。「でないと耐えられないんだよ」だから、両親は耐えられなかったのだろうか… #犬界主

「あばばばば」手をぶらぶらしてふざけてみせるピュアたま。「こんなおふざけは出来るさ　一時の酔狂においてならね　まがい物と戯れて無意味なことに本気を出す　でもそれをずっとは出来ないだろう？」うっ。稀男、ピュアたまに見透かされて、しかもメチャクチャ煽られてる！ #犬界主

「何年も何十年も繰り返すんだ　無価値で無意味なことを　耐えられるわけが無い」この時点で何年も何十年も繰り返して描かれてきた『胎界主』の、しかもかなり初期から名指しされてきた第二部ラスボスが、これを言うと、迫力がすごい。作者の内面の忖度は避けたいが、色々考えさせられる… #犬界主

穴を掘らせてその穴を埋めさせる、それを何度も繰り返させる拷問。稀男たちの生活も、本質的にはこれだ。だが、ある種の共有、共犯関係によって偽装されている。一人では無理だけど、皆でやるなら耐えられる。なんの意味も価値もない大きな穴を、皆で掘ってまた埋めているんだ。（不毛…） #犬界主

疑念を持たず穴掘りに参加する。穴埋め作業に慣れる事を、学習と偽り大人になると嘯く。およそ成熟とはいえないのに、強くなったという。鈍化して感じなくなっただけなのに。（人間が社会の道具である、全体主義的傾向のある国で、場合によっては禁書になるかもな、この漫画…） #犬界主

何も信じてはいない。刺激に反応し環境に適応し生存しているだけだ。本質的には動物と変わらない。ゆえに「物」だと揶揄される。ただ生きて動く物。蔑称「胎界物」というわけだ。（胎界主の言いそうなことだ。そしてうなずくなソロモンクソジジイ。そういうところだぞホンマお前ら…） #犬界主

だが。「けどそれでいいんだ」と言い放つピュアたま。誰もウサギやキリギリスの意味や価値を問うたりはしない（イソップ寓話の動物たち）。「生命は素晴らしい　存在してるだけでいいんだよ　それが幸せだと決めたんだからね」いや！？　何も良くないが！？　イヤミか！？　その皮肉！？ #犬界主

生命至上主義は、動物のやりそうな、恣意的なまがい物の意味や価値の定義だ。「本物」ではない。と言わんばかりのピュアたま。ここでまた質疑応答時間。ルーサーは全く興味を持てない。やはり我がことではない。切実に感じない。表情の変わらないピュアたまの顔のアップ。何を考えている？ #犬界主

さて。ところが、そんな幸せでは満足しない者がいる。その欺瞞を見抜く者、参加することを拒む者。「そのくせ自らの創造性には臆病と怠惰を貫ぬくんだ」…これは、賢いが、「創らない」やつの話をしているのか？ #犬界主

「虚無主義や冷笑主義に堕して　失意のうちに一生を終える　実に迷惑で不幸な者たちだよ」黒歴史化を恐れて創作しない作家ワナビーや、自分の創作を黒歴史とみなす元作家とか、あとハウスマンとかに、言葉のデッドボールが投げつけられている。（その三者を並べるの、ひどない？　（俺が）） #犬界主

しかし中には「本物」を求めて、既存の穴から「外」へ飛び出す者がいる。あるいはその意志を捨てない者が。それこそが（おそらくはピュアたま言うところの「本物」の）人間、胎界主だ。 #犬界主

だが「外」は危険な荒野、混沌渦巻く激流だ。そのほとんどは失敗する。塵を運ぶ蟻になる事を止めた代わりに、凍え死ぬキリギリスになる。（「失敗して当たり前」だ。ファージャルグは賢くはあったので、たましいの萌芽が宿り、創れれば良かったのかもしれないが、そうはならなかったよな） #犬界主

そんな胎界主の中のさらに一握りが、自分の信じる価値で世界を創ってしまう。その功績は、国や歴史を作り、人類を進歩させてきた。さらにその規模によっては既存の世界を塗り替えるだろう。東郷善、レフ・レックス、そして若かりし頃のソロモン王。偉大（だが傍迷惑）な英雄達のイメージ。 #犬界主

「さてルーサー君」ここでピュアたま、難しい問いを投げかけてくる。「彼らこそが真の胎界主だと思うかい？　いやもっと分かりやすく問うと　この英雄達の行為には意味があると思うかい？　膨大な手間と時間をかけて作られたそれには　価値があると思うかい？　ウソ偽り無く答えてもらおう」 #犬界主

これは難しいぞ。言いたくないが、胎界物をたくさん生じさせ、また新しく穴を掘らせている結果になっている。それに意味や価値があるか…やはりそれは、穴掘って埋める、無意味で無価値な営為なのでは…？　（当人たちは絶対に認めないだろうし、信奉者たちはもっと認めないだろうけど） #犬界主

そして、そういえば自分も、特別な胎界主、レックスの胎界物であったのだ。他のレックスの胎界物らと共に、レックスの異常な価値観に従って、正に穴を掘っていた側だ。ようやく身に沁みてくるルーサー。身に沁みさせた、直面させたピュアたま、たいしたものだ。が、特大鬱にさせるなよな… #犬界主

そして…ピュアたまが最後の一押しをしてしまう。試験的に掘られたが、特に実用性はない、巨大な穴のイメージ。「もちろん無いよ　あるわけないじゃないか」うわっっっ。何か意味や価値を信じてきた人に、こういう言い様を突き付けられたら、人によっては再起不能レベルで潰れるぞコレ… #犬界主

意味と価値のなさに耐えられないがやらずにはいられないので見張り合う胎界物。胎界物を忌む賢さはあるが胎界主でない者。創るが失敗する胎界主。創ったが胎界物にまた穴を掘らせて埋めさせるだけの胎界主。穴を掘らされ埋めさせられている胎界物。全部ダメと断じるピュアたま… #犬界主

「『たましい』だけを頼りに荒野をさまよい穴を掘る　だがどこまで掘ったって何も出てきやしない　根拠もない当て推量の賭けだからね　当然ハズレることもあるさ　かといって後にも退けず　結局はまた別の無意味な大穴を掘ったり埋めたりの繰り返しだよ　いつか「本物」が見つかると信じてね」 #犬界主

レックスの息子ガチャへの違和感を、こんな形で快刀乱麻を断つが如くザクザク斬っていくの、痛快ではある。が、ハズレであった息子たちや、ハズレかもしれないルーサーや、当のレックスには、あまりにも酷な言い方だ。「しかしまぁ見つからない」ダメ押し！ #犬界主

「残念なことに胎界主が創りだす流れも同じなんだよ　どんなに求めても　世界中の扉を開けたとしても　そこに出口は無いんだ」おい。じゃあ何か？　特別な胎界主がなんか創っても、それ、究極的には無駄ってことなのか？　今までの話からすると？ #犬界主

「自分の信じる価値で創った世界　栄華を誇った王国も今は無く　何をどれだけ進歩しようが　たいした意味も価値も無いんだ」古代イスラエル王であり、魔王たちを縦横無尽に使役して、異様な繁栄を築いたソロモン。明らかに皮肉られている。険悪な顔になるソロモンだが… #犬界主

「じゃあどうすればいいのか　これはもう諦めるしかない」おい…「もっとも完全な諦念なんて出来るわけ無いからね　だから誤摩化しだよ　自分を騙して妥協して生きる　あるいは信じてもいないものを信じることにして　白痴の様に祈り続ける」胎界主でも胎界物でも、俺だったらヤだなそれ… #犬界主

「不肖な弟子達が頭をこねくり回して辿り着けたのは　このあたりまでだろう」たぶん、釈迦やキリストの話が正しく伝わらなかった、翻訳できなかった弟子達を念頭に、そんなことを言い放つピュアたま。「…で？」沈んだ、しかし危険な雰囲気になっているルーサー。わからせられつつある… #犬界主

「終点だよ　これにて「お話」は行き止まりだ」おい！　それが真実だ、というのはまあわかりそうな気がする。だが！　絶対ヤだ！　「おっと　前に違いを説明したけど　「終点」だからね　「終着駅」じゃないよ」…んん！？ #犬界主

「「乗り換え」をすれば　この先から進めるのさ」話の趣が変わった。「ルーサー君にも　ぜひ付いて来て欲しいけど　ここからは　アス　お前に贈った「本」の著者　かのソロモン王でさえ見ることの出来なかった　ピュアが信じる「真実」の話だ」 #犬界主

ソロモンがものすごい顔になっている。自分の見ることのできなかった、真実の話、だと…？　不愉快だが、じゃあ聞かせてもらおうではないか、と言わんばかりの顔だ。これは、閉じて滅びゆく世界の、ピュアたまの見た解決策の話に、さしかかろうとしているのか…？　それはどんなものなのか…？ #犬界主

ということで、とりあえず胎界主初見実況『生体金庫』ピュア説法開始編、ここまでです。余裕と気合がある時じゃないと読めねーなこれ。だが、おぼろげながら言いたいことはわかったような気がする。胎界物も胎界主も、閉じた世界の出口を突破できない。そういうことが言いたいのだ。ヒデエ… #犬界主

じゃあどうするか。運ぶ力と正す力をはじめ、様々な力を持つ、ピュアたまが考える方法。それは、「運」ばれる「流れ」を「正」しい「終点」で「乗り換える」。というものだった。が…一体、どういうことか？　（次から当面の間、合戦シーンです。乞うご期待。ご清聴ありがとうございました） #犬界主

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犬神工房、『胎界主』初見実況、 #犬界主 『生体金庫』第二次生体金庫攻城戦本編、再開。着地するデカトン。黒死隊の感染ダニがいる。ハオウ君を狙っているようだ。困るので倒すが…ハオウ君、感染ダニのことなど見えていないかのように、ブツブツ言っている。戦士だろ。気づけよ。

しかし…「どうせ死ぬ　ドウセ死ぬンだ」投げやりになっている。アカン。「いける？　いけるんだな！」デカトン、立ち上がりはしたハオウ君に期待するが…「やるよ……ヤル　やればいいんだろ……」やけくそだ。これでは、ちゃんと精妙な制御下で、全力を発揮することなどできまい。 #犬界主

デカトンスピーカーの号令。「総員準備せよ　攻撃目標ォ　生体金庫頸部ッ」決戦、開始…！　一同に緊張が走る。デカトンもダメージが回復しきっていない。デュラハンももう攻撃は無理だろう。「最後あと一斬りだけでいい」そうデカトンは言うが…ハオウ君にも緊張が走る。果たせるか…？ #犬界主

魔法則細菌兵器、少しずつだが、生体金庫に効いている。だるそうな目。発熱。下痢。大嘔吐。「死はばかでかいなにかじゃない　死はばかでかいなにかじゃない　死はばかでかいなにかじゃない」エヴァのシンジ君めいて、ハオウ君、自分を奮い立たせるが…ゲロで押し流された海水を浴びる！ #犬界主

…デカトンが防御する。ビビった…「シャミールに集中しろ　防御は我に任せて……生体金庫を倒すまで　お前は絶対に死なせんからな」シャミール、単なる道具ではなく、たましいを持つ半人間たるハオウ君の、意志の延長上のものであり、肝心の意志が折れてると使えないようなのだ。 #犬界主

さて、黒死隊エイオータに殺技軍団スネカジが言う。「盛り上がってるとこ水さしてやるがよぉ～　まぁ無駄だろうぜ」何？「毒だの細菌だのは俺らもさんざんやったんだ」え？　じゃあ…「なんも効かねーし　ちょっとでも蝕めたと思ったらすぐに免疫抗体を走らせる」となると、これは… #犬界主

魔法則細菌兵器攻撃も、そのうち無効化される…ってコト？　「失敗したな　さっきの攻撃はわざわざワクチン注射を打ってやったようなもんだ」そういうスネカジだが…エイオータは動じない。「貴重なご意見ありがとう　でもこっちは専門家なんでね」はて…？ #犬界主

「細菌とウィルスの二段構えだよ　主戦力は腫瘍ウィルス　その他にもT細胞とB細胞への破壊命令を組み込んだものを感染させた」体内に浸透したら、からだにおける無効化機構、少なくとも免疫は、削れる！　免疫不全で頸部がグチャグチャになり始める生体金庫。効いてるぞ！ #犬界主

しかし、エイオータは甘くは見ていない。頸部の筋繊維は骨と同等と見た。骨まではやられてないのは見て取れる。となると、頸部の筋繊維も、これ以上は破壊できまい。 #犬界主

そして、逆説的に、エイオータ、確信する。生体金庫の頸部を破壊して頭部と腹部を断絶することを、悪魔と管理者は断じて避けたい。つまり？　ここが真の必殺ポイントなのだ。最終的にはやはり、生体金庫の骨であろうが斬れる、人間のたましいと、意志で動くシャミールで、斬るしかない！ #犬界主

しかし…そのシャミールが伸びない。「おいまだか？　何度も斬っただろ　まだ慣れんのか」デカトンの声に、ものすごい顔を見せるハオウ君。一人殺すのもたくさん殺すのも、敵を殺すのもただの民間人を殺すのも同じだという感性の死神に、とやかく言われたくなさそうに見える…（気のせい） #犬界主

ハオウ君の不甲斐なさを嗤う殺技軍団。とはいえ彼らも度重なるダメージでやけくそになりつつある。斃せればなんだっていい。しかし…スネカジとエイオータは気づく。やはり、魔法則細菌兵器だけでは足りない！　生体金庫、アポトーシスで患部の自切を始めた！　これでは再生できてしまう！ #犬界主

ハオウのシャミールが起動しなかったら、このままではまた無効化されてしまう。スネカジの予想通りだ。アカン。皆苛立ち始める。スネカジは投げやりになり始める。今回は成功しない。あのドロクロドですら死んでいるのだ。ここは破滅の渦だ。エイオータも賢いので、そこは察してはいる。 #犬界主

「大義　使命　償い　大義　使命　償い　タイギ　シメイ　ツグナイ」気持ちの単語で鼓舞。ハオウ…シャミール…起動！　個人的な体験からも、これで出せる出力はあるが、絞り出しているに等しく、フルの状態からしたら論外なのだが…とにかく、頸部を断つには、十分に長い、刃！ #犬界主

伸るか反るか、やる！　デカトン、ハオウを抱えて、飛ぶ！　位置取り！　ハオウ、恐怖でいっぱいになる。デカトンの気配も感じられなくなる。自分と、恐ろしい生体金庫だけしか見えなくなる。そして…生体金庫様がみてる。朦朧とした目ではなく、はっきりとした敵意の目で！ #犬界主

ハオウ、恐怖で…しかし…シャミールを振るう！　筋繊維…角…切断！　だが…浅い！　骨まで殺し切れていない！　ハオウ、恐慌。「斬った斬った　ちゃんと斬った」いや、「ちゃんと」はやりきれてないじゃんよ。責任、果たせていない。気持ちはわかるが、「大義　使命　償い」はどうした… #犬界主

デカトンとしては当然生体金庫を殺し切りたい。「念のためもうひと断ち……」「無理無理無理無理っ！　早く離れろ　離れろってェ！」アカン。デカトン、舌打ちして、いったん離脱する。頸部がグジャグジャになる生体金庫。ハオウ君も、デカトンも、もう無理だ。で… #犬界主

デュラハンが来る！　デュラギロチン形態！　（ナニソレ）しかし、今グジャグジャの頸部に接触したら、断頭刃も溶かされてしまう。そして、頸部の癒着が、接合が始まる…そこに！　殺技軍団艦隊の炸裂砲弾一斉掃射！　よもやよもやだ。ヤンキー根性あんなーお前ら。 #犬界主

依然としてボディーには効いていない。だが、傷口はどうか？　無効化耐性がつかないよう、傷口そのものは撃たずに、周囲の体液を吹き飛ばす。最終的にデュラギロチンが通るようにすればよいのだ。 #犬界主

やる気の者、ビビる者。「やめよっ　やめよーよぉ！」「今回はいけるかもだろ？　最後ワンチャンに賭けたろかい」「それだけじゃねぇ！　仲間の仇だ　舐められっぱなしで終われるかあああ」「だっ　だってもし……また怒らせたら……」その言葉で、皆にもまた恐怖が広がっていく。が… #犬界主

「とっくにブチ切れてるよぉ」やる気のエビみたいな殺技軍団員が言う。そりゃあそうだ。こんなにメチャクチャにされて、生体金庫が怒ってないわけがない。というか、こちらにも殺意しか抱いてないだろう。逃してくれる訳、あるか？ #犬界主

「だがそれ以上にこっちもキレてんだ　んもう思い出したら頭キタッ！　こんの糞トカゲ　「獣」ごときがなぁ　ニンゲン様をなぁー！」突然の模造クリスタル先生の『金魚王国の崩壊』！？　（エビ子（カホちゃん）かオメーは）（セリフはバッタの脚をもいだ悪ガキと喧嘩するミカゼちゃんだが） #犬界主

「SHIN化！　SHIN化！　SHIN人類！　SHIN化！　SHIN化！　SHIN人類！」鼓舞のために進化の踊りを踊るエビ男たち。砲撃！　連射！　撃ち尽くせ！　手をバタバタさせる生体金庫。はて…？　エビ男、砲撃を止めるように言う。体液が…涸れたぞ！ #犬界主

デュラハンも冷や汗をかいている。だが…ここが正念場だ！　そして…地獄の断頭台！　祈るレムレス。祈るデカトン。声も出ないハオウ君。そしてデュラハン。斬り…きれない！　デュラハン、デュラギロチン部分からちぎれ飛ぶ。ダメか…またしても… #犬界主

…刃は深い。頸部が…滑り落ちようとする…自重で…！　「死ね　死ね　落ちろ　死ねえええ　落ちろおお」進化の踊りで祈願するエビ男たち。「いけ　落ちろ！」やはり祈るレムレス。「いくわけねー　成功するわけねーんだ」毒づくスネカジ。「陥落」やり遂げた顔のエイオータ。そして… #犬界主

陥落。そうはいかなかった。生体金庫…巨大な頭頂眼が開く！　（そういうトカゲ、いるよな）そして、とんでもないことを始める。頸部の周囲に！　多数の超長い角を！　生やす！　そして、ちぎれかけた首を、多数の超長い角で、刺して、固定！　生体がダメなら物理！！　そんなんありか！？ #犬界主

ハオウ君、愕然！　デカトンの表情、うかがい知れない！　エイオータ、さすがに唖然！　スネカジ、やはり毒づく！　チェンバー君、涙目！　デュラハン、戦慄！　そう。陥落…成らず！　そして…生体金庫、頭を天に向ける。何が始まるんです…？ #犬界主

分かってない者たちは勝利の雄たけびを上げている。が、察しのいい者たちは気づく。生体金庫からの、反撃のターンが始まる。とっておきのやつが。逃げる！　しかし…生体金庫の反撃開始。天に向かって特大の、黒い超酸ゲロを吐く！ #犬界主

おい。これじゃみんな浴びることになるぞ。しかもこれ、色が違うから、ただの（ただのといってもすでに恐ろしいが）超酸ゲロじゃないんだよな。ヤバイですよこれは。生体金庫、遂に、殺意、全開！　誰彼構わず、一人残らず、マップ攻撃で全員殺すモードだ！ #犬界主

ということでここまでです。イケる流れに見えたが、そうではなかった。それどころか、ここからは生体金庫のターンだ。さて、どんな地獄絵図になるか…？　ご清聴ありがとうございました。 #犬界主

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犬神工房、『胎界主』初見実況、 #犬界主 『生体金庫』第二次生体金庫攻城戦本編、再開。デカトン、ハオウ君、逃げようとする。だが、もうゲートすら開かなくなっている。レイミア様の「生体金庫を殺し切るまで帰れま10」障壁が、そして生体金庫の瘴気が、阻んでいる！ #犬界主

同じ「遮る力」があれば、レムレス君「は」逃がせるかもしれない。デカトン、親切心。だが…生体金庫の反撃、始まってしまう！　生体金庫の吐き出した、黒い特大超酸ゲロが雲になり、雷を呼び、蒼い超酸の雨となる。翼手隊の一人に雨が付着。頭上に蒼い灯が灯り…爆発四散！ #犬界主

しかも飛沫から連鎖で周囲に付着して…誘爆！　倍々ゲーム！　ポルス、見てしまう。惚れた女が、カープラリィが、雨に打たれてしまったところを。カープラリィは悟る。レイスはこの隠し玉すら知っていて、黙っていたのだ。絶望するカープラリィを…ポルスは抱きしめ、告白し…共に散る！ #犬界主

デュラハンを呼ぶデカトン。ハオウ君は彼に任せて、自分はレムレス君を逃がそうとする。デュラハン、来た。しかし、デュラハンは「二柱で」ハオウ君を守護（まも）らねばならぬ、という。 #犬界主

デカトンはあくまでレムレス君を助けに行くつもりだ。しかし、デュラハンは勝利のためにあくまでハオウ君が要るという。ガンギマって頑迷にもなっているデュラハンと違い、デカトンはまともなので、流石に、言う。「本音を聞かせろ！　本当にコイツなら勝てると思っておるのか？」 #犬界主

デュラハンは、頑なになっているだけではないのか。勝てる見込みは、本当は、デュラハンとてないのではないか。だったら、見込みのない勝ち、ハオウ君など捨てて、逃がすべき玉の一つ、死の司神の、陪神の、とはいえ四大神獣の一柱、逃げられるかもしれないレムレス君を、逃がすべきだろう。 #犬界主

デュラハンは言う。「無理だっ！　どう考えても……　……我とて　倒せるとは思っていない」おい…お前がそれ言っちゃいかんだろ…「だが生体金庫はハオウが倒す」…あぁ！？　無理だと考えてるんだろ！？　倒せるとは思ってないんだろ！？　なのに、倒す、だと！？　確定事項のように！？ #犬界主

デカトン、戦慄の冷や汗を浮かべ、つかつかと近寄る。「ピュアがそう言ったからか？」「そうだっ！」「ピュアを信じているからか！」「信じているからだっ！」狂ってる！　が…「糞ったりゃあああああああ」ハオウ君を守護（まも）るデカトン！　安堵の冷や汗をかくデュラハン（お前…） #犬界主

そのレムレス君たち。三大老も悟ったようなのだ。この隠し玉を、デュラハンやデカトンらレイスは恐れていた。あいつらよくもダマテンしてやがったな。最小障壁範囲で最大防御！　いくぞ！　…貫通する魔法則超酸性雨。ダメ！ #犬界主

シタタル、直ちにレムレス君を弾き、後続に告げる。「レムレス様をレイスの元へ！」デカトンの声が聞こえる。あそこだ！　バケツリレーを始める翼手隊たち。宙を舞うレムレス。三大老、シタタル、ダニ型飛行艇、死んでいく。翼手隊、死んでいく… #犬界主

惨敗戦もいいところだ。「何なんだ　何故こんなことに……？」混乱しているレムレス君。「レイミア姉様　どこ？」そして…蒼い灯。レムレス君の腹部から。 #犬界主

「いったいどこから間違えた？　私は……」走馬灯。始まりはピュアたまだった。その後は虐殺と拷問の記憶。こいつを止められる者は、止める者は、事実上いなかったのだから、罰せられるとも悪いとも思ってはいなかっただろう。だからこれは単なる思い出だ。ホンマコイツは… #犬界主

しかし、その果てに…稀男が来たのだ。自分を餓球食殺刑部隊に食い殺させた、半命を失わせた、あいつ。そして、今。残りの半命も…「いったいこれは　なんだったんだ……」レムレス君、死す！　全命、全部、溶けた！ #犬界主

レイミア様のことを思うと、可哀想になってきた。大事な弟とは、もう二度と会うことはないのだ。（ネフテュス＝ヘカテ降臨で全命で復活するのかも知れんが、違うなら本当におしまいだ…）この後、レイミア様、生きても死んでも、辛い…！ #犬界主

そしてそれはレムレス君を逃がし切ろうと思っていたデカトンも同じだ。おい、このちっぽけなハオウ君を守護（まも）っているうちに、レムレス君は死んだぞ。本当にこれでよかったのか？　よくないが？　キレそうな顔になっている。 #犬界主

翼手隊の一人が、キレながら言う。「よくも……レムレス様は最後まで　お前達を信じていたのに　なのに隠して……これを教えたら参戦しないからって　なんの説明も無しに……」そこは本当にそう。黙っているデュラハン。まあここでなんか言うようでは秘密主義は貫徹できまい。だがなあ… #犬界主

デカトンは鷹揚なので、敵意のある同盟者にも、言う。「いいからお前も入れ」「呪われろレイス　呪われるがいいっ！　呪われろ呪われろ　呪われろ呪われろ」当たり前だ。今や、自分より本家筋の、しかも隔絶存在であろうとも、主を死地に巻き込み、死なせた怨敵だ。呪いたくもなるわな。 #犬界主

で…爆発四散！「まだ小降だが緩めるな　全力で防ぐ」デュラハン、見もしない。防ぐのに全力だ。「わかっておるわ」デカトンも全力だ。つべこべ言ってられない。魔法則超酸性雨は、リッチ・ヴァンパイア三大老たちやカーダイデス将軍では防げず死んだが、レイス二柱でなら防げる！ #犬界主

殺技軍団の一人が察する。この魔法則超酸性雨は化石化ネプリであろうが防げない。貫通する。じゃあ、化石化ネプリのうろに隠れていても無駄だ。散開しよう。しかし、他の連中は渋る。少なくとも今は安全である、と。 #犬界主

「また防げるだで」「実際貫通してんだって！」「見間違いじゃないのぉ？」あー。あるある会話。「ずっとここにいて助かってんだし　下手に出る方がヤベェだろ」これがあるから、認知も当然全部その方向に傾くんだよな。 #犬界主

「そこにかたまってたら皆死んじまうぞ！」「オミャー間違ってたら責任とれんのけ？」「せっ？」「一粒当たったら終わりなんだで　もし間違いで仲間死んだらどうすんだ」できることなら動きたくない、動けない者たちに、命のかかった説得、困難だ。相互監視の穴掘りと似たメカニズムだ。 #犬界主

「だっ　だって貫通してたし……」「いや普通にしないだろ　アイツの酸は化石化ネプリは溶かさねーじゃん　常識だし」知識が認知の邪魔をする。「そのうえ　何層にも積み重なってんだ　ここなら大丈夫っしょ！」予断も判断の邪魔をする。 #犬界主

「外に出て雨よけろってなぁ　奥には動けない仲間もいるし」ここはツライ。仲間意識があったら逃げられない。本当に難しいところですよここは。 #犬界主

「いやだから今回は……」「どうして分かるだ？　オミャーどうして自分が「正しい」って分かるんだ？」うっ！　こんなところで哲学的問いが！　突き詰めればこれは、信頼できるかどうかの話だ。デュラハンもピュアたまを信じているから、愚直にも愚劣にもこういうことをしているのだが… #犬界主 #犬界主

「そんな……分からんよ」説得しようとする殺技軍団員は、自分の正しさを信じ切れなかった。正直なところ、それはそうで、当たり前なのだが…時間切れが来た。蒼い灯。爆発四散する仲間たち。これがワイからのクリスマスキャンドルや（尾籠先生、オニか？？？　このおでん臭！　機械油！） #犬界主

「ほらっほらっ　なっ！　ほらっほらね！　ほらっ」ああ、正しかったよ。誰も救えなかったけどな。だから、その正しさを誇るんじゃあない。そして…その彼の頭上にも、ワイからのクリスマスキャンドルが…（グッバイ…ハウスマンみたく、賢いがやれなかった、可哀想な殺技軍団員…） #犬界主

「アハッ　あはははははははは　綺麗ぇー」メンタルが削れてきているのか、綺麗な海中でそんなことを言う別の殺技軍団員。だが…魔法則超酸性雨は化石化ネプリどころか、海底だろうが（魔法則超酸性雨は海水とは別の物質なので）貫通し、中の潜水艦隊を爆発四散させていく。グロし！ #犬界主

逃げ切ろうとする潜水艦。しかし、減速する。なぜ？　レイミア様の障壁！「突破できねぇのか？」「無茶ゆーな　リョースでさえ破れないんだよ？」逃げられねーじゃねーか！「レイミアババア　早よ死ねやああああああ」死んだら解除されるからね。可哀想なレイミア様。 #犬界主

そして、爆発四散する潜水艦隊。可哀想…後は地形に隠れているしかないが、これも危うい。地形の素材は何なのか知らないが、化石化ネプリやオリハルコンで魔法則超酸性雨を防げないのはもはや明らかだ。多分いつかは貫通するだろうな… #犬界主

「うわああん　まさか2013年も丸々生体金庫描くはめになるとは思ってませんでした。しかし、来年には終わります。（そのセリフ何度も聞いたよ）はい言いました。ですが今度こそ2014年の春頃には完結いたしますので。それでは皆様、良いお年を。2013 12 31」…大変だったんだなあ。 #犬界主

初見実況、とりあえずここまでです。魔法則超酸性雨。マジの必殺マップ兵器。おい、これ、どうなるんだよ。レムレス君も死んだ。死の司神の陪神の四大神獣の一柱ともあろうものが、全命を失ったのだ。こんなことってありうるのか！？ #犬界主

かつての司神同士の争いでは、四大神獣の死はあった話だろう。四大神獣である四大魔王も、寿命による崩御のリスクが噂されてはいた。が、完全に死ぬのを目の当たりにすると、さすがに言葉を失うな。 #犬界主

とはいえ、よく考えてみれば、そういう意味では、稀男はとんでもなかったんだなあ。稀男の持つ運ぶ力。その由来である、運と偶然の司神テュケ。その裏表であり、過分な報酬を奪い返す、罰と禁忌の司神ペトベ＝ネメシス。その四大神獣、罰犬。これを、稀男は斃したのだから。 #犬界主

成果をもたらせなくする、どこにも行けず何も創れなくする、絶対失敗神獣グレムリンをも、召喚者のファージャルグを斃すことで退けてしまった。どちらも『胎界主』テーマ的には相当えげつないやつだったはずだ。稀男、本当に何なんアイツ。（死の神獣たちには勝てないが）（死、怖いね…） #犬界主

今日（2022/02/26）あと一本、書ければいいですが、決して無理はしないようにします。ともあれ、ご清聴ありがとうございました。そして、何はともあれ、レイミア様可哀想… #犬界主