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胎界主系(2023/8/6):『胎界主初見実況(第二部まで)を終えての全体的な感想』


0.ご挨拶

さて。犬神工房、胎界主初見実況、 #犬界主 第二部『ロックヘイム』全体分が終わりました。今から、『胎界主』全体の感想をしばらくつらつらと書きます。

「あれメチャクチャ長いし、なんか怖いオーラがあるが、読んで大丈夫なものか?」という未読者を考慮したため、ある程度のネタバレがありつつも、核心レベルの話は極力避けたつもりではあります。ご了承下さい。 #犬界主

1.天啓を得た人が、天啓を人に説明するタイプの作品

『胎界主』を読んでいて思ったのは、「世界を見ていたら、世界の背骨が視えてしまったような天啓があった。だから、その途方も無い素晴らしい天啓を、人に説明しようとしている。そういう物語なのではないか」ということでした。 #犬界主

2.真面目にテーマを見た時の色々

2.0.幾重もの壁があり、それを越えていく

『胎界主』、即ちこの作品における、同名の概念存在、『胎界主』。それは、私が解釈した限り、今までこの世になかった新しい何かを創れる、閉塞した世界の出口の外のどこかに行ける、そういう人たちのことでした。 #犬界主

「できない壁があって困っている」「壁を越えることができて助かった」という話は、何においてもつきまとう話です。この作品では、幾重にも重なる多種多様な「できない壁」の話と、それと同じ数の「壁を越える」話をしているのが面白いところです。 #犬界主

「できる」「できない」の壁のうちに、「創れる」「創れない」の話も組み込まれているのですが、それが別に終着点でないところが、この作品の誠実さとも凄みとも言えるでしょう。以下、私にも解釈できた壁の話について、一つ一つ読解を試みてみます。 #犬界主

2.1.「世界に実在できているか否か」

非常に初歩的には、「世界に実在できているか否か」の話があります。この作品の実在性の話は独特で面白く、『たましい』『たましいの力』という話があり、これをもって実在性について描き出そうとしています。 #犬界主

この作品では、全ての背景にある、突き詰めれば全てがここから生じてきた、全ての源というものが想定されており、<原典>と呼ばれています。また、実在できていないものを実在せしめる力をもつ、<原典>から生まれ出ずる個別の潜在的な何かを、『たましい』と呼んでいるようです。 #犬界主

たましいのもつ、実在しようとするはたらきが、他の生じたものと関わりを持ち、影響を及ぼす。ということが、実在するための契機となります。その様々なはたらきを、『たましいの力』と呼んでいるように見えます。 #犬界主

たましいの力は、たとえば、特定の事象が生じる可能性を増減させる『運ぶ力』とか、特定の法則に適合する事象のみを生じせしめ、適合しなければ生じさせない『正す力』とか、そのような形をとります。 #犬界主

ちなみに、「根源に還れば全て良し」という、しばしばある志向は、この作品では否定されているように見えます。黒幕の一人、<原典>に達した超常暴君ソロモンは、根源があまりにも退屈でつまらなく下らないので、顕現し直そうとして色々足掻いているくらいです。根源だけではダメ。 #犬界主

2.2.「見えているか否か」

とりあえず、実在できたとします。生き物として生存できて、食って寝て生殖できて安逸に生きていけているとします。それで申し分ない、と言いたいところですが、これでは+αのことはできませんし、何かあったら災害や悪意に巻き込まれて死んでしまいます。 #犬界主

より多くの+αができるようにするためには、それらの回路が自分の中にあるか、あるいは何かによって影響を受けて導入されるか、そのいずれかが重要になってきます。 #犬界主

これらは要するに、「見えているかどうか」「目利きがあるかどうか」と言う話です。こうした目利きがなければ、それはやることなることデタラメになるし、メチャクチャな結果しかもたらされません。 #犬界主

この作品はシビアなので、目利きはあるが無力で巻き込まれる脇役(皆本世和志が特に顕著です)や、パワーがあるが目の付け所がおかしく、ここぞという時に事態を悪く持っていくことがある困った強者(アドニスが特に顕著です)の話もふつうに出てきます。 #犬界主

「見えているかどうか」が重視されている都合上、逆に「見えなくする」「あるのに気づかないようにできる」魔法、『認識ロック』は、この作品では非常に影響力の大きい魔法(この作品では『魔法則』)として機能しています。読者の我々も謎解きという形でこれに直面することになるでしょう。 #犬界主

何なら、第二部ラスボス、ピュアとの最後の勝負の、ある種の決め手にすらなるくらい、重要な話です。「見えてないとヤバイ」というのは。 #犬界主

2.3.「やれるか否か」

言うまでもありませんが、実際に+αがやれていなければ、やったことにならない訳です。単に目利きだけではなく、やれる才能までもが要請される訳です。才能が欲しい。外からの何らかの資源によって、あるいはそれだけではなく、内なる努力によって。 #犬界主

この作品では、『悪魔』や『骸者』(死の眷属)などの超常存在や、彼らに力をもらい(つまり、外から資源をもらい)、ある種の変身を成し、人間をやめた肉体強化者達(この作品では『躰化者』)が出てきます。彼らは人間をはるかに超えて強く、事実上何でもやれるように見える。 #犬界主

2.4.「限界に気付けているか否か」

で、実際、本当に何でもやれているか。そんなことはないんですね。彼らの強さにはたいてい「制約に反することはできない」「反したら存在できなくなるレベルのペナルティがあるので困る」という話がついて回ります。当然それはかなり大きな限界です。 #犬界主

また、もっと現実に寄せた限界の話もします。一般に、既に存在しているものを再生産することは、目利きと才能があれば非常に容易です。ただし、ありもので作る場合、ほとんどの場合、ありものしかできない。 #犬界主

ありものが欲しいのならば、これで何も問題はないでしょう。骸者のリーダー、死の神獣、死神レイスの一柱、デカトンも、丹精込めて己の精鋭部隊を作ることができる。しかしこれは作中では特段「創造行為」や「創造されたもの」として特別視されてはいない。 #犬界主

一方、「困っており、解決方法や改善方法がまだ存在していない」場合、それを創るのは一般に極めて困難です。ありものを超えたものを創る? どうやって? これはどう考えたって大変なことです。そうなると、限界はちゃんと見えていても、突破できないことは山のようにある訳です。 #犬界主

なお、目利きがあり、才能もあり、限界にも気付けているが、突破はできない、できなくなった者達(下らない権力闘争と生存戦略にうんざりしているハウスマンと、謀略と博打と裏切りと降伏で生存戦略を試みるドロクロド)の話も、この作品では描かれているのが面白いところです。 #犬界主

2.5.「創れるか否か」

そして、そこの限界を突破できて、何かしらの飛躍によって、今までこの世になかった新しい何かを創れる、閉塞した世界の出口の外のどこかに行ける、そういう人たちがいる訳です。やっとこの話にたどり着きました。 #犬界主

昨日まで世界になかったものを(旭化成のキャッチフレーズか?)創れる者達、この作品では『胎界主』と呼ばれる者達は、世界でやれることを増やし、今ある困りごとを解決しうる。腐った世界をマシにもできる。 #犬界主

2.6.「あげられるか否か」

そして、この作品が面白いのは、「創れるのはすごいことだが、それだけで善い訳じゃないんだよな」という、えらくシビアな価値観があるからです。題名にも採用した者達が、決して諸手挙げて肯定されている訳ではない、ときた。どういうことか? #犬界主

この作品では、悪い例として、「外の世界に行けるが、自分が好き勝手にやれることだけしか頭にないし、他人はサンドバッグとかそういうのに過ぎない」悪辣で危険な胎界主、丸大豆二鬼の話が出てきます。他人がいない世界観のやつは、胎界主だろうがダメ。と痛感させられることでしょう。 #犬界主

ちゃんとした例の話をすると、主人公『凡蔵稀男』も胎界主なのですが、半ば隠者のような生活をしています。稀男は、関わった人と死別すると、正気を失い、気を失い、ピクリとも動けなくなる、深刻な脆弱性がある。だから、そもそも他人と深い関わりを持とうとしない。 #犬界主

そして、創る者、突破した者は、その成果を、贈り物や献身や解決済の状況として、誰かにあげることがある。そうして、人と関わりが出来ていく。という話が、第一部でも第二部でもなされます。 #犬界主

第一部終盤では、稀男は全身全霊全力で面倒な案件を解決し、解決済の後腐れのない大金を、見ず知らずの子供にあげて別れます。第二部では、対ピュア部隊長タロット・アスの部隊員となった稀男が、医療担当の部隊員リースと関わり合いになり、紆余曲折の末、パートナー同士になります。 #犬界主

リースとの関わり合いで、目を引くのが、やはり、「あげる」ということです。手助け。手当て。指輪。靴。チョコ。別れの言葉。プロポーズ。 献身や贈り物や言葉。 #犬界主

もらって嬉しいもの。嬉しくはないが大事なもの。それらの果てに、絆が創られていく。実際、こうしたやりとりは人間関係では呼吸のようになされるものですし、ないとその関係は維持すら覚束ないでしょう。 #犬界主

ちなみに、あげることは、浅い関係でもできますし、「人間関係をプレゼントで決済して終わらせる」ことももちろんあり得ますし、その話も第二部でなされます。この作品は妙なところで丁寧なので、そんな話までするんですね。面白いところです。(決済された側は辛いところですが) #犬界主

2.7.「人への責任が、取れるか否か」

また、とてつもなくしんどい話ですが、これを言わないと嘘っぽくなってしまう、大事な話を、この作品では取り扱っています。何か? パワハラ気質の家父長的な胎界主が何人か出るのです。 #犬界主

「あげる」という話は、「人を育てて教える」ことにもつながります。この作品では、そこの話を直接は行わず、失敗例を描いています。膨大な妻と子の、夫であり父である、ネグレクトDV子殺し地獄親父レックスの話が、ここで立ち上がってきます。 #犬界主

レックスは、自分が優れた胎界主であるため、自分の息子が自分よりさらに優れた胎界主であることを望んでおり、たくさんの女を魅了し、たくさんの子を産ませる、超俺様超雄コワモテイケメン自走式種バラ撒き男性器野郎です。 #犬界主

この時点でだいぶ悪辣なのですが、挙句、レックスは見込みのない息子を40歳になったら処刑して回るのです(本人は老化防止躰化のため若々しいまま数百年生きています)。最悪すぎる… #犬界主

稀男の相棒となった、格闘強者のルーサーが、正にレックスの息子の一人で、彼はレックスを非常に恐れています。第一部の終盤少し前、稀男やルーサーたちの前にレックスが立ちはだかり、稀男は事態を打破することを強いられます。 #犬界主

レックスはその時、子育てと責任ということを口にします。人間は膨大な手間と時間といつくしみをかけられて育った存在だ。それを搾取・傷害・殺害する権利が、誰かにあったりする訳がない。 #犬界主

だが、大いなる責任を果たしているやつは、人への搾取・傷害・殺害ができる。特に自分は、息子を見て、生かしておくべきではない、殺すべきである、と判断し、責任感に基づいて、殺している! …恐ろしいことを言う父親です。そんな責任論、何ら人に寄与しないし、事態を良くしない。 #犬界主

何より、こんな話が息子に通じる訳がないのです。結果として、息子はスポイルされるのだから。あるいは、レックスに立ち向かうために、ルーサーのように悪魔の尖兵になる者もいる。そして、彼らはたいてい下らない人生を送り、基本レックスに処刑される。極めて不毛な話です。 #犬界主

そして、この作品は、育てることの失敗例を描き、実際に育てているシーンを描かないことで、結果的に家父長制のしんどいところを炙り出しているとも言えます。(作者がそれを意図しているかは分かりません。個人的には、「意図は、ある」と踏んではいますが) #犬界主

2.8.「場への責任が、取れるか否か」

また、超能力者(この作品では『球体使い』)たちの軍閥、東郷家もいます。家父長制、男尊女卑、縁故主義、派閥抗争、上下関係、パワーハラスメント。嫌な大人の嫌な部分の煮凝りのような体質の組織で、これもダメな人は一発アウトでしょう。 #犬界主

彼らがなぜパワハラ気質の家父長制を採用しているのか。ひどくぎょっとする話ですが、「人への責任、場への責任が、取れるかどうか」「取れないやつはどうするか」という問題を考えた時に、しばしば圧力や強制力がないでは済まされないからです。 #犬界主

贈り物や、献身や、解決済の状況や、言葉をやりとりしつつ、人間関係を創っていく話をしました。そして、己の損得しか頭になく、「あげても返さない」「あげないで奪う」やつは山のようにいます。東郷家より弱いヤクザもそうだし、東郷家より強い悪魔もそうだ。もちろん困る。 #犬界主

基本は、人々に、「奪わず、返す」という責任感と倫理観を持っていてもらうことです。が、それは、そういう環境でそういう育ち方や育てられ方をしていないと難しい。それも、できれば、子供の内に。そして、一人前の大人の社会の人間になったなら、その辺の責任はちゃんと取れていてほしい。 #犬界主

と言いたいところだが、自分の損得しか頭にないやつに、奪わないことも、返すことも、まず期待できない。だから、外からの強制力で、返させるように、奪わせないようにせねばならない。倫理観のない相手への非常手段は、たいてい要請される。 #犬界主

人にあげることはまだ綺麗ですが、人への責任、場への責任は、綺麗事では済まされません。面倒見をやると、温情主義、パターナリズムは、むしろやるべき責任として立ち上がって来る。とはいえ、結果としてパワハラ気質も生えて来る。困る。そういう話をしているように見えます。 #犬界主

2.9.「場を存続させられるか否か」

そして、とても困った話ですが、場への責任には、場を存続させる責任というものが含まれます。場においては、創ったものは消耗されて、ゴミの山と化して、挙句涸れるのです。そうなったら場は終わる。 #犬界主

だから、搾取を退けるための家父長制において、制度的な搾取がしばしば避けられなくなる。長期的に見れば、これは本当によくある話です。 #犬界主

人類を支配する悪魔たちは、自分たちの権益のため、場が閉塞して生産が涸れることを嫌います。そのために、突破や生産に寄与する人間、胎界主を、責任の伴う行為である約束、誓約によって、奴隷契約で縛ろうとします。これもキツイ描写が続き、ダメな人は一発アウトでしょう。 #犬界主

これでは、場は持続できるかもしれませんが、そんな場は住むに堪えないでしょう。悪魔たちは場を存続させる責任を背負っているかもしれません。ですが、そんな形で実現されるのであれば、およそ諸手挙げて肯定はしがたいのです。ひどく息苦しい、閉塞した世界に見えます。 #犬界主

こうして、下手をすると、創造行為は、レックスや東郷家や悪魔たちのような、家父長制のどん詰まりみたいな終点に行きついてしまいます。「ずいぶんとムゴイ話を書いているよなあこの作品」と思うところです。じゃあ、その先は? なんかないのか? #犬界主

2.10.「ゴミじゃないことができているか否か」

第二部では、ラスボスであるピュアが、異様な価値観を説いて、人々や超常存在たちを惹きつけています。終盤で、ピュアは対ピュア部隊にも説明をしてくれますが、脳に適性か忍耐力がないと訳が分からないところです。以下、解釈を試みます。 #犬界主

どん詰まりの流れの何がいけないか。一つには、創るものがゴミになるところがマズイ。今、機能するか、役に立つかという話には「意味」がありますが、それではいずれ使い潰されて意味を失ったただのゴミになりますし、場はゴミの山になります。 #犬界主

それとは別に、やると望ましい「価値」があります。これらはやれている時点で素晴らしく、将来的に成せたらまたそれも素晴らしく、それによって場はさらに豊穣で素晴らしいものになるし、閉塞も涸れもせず、存続し続ける。ゴミじゃないことをして、ゴミじゃないものを創っている。 #犬界主

「意味」があり「価値」もあり、そもそもそれらが切り分けられない事柄。人がやればやるほどよく、ゴミになることもない事柄。これらを人間が実践するというプロセスを、<主流>と呼ぼう。これを指針として、やったり成したりしよう。そうすればゴミにも閉塞にも煩わされることはない。 #犬界主

2.11.「指針からの例外が常にあることを容認できるか否か」

もっともですが、個人的には思うところもあります。ほとんどの人にとっては、メシ食ってクソ垂れて存在を維持できて、つまりは「意味」をやって、その上で初めて<主流>をやっていられるのです。そしてクソは基本的にはゴミです。 #犬界主

メシ食ってクソを垂れて存在を維持して、その上で主流をやる以上、ゴミの出るプロセスは別段なくなりはしませんし、むしろ要請すらされます。そこは認めた上で<主流>をやらざるを得ないでしょう。ゴミに塗れることはないかもしれないが、ゴミを排除しきった世界がもたらされたりはしない。 #犬界主

目的が「ゴミじゃないことができているかどうか」 ではなく、「ゴミのない世界を創れるか」 であっては困るのです。ピュア本人は後者をも志向しており、ゴミしかもたらさない流れ、<傍流>を排除したい。では、粛清は避けられないし、世界は結局死体と残骸とゴミの山にならざるを得ない。 #犬界主

それに、主流に沿う訳では別にないし、ゴミをももたらしうるが、価値あるものをもたらしうる、良い流れも、たくさんある訳です。ピュアはそれらに価値を認めませんでした。でも、本当にそれでよいのか? #犬界主

具体的には、慈悲という価値を欠き、粛清をもたらす流れで万人を導かれても、万人のほとんどが持つ慈悲の価値観からすれば、こんなものは「人を殺す邪悪な思想」としか思えないでしょう。結局、救うべき、守るべき彼らを、ピュア本人が脅かしている訳です。 #犬界主

世界を生きていくには指針があると良い。しかし、世界には指針から離れたものが常にある。そうした、指針からの例外を、容認できるか? そこを容認できない者は、世界や人々を導きつつ、生きていくことを許さなかったりすることになる。実際には、ピュアの救済は侵略行為ではないのか? #犬界主

そもそも、ピュアは人々や世界を救おうとして主流を実現しようとしたのでした。人々や世界に絶望はしないまでも失望はしていて、すっかり忘れていたのですが、元々は慈悲が根底にあったのでした。 #犬界主

しかし、人々や世界を救うという慈悲の目的のために用意した指針の正しさが、実際には指針から外れた人々や世界への粛清として働いてしまっている。目的と手段を取り違えるようであってはない。救う方を優先し、正しさは二の次にしなければならない。 #犬界主

指針は良い。大変価値あることだ。だが、指針から外れたものを滅ぼすことに、決して正当性はない。指針から外れたものを滅ぼさない、そういう優しさとも度量とも言える態度が要請される。即ち、慈悲が。そういう話も、この作品ではされているように見えます。 #犬界主

2.12.「己の自由意志で指針の外に出られるか否か」

この作品では、自由意志ある創造者や支配者(つまり胎界主)に巻き込まれる、自由意志を手放した者たちを、胎界物と呼んでいます。たいていは胎界主たち(ピュアもそうでした)が彼らを蔑んで言う言い方になります。 #犬界主

そして、ピュアの主流による指針は、自由意志の道具、どこかに行くための灯台として機能するものではなく、実際には自由意志を手放してついていけばいいという安易な誘蛾灯になってしまっていました。 #犬界主

自由意志を手放した人たちは、ピュアについていくだけであり、自由意志は手放したままになってしまう。ピュアの指針は、実際には自由意志のある人にこそ大きな効き目があるものなのです。自由意志を手放したままでは、真価を発揮する日は来ない。そういう停滞状態になってしまっています。 #犬界主

また別に大事な話があります。指針は常に、非常に有用であるが、そのままでは例外を拾い切れない不完全な道具に過ぎない。人々が例外状況でも無理に指針をあてはめようとすると、たいていトラブルになる。ピュアの場合は特に慈悲に関する事柄で無力だった。これでは話にならない。 #犬界主

指針が無力となる例外状況では、自由意志でやるしかなくなるし、その中には指針の外に出ることも当然に含まれている。自由意志を指針に委ねていたら、もう何もできない。己の自由意志で指針の外に出られたタロット・アスは、ここでピュアと対決することになります。 #犬界主

2.13.「誰かに託せるか否か」

そして、第二部までで語られた、今のところ最後の話題の話をします。創造しても、支配しても、世界に指針を見出しても、指針の例外に踏み出しても、最終的には人は有限であり、死ぬ。その話からは、基本的には逃れられない。 #犬界主

そして、多くの人々は、どうするか。自分のやってきたことを、自分の生きてきた世界を、後世の者達に託しているのです。ここはソロモンもピュアも拒絶した道です。神威の如きソロモンは、自分が世界の主導権を握りたいのだし、神威を目指すピュアは、託さずやってみようと思っている。 #犬界主

一方、何も信じない稀男は、ある時、目の前の事態を、ある相手に託します。託すにはどうにも頼りないそいつに。稀男にはもうできないが、そいつにならまだできることを。そいつができるとは全く信じていないながらも。事実上の丸投げながらも。それが、事態を大きく動かすのですが… #犬界主

と、だいたいこの辺までの話が、この作品の第二部までのテーマの全体のマップとなります。ずいぶんと大きく深く鋭い話を、びっくりするほど真摯に生真面目にやっているように見えます。そこは本当に素晴らしく、文句なしにこの作品の強みというやつでしょう。 #犬界主

3.真面目に作品を見た時の色々

3.1.エンターテインメントとしてはかなりヘン

さて、ここからはテーマではなく、作品としての話をします。あのう、メチャクチャぶっちゃけたことを言いますが、少なくともエンターテインメントとして見た場合、そうとうヘンな読み味なんですよね。 #犬界主

3.2.気がつくと説明をフォアグラアヒルのように流し込まれている魔技

この漫画は、とにかく書きたいことが先にあります。それらは、上で書いたように、読めるようにするには骨の折れる内容、しかも盛り沢山なので、読ませるためにあの手この手を尽くしています。 #犬界主

説明を極力退屈にならないように面白く描いて読者の脳に流し込むし、その都度話も進めてはいるが、気がつくと説明をたらふく呑んでいて疲れ果てて腰が抜けている自分に気付く。という体験は、この作品においては一度や二度ではなかったのですね。 #犬界主

よく、SFやファンタジーで、設定の説明がいっぱい羅列されることがあります。これ自体は、迫力があれば、そういうワクワク感をもたらすフックとして機能するものです。この作品でもそうなのですが、とにかく盛り沢山なので、半ば御馳走攻めの様相を呈してきています。 #犬界主

もちろん、読めたら、そして面白ければ、読者とすればそれで良いのです。とはいえ、この作品について言えば、なんか呑み下しづらいネタを魔技と剛腕でたらふく呑ませて来る御馳走攻めでお腹いっぱいになる、というかなり独特な読み味に仕上がっています。『鉄鍋のジャン』の小籠包風春巻か? #犬界主

3.3.中だるみやストレスがあろうが、必要な下ごしらえだから、それらは断固描かれる

世のコンテンツ、長く続くと、どうしても展開の中だるみがあるものです。特に、この作品では、魔技と剛腕をもってしても呑み込みきれないことが多々あり、そうなるとだいぶ苦しくなってしまいます。 #犬界主

また、世の作品の傾向次第では、読者にストレスをかける鬱展開が含まれていたりします。この作品について言えば、様々な圧力や破壊や死があり(しかもそのいくつかは性が絡む)、ダメな人は一発アウトであろうシーンも多いのです。 #犬界主

そしてこの作品では、それらはなんと断固として必要なシーンであり、実際に後でその再演と答え合わせがなされます。私も何度か、分からせられる度に、震え上がり、悲鳴を上げたものです。ここは本心から言いますが、そういうのに耐えられそうにないなら、やめといた方がいいでしょう。 #犬界主

3.4.目的は後で形を得ていくが、それまでは訳が分からないまま巻き込まれていく

あと、主人公、凡蔵稀男の価値観や、過去の経歴や、将来の目的というかTODOが分かってくるのが、かなり遅いんですね。これは初期に特に困る話です。 #犬界主

この作品が『世にも奇妙な物語』めいた怪奇物語であり、稀男の行動原理が『ゲゲゲの鬼太郎』めいた超常人助けであることはすぐピンと来るでしょうが、その他のことは開示が遅いんですね。 #犬界主

稀男は第一部では、人助け以外にやりたいことなど別段ないのです。様々な事件に巻き込まれて、人助けに挫折し、その克服のために暫定的に示されたとある目的のために、第二部の舞台に旅立ち、第二部ラスボスのピュアから、願いを叶える超常手段を横取りしようとするのです。 #犬界主

そしてなんとこのために第一部が丸々費やされるのです。その間巻き込まれている読者は訳が分からないので、「何の話!?」とか「ナンデこんなことを!?」とかが不明瞭なまま、だいぶ不安な気分にさせられます。 #犬界主

それでも、「稀男は己のいろいろをこんな早くから開示するようなやつじゃないし、それをやるとわざとらしくなる」のは良く分かります。それに、稀男のいろいろは、読んでいるうちに形が見えてくるから、何とかなるのです。が、それまでは、読んでてずっと「???」となったりはしますね。 #犬界主

3.5.各章の終わり方

そして、第一部はなんかヘンなところで終わります。第一部の舞台から第二部の舞台に旅立つのを妨げる、強いが所詮は魔王の刺客、カードゲーム達人インキュバス・アリムが、第一部の最後の敵になってしまうのです。何それ、と肩透かしを食らうところです。 #犬界主

それまでの回は、自称真の胎界主レックスのパワハラ圧迫面接でした。見るからにレックスの方がラスボス感があるのですが、この作品ではそうはならなかったのですね。そして、「ここ」から「あそこ」までの通行を阻む試練、所謂「境界守」が、「ここ」のラスボス級より強い訳がないのです。 #犬界主

また、「ここ」から「あそこ」までの最後の場面なので、確かに意味合いとしてはこのエピソードで区切るしかなかったはずです。が、アリムが最後の敵としてはともかく、ラスボスとしては存在級位が低いから、肩透かしを食らう感じになるのはどうにも否めない。(本当に酷いこと言ってるなあ) #犬界主

これに比べれば、第二部の終わり方ははるかに受け止めやすかったです。ピュアの得た超常能力は、視覚的にも恐ろしさのよく分かる力だったし(後述)、ピュアが最後の敵であり、またれっきとしたラスボスであると、文句なしに納得させられます。 #犬界主

3.6.全体小説ならぬ全体漫画として見る

話は飛びますが、人の世を全部描き出そうという志向に基づく(はずの)全体小説というジャンルがあります。私は、文章を書く人としては「自分も是非これを書きたい」のですが、読者としては「手間暇かけて挑戦するにはダルイ」とも思っています。 #犬界主

ルネサンス期めいた万能人への志向というのがあります。つまり、世界の知識を体系的に持っていたいというニーズです。世界の体系的な知識は、それ自体が素晴らしい。作家の場合、そういう体系を描き切りたくなるという誘惑が、あったりするのです。 #犬界主

とはいえ、作者の視野が、世界の学問や社会の産業や政府の省庁を全て把握して体系化できていることはまずない。それに、作者の中には興味の濃淡があります。だから、全体小説には、「あれがない、これがない」と突っ込まれるという弱点があります。結局は興味のある話を書くことになる。 #犬界主

おそらくこの作品だと、「モノやコトの創造」「生産と産業」「ヒトによる場の維持」ということには力点がありますが、「工学・技術」「(権力ではない)行政」を描くことには、それほど重きを置いていないように見えます。(軍人や警官はなんか勤勉ですが) #犬界主

とはいえ、「工学・技術」や「行政」についてしっかり描いて、それが面白さにつながるならいいですが、この作品の場合、おそらく煩雑さが増すリスクの方が大きいでしょうね。 #犬界主

また、作者ではなく読者の側としては、「世界の興味のないことまで教えてもらってても、未知のジャンルへの驚きと好奇心よりも、退屈が勝る」という話は常に付きまとい、そこも全体小説のかなり大きな弱点となります。#犬界主

個人的な体験としても、中学校の図書館で『ああ無情』の日本語版を読んでて、人の世のいろいろを描いていてすごいのはひしひしと伝わってくるが、退屈な箇所はもうどうしようもなくうんざりさせられた記憶があります。 #犬界主

なお、今までの話で大体分かると思いますが、この作品は全体小説(全体漫画)です。まあ、安易に手を出すと、面倒です。そこは正直に認めます。私も、初見実況を終えるために、なんと5年もかかったしな。聖書の輪読会か? #犬界主

そして、この作品ではさらに、人の世を俯瞰した上で、人の世を越えた何かも書きたいようでもあるのです。全体小説ではあるあるです。が、そこでこの作品はオチのために古い信仰や古い革命思想を持ってきたりはしません。そこは『ああ無情』とはだいぶ違いますね。 #犬界主

古い信仰や革命思想で、万人が処世できたり浮世を忘れられたり己の居場所を作れたりするか? そうとは限らない。それどころか、ふつうそういうことには全く適してない。 #犬界主

古い信仰は、物質的に不足がある時の閉塞を埋めることがありますが、物質的不足を解決せず、問題を保持し続けるという副作用があります。また、革命思想は閉塞を実効的に解決することを標榜しますが、下手するとしばしば死体と残骸とゴミの山をもたらす。ここはもう既に広く知られた話です。 #犬界主

それに、古い信仰も古い革命思想も、下手すると直ちに「信心を欠く不心得者や反革命的既得権益層は、罪悪感や羞恥心を抱け。そしてそれに基づいてこちらの要求を全部呑んでいろいろやれ。やった以上、お前らは同意し、全責任を負ったことにする」という話に堕します。 #犬界主

そして、この作品では、前述のような「罪悪感や羞恥心による自由意志と行為の支配」は、はっきりと「人間を奴隷や資源にするための手法」として否定されています。だからこそオチとしては採用できなかったのでしょうね。今となっては安直に過ぎるから。 #犬界主

さて、だとすれば、この作品はどういう話に着地するのか。何かすごい、見たこともない切り口が見られるんじゃないか。個人的には、そういう期待を胸に、第三部を読んでいるものです。 #犬界主

また、第二部から少しずつそうでしたが、第三部から本格的にフォーカスがあちこち飛ぶ群像劇の様相を呈しており、そこも面白いところです。ただ、読んでて今までの数倍、体力や気力を食います。そこはそういうものです。人によっては、より一層「何の話!?」となり、大変かもしれません。 #犬界主

3.7.自主制作WEB漫画で良かったなあ

そんな訳で、エンターテインメント、あるいは作品として、読者がスムーズに受け取れているかというと、むしろ「何が起きてるんです!?」と頭の中がハテナマークになることも多かったのですね。 #犬界主

ヘンな話ですが、たぶん自主制作WEB漫画だからここまで出来たはずです。編集者がいる紙の雑誌だったら、ふつうに打ち切られて、ここまで続けさせてもらえなかったのではないでしょうか。 #犬界主

あと、もし編集されてたら、話の根幹までの「必要な」遠回りはバッサリ省略されて、読みやすくはなったかもしれませんが、物語の意味合いもまるで違ってしまっていたでしょうね。そしてそれでは、作者が話したい話の内容としては、不完全で不満足なものにならざるを得なかったはずです。 #犬界主

4.やはり、なんて素晴らしいんだろう

4.1.愛嬌と人徳と信頼

もちろん、WEB漫画だからといって、読んでもらえる保証は何もありません。この作品に、愛嬌と人徳と信頼がなかったら、このギリギリの切れ味と、そこに込められた意味合いを、そこまで読み込んではもらえてなかったでしょう。 #犬界主

で、この作品には愛嬌があるんですよ。斜に構えて見えるが、不躾に一線を越えない敬意と、それでも呼ばれた時は必ず助ける、半ば呪いのような優しさを持ち、その路線を貫くことで生ずる問題と生真面目に向き合う、そんな主人公、凡蔵稀男。困ったやつですが、目が離せない。 #犬界主

その他、多くのキャラが、己の在り方や、直面する問題に、それぞれ生真面目に向き合っている。そして、事を成したり、善を成したりします。 #犬界主

中にはとにかくとてつもなく迷惑なやつらもいて、それはどうしようもなく受け入れがたいのです。が、彼らは彼らで、世の中の身も蓋もなさとままならなさを教えてくれてもいます。 #犬界主

そして、何より、この作品の作者は、何かとてもすごいものを見て、この作品を通じて、例え話で、その何かとてもすごいものを何とかして伝えようとしてくれている。そういう人徳が感じられますし、「じゃあ、話に付き合っていこうではないか」という気にさせられます。少なくとも、私は。 #犬界主

そんなこんなで、私は熱心な読者になってしまっているし、しゃぶり尽くすように読んでいました。もちろん、誰もがそうではないでしょう。脱落する人、反感を抱く人、衒学的サブカルオカルトだとバカにする人も、いて当然でしょうし、私もわざわざそこでガタガタ言う気にもなれません。 #犬界主

4.2.ピュアの超常能力の説得力(詳しい説明は避けます)

それはそうと、この作品、オモシロポイントはちゃんと多いんですよ。今回は特に、第二部の謎のラスボス、ピュアの叶えたい願いの実現方法と、正体の話をします。(もちろん皆様の目で確かめてみてほしいので、直接の言及は避けます) #犬界主

たいてい、最も分かりやすい力とは、物体を動かしたり壊したりする力学的な力です。これに関する学問として、自然科学の中でも物理学の一部門、力学があります。 #犬界主

さて、物体は、図形や空間の性質に従って運動します。物を投げた時の放物線軌道は、中学校数学では佃煮にするほどよく見る二次関数のグラフそのものの形を取ります。ひどく雑な言い方をすると、物や力は、形の幾何学的な性質に従わざるを得ない、ということになります。 #犬界主

有名な漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の、形ある超能力、スタンドが好きな人は割りと多いでしょう。んで、「ぼくのかんがえたスタンド」みたいなネタ披露をして楽しむ人たちもかなりいらっしゃるでしょう。私もその手合いです。 #犬界主

『ジョジョの奇妙な冒険』だと、「物理能力はとても強い」「空間能力は超強い」「時間能力はラスボス級に強い」等々の傾向がありますが、この中に「形状能力はヤバいくらい強い」というのもあるのです。 #犬界主

『ジョジョの奇妙な冒険』第四部主人公、東方仗助のスタンド、クレイジー・ダイヤモンドは、破壊されたものを復元するが、それはそれとして破壊もできるし、何なら復元時に歪な復元をすることすらある、という、お優しいような手厳しいような能力でした。 #犬界主

で、ピュアの得た超常能力は、これをさらに野放図にした感じで…まあ、後は読んで下さい。確かにそれはメチャクチャヤバい、とご納得いただけるかと思います。挙句、ピュアは救世主めいた志向があり、その力で世界を…これも読めば「神気取りか!?」と愕然とするかと思います。 #犬界主

4.3.ピュアの正体の説得力(詳しい説明は避けます)

なぜピュアはこんな救世主めいたことをしようとしているのか? 本人が言うように、大昔から生きてるのなら、何らかの有名どころの宗教者ではないのか? 実際、外形的にはカルト教団の教祖に見えます。…が、なんと、これが違うのです。 #犬界主

宗教の役目の中には、「困っている人々に、世界の途方もない隠された事柄の意味や、示唆されているが存在はしていない目指すべき価値を伝え、困らないようにする」というものがあります。前者は学問、後者は道徳に関する事柄です。また、これは人を教えて育てることの延長上でもあります。 #犬界主

道徳は宗教がなければ存在しないのか? そんなことは別段ありません。他にも道徳を重点的なトピックとする文化の産物はいくつかあります。 #犬界主

そして、その一つの達人として高名な、おそらく大人も子供も名前は知っているし、エピソードもいくつか聞いたことはあるだろう、そんな偉人が、ピュアの正体なのでした。繰り返しますが、宗教で名前が上がることはないはずの、全くの別ジャンルの人なのです。 #犬界主

そして確かに、そういう人なら、秘密の事柄の意味や、目指すべき価値で、世界を導いてあげたくなるのかもしれない。しかし、だいぶ意表を突くところから引っ張ってきたな。そして鬱陶しい! 正体判明時に、皆様にもそんな風に唖然としてほしいのです。これ以上は説明しません。是非どうぞ。 #犬界主

4.4.第二部終のクライマックス以降は、やはりエモいし、グッと来る

そして、やはり、第二部終盤クライマックス以降は、クライマックス以降なので、ちゃんと感動的で涙腺に来る場面も多々あるんですよ。 #犬界主

ピュアが自分の野望について、大きな決断を下すシーン。リースが「帰ってくる」シーン。息子のチズに認めてもらえていない、ガイド役の部隊員ハンバーグを、ハンバーグに助けられてきたルーサーとアスが褒めて、チズに弁じてやるシーン。「遺言」。 #犬界主

長い戦いを終えて、幸せそうにチョコを食べるアス。父の無学なハンバーグが、それでも見繕ってくれた、素晴らしい本に、目を輝かせるチズ。最後に、歩いていく「皆」。 #犬界主

これらのシーンは、それまでの文脈の積み重ねが怒涛のごとくやってきて、個人的には読み返すと時々泣けてしまうところです。この作品は、そういう意味では、申し分なく、感動作品であるのでした。 #犬界主

やはり、興味のある方々には、ここまで読み重ねて、そうしてこのシーンまでたどり着いてほしいですね。是非どうぞ。(こればっかり言ってんなコイツ) #犬界主

5.第三部連載中の今

5.1.第三部への期待

第二部終の時点では、未解明の謎はまだたくさん残っております。原典、たましい、真の胎界主、レックス、東郷家初代当主・東郷善、司神、四大司神、特にことばの四大司神トト=ロック、帝王、東郷主水、「きれいなソロモン」、六王サタナキア。 #犬界主

ピュアのその後、タロット・アスのその後、稀男のその後。 #犬界主

何なら、第三部でさらに増えた謎すらあります。君主魔王アスタロト、副王ルキフグ、サタナキア以外の六王、状態復元期、虹増一郎、生体兵器アバドン等。これらの謎の解明には、やはり、第三部完結を待たねばならないでしょう。 #犬界主

せめて仕掛けられた謎はちゃんと説明されて納得したい。そして、それが、全体として聞き終えた後で、本当に素晴らしい話であった、と思えるようでありたいですね。期待しております。 #犬界主

5.2.これからは皆様とご一緒に実況を楽しみましょう

ということで、既読者の皆様に追いつきました。これからは心置きなく、現在連載中の第三部実況を #今週の胎界主 タグで楽しめます。未読者の皆様も、宜しければ全部読んでほしいのです。そして、連載実況も、ご一緒に楽しみましょう。 #犬界主

6.ご清聴誠に有難う御座いました

それでは、これにて、この一連の記事を終えたいと思います。皆様、これまでお付き合い下さいまして、誠に有難う御座いました。ご清聴、誠に有難う御座いました! #犬界主

後日noteで全感想文を段階的に公開し、Twitterで周知します。
noteでの私(犬神工房)の胎界主系マガジンはこちらです。( 胎界主系|犬神工房 #note https://note.com/inugamikoubou/m/m8592eacd1c01
改めて、長い間、お付き合い戴き、誠に有難う御座いました! #犬界主

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