読書(2020/5/2):胎界主初見実況ログ(第二部一幕)第六話『キナモムム精神施療院』
(注:Twitterの該当箇所の過去ログ。誤字脱字等修正済)
第六話『キナモムム精神施療院』
胎界主初見実況。第二部一幕第六話『キナモムム精神施療院』(この原稿は土曜日の夜に書いていますが、多分投稿するのは日曜日の朝です)。どうやら前回の話だと、例のいけ好かない転送担当者・ンチャボコが発狂した後、送り込まれた先だと推測される。さて、どういう話になるのか? #犬界主
昔のハオウのエピソード。駆除師集団に雇われたが、実は民間人をも殺害する非道の強盗団だった。反抗の気配を見せるハオウだが、リーダーは魔法則師であり、真の名「タニク・ハオウ・シャミール」を使って、罰と禁忌の司神ペトベ=ネメシスの名において攻撃を禁じる。マズイ。 #犬界主
しかしハオウはリーダーの禁止命令以前にリーダーを斬っていたと言う。動くと死ぬぞ、このまま治療師と、あと兵師を呼んでくるからな、という例のパターンだ。 #犬界主
周囲の面々は、ハオウがそんなに速く斬れた訳がない、所詮は脅しだ、一斉にかかるぞ、とイキるが、全く迷いなく去っていくハオウに結局手出しできない。まあ脅しっていうか、マジでやりかねないやつだと思ったら、そりゃ誰しも余計な刺激はしたくないからね… #犬界主
ハオウ、忠誠心に値する主を探しているタイプの剣師なので、今回のリーダーは主に値しなかったんで残念だったね。しかしそこにピュアたまが現われる。マジックアイテムである魔剣シャミールの新しいふるい手として、ピュアたまはハオウに注目してきたという。 #犬界主
ピュアたまはハオウにある話を始める。「その昔ひとりの王子がいた」王子…だと…? まさかピュアたま、お前、ソロモンのせいで滅びたどっかロックヘイムの国の王子とかなのか!? いやそれではソロモンヘイムで布教していた話と合わない? #犬界主
それともハオウが滅びたオルク人の国(テオブロマだっけ)の王家の末裔だとか? それとも別の話か? ピュアたまが好むイソップ寓話に王子の話なんてあったっけ? とにかく何らかの王子の話をハオウにしたらしい。そこで過去話は終わる。 #犬界主
そして場面は作中現在のピュア殲滅部隊の手配師詰所へ。ドナルグ一味がモーグ親方を追い出して着任しに来たのだが、ドナルグのアテが外れる。何と稀男一行、死地である封印場から、しかも空箱とはいえ宝箱を回収して生還しやがった…! #犬界主
封印場を巡っては殲滅部隊本部と管理者リョースの間で利害対立があるらしい。その他、空箱や地形にも、安易に首を突っ込んだら破滅する類の秘密があるらしい。ということをドナルグにほのめかす稀男一行(本当かー? モーグ親方流情報戦をやってるだけでは?) #犬界主
ドナルグ、ビビって去っていく。気分のいいモーグ親方、銃弾を渡したりいろいろしてくれる。そして…本題のピュアたまの情報! しかし稀男はピュアたまと今正面切って戦いたくなさそうな気配だ。ふむ…? 幸い今回はピュアたまの居場所ではなく過去についての情報だ。 #犬界主
ファージャルグとレプラコーンら盗賊団がミスティリカ(確かドヴェルグ人の経済大国だったよな)の宝物庫に盗みに入った。その後レプラコーンはソロモンヘイムに逃げ、ファージャルグはハッグの保護下に入り手出しできなくなった。はい。 #犬界主
盗賊団員が今わの際に言ったのは、頭目のファージャルグはピュアたまのせいでおかしくなった、とのこと。はい。まあここは我々読者も概ね知っているところだ。だが… #犬界主
ピュアたまはキナモムム精神施療院から来たという。そうなの? じゃあピュアたまは実は妄想代理人(パラノイアエージェント)だったりするのか? まあそんな訳で、そこにはピュアたまの過去を知るバンシーがいるというのだ。 #犬界主
あまり熟練していないバンシー青年が頑張って輸送精獣を使って旅客しているが、そこに圧倒的力の差を見せつけてやってくるアスちんと稀男一行。今までの描写を見ると、精獣を扱うのはロックヘイムでも大変なことで、アスちんはやはりスゴいやつなのだ(そうは見えないけど) #犬界主
稀男の板チョコとは比較にならないほど高級そうなチョコを食っている、おそらくはバンシー人筆頭貴族・ボリック家の一員、(確かアトン教団とやらの)師教(確か最高権力者のはずだ)・ブーデおばさん。そしてハッグ。そういやこいつらコネがあったんだよな。 #犬界主
どうやらハッグはある条件と引き換えに、(この前閉鎖された)銀行へのツケをなくしてやろうと持ち掛けているらしいが…どんな条件なんだろう。あれか、ブーデには理解できないが、実はとんでもない厄ネタなのかな。 #犬界主
ブーデの愚痴トーク。老害たちはハッグの躰化の術によって若さを保って楽隠居している。自分は政治実務を押し付けられて面倒だ。自分も速く楽隠居したいなー。だそうですよこいつ。あとピュアたまに会いたいというが、ハッグはお勧めしなかった。何か思うところがあるようだ。 #犬界主
ブーデが去った後、昔のことを思い出すハッグ。当時のボリック家の老害どもに下らないことで呼びつけられてイライラしながら帰宅するが、何と自分に化けて侵入してきたやつがいるらしい。厳戒態勢になるハッグの館。もちろん侵入者はピュアたまとファージャルグだった。 #犬界主
ファージャルグ、ピュアたまに隠れているよう伝え、この前手に入れたハズレ神獣石を手に応接間でビクビクしながら待機していたが…初手で精獣に食われかけて半殺しにされボコボコにされる。まあそうだろうね…お互い顔見知りだが、厳しいハッグはファージャルグを殺そうとする。 #犬界主
が、ピュアたまが現れ、ハッグ様に貢物を捧げる。この本は…後にアスちんや稀男も読むことになる、条件が揃うとアカーシャ球体や魔法則やマナ等の知識が読めるようになる、例の本、『ソロモンの鍵』! これとハズレ神獣石を捧げられるハッグ。 #犬界主
とりあえず話を聞く気にはなったハッグ、ファージャルグを解放する。ハッグはファージャルグに忠誠心を持たせる謎のピュアたまに対し、「顔を見せろ」と言う。ピュアたまは大人しく顔を見せるが、ハッグがそこに見たものは… #犬界主
さて、キナモムム精神施療院。おそらくネプリ液の中で夢師のテレパシーで精神を治していく治療を受けていたンチャボコ。一見まともそうに見えるが…ピュアたまが夢の中で治してくれたという。「今は全て正しく治ったんだよ」えー…俺が稀男でも「前の方がまともに見える」と言いたくなる… #犬界主
するとンチャボコ、おそろしく綺麗な目で「それはね 君が間違っているからだよ」と言い放つ。怖っ! そしてその後発狂の元凶となったアスちん(ソロモン)を見た瞬間また発狂してしまう。これ、ピュアたまに与えられたメッセンジャーとしての仮初の正気か? #犬界主
昔のハッグの館。ファージャルグがピュアたまのお言葉をプレゼンしている。要は、生成世界(この場合はロックヘイム)にお望みの司神を降ろし、そいつの胎界にすれば、管理者リョースも骸者も魔王も圧倒して、司神を召喚した自分たちの天下だ、という例の話だ。 #犬界主
ハッグはニコニコしているが、内心ではピュアたまを警戒している。直感で分かる。こいつは化物だ。手元にいる前にさっさと殺そう。が…ピュアたまに幻影を見せられる。鉄道の夢だ。前の駅はファージャルグ、今の駅はハッグ…(次の駅は骸者だ。そういや彼らも取り込んだんだったよな) #犬界主
ピュアたまを信じる暴走特急に、嫌な明るさの笑顔の人々が載っている。正しい方位へ進む人たち。破滅した人たちを間違った流れへ進んだ人たちと決めつける。嫌なやつらだなこいつら。だがふつうのフォロワーはそんなもんなのかも知れないな(という諦めが俺の中に湧いてきてもいる) #犬界主
ハッグはこんなカルト教団的な話にはついていく気がない。が、むしろピュアたまはハッグを高く買っていた。ファージャルグよりずっとピュアたまの本質を「見て」いる。ファージャルグは優秀なやつだが、到達前の最終決戦までついていけまい。 #犬界主
司神を降ろすような大それた流れは、当然大それたうねりを生むし、当然そこでは誰も彼もがギリギリの勝負になる。ハッグもピュアたまを出し抜けるかも知れない、とぬけぬけと言い放つピュアたま。ハッグの降ろしたい司神とピュアたまが降ろしたい司神はどうやら別ということか…? #犬界主
ピュアたま、ハッグは自分を利用すればいいし、自分の産むガチョウの金の卵は受け取ればいい、と平然とそそのかす。これはハッグのような実利を重んじる策略家だからこそハマる罠だ。そしてもちろんハッグは今も、ピュアたまを殺せずに利用してガチョウの金の卵を受け取っている… #犬界主
目覚めたハッグ。寝ているピュアたま。ハッグ、ファージャルグにピュアたまの目的を聞こうとする。が、ファージャルグは「俺ごときには見当も」とか分かってないことを言い出す。代わりに、ある話を始める。「その昔ひとりの王子がいました」…だと!? #犬界主
ピュアたまのシンパである院長と面会。ピュアたまは狂人としてではなく、実質ただのたちの悪い収容所だったここを改革しに来たのだという。完治者は増え(それは治療師にとっては超重要なことだね)、全てが正しく戻ったのだという(いかんやっぱりカルト臭のする話だ)。 #犬界主
稀男は院長に、ピュアたまは今や骸者と手を組んだ、死と滅亡の使者ではないか、と皮肉る。が、院長はにこやかに、深いお考えがあっての事でしょう、と処理する(あかんやつや)だが、まあ、骸者が現に襲撃をやめ、夜間以外徘徊しないというのは、住民にとっては超重要なことだ。 #犬界主
院長はまたどこかで聞いたような話をする。「その昔ひとりの王子がいました」…!!?? さっきから気になるその内容とは…ゴータマ・シッダールタ…釈迦!!!??? あー。そりゃ王子で布教なら正にその人がいたよな。やっぱり『聖☆おにいさん』オチだったじゃないですかーやだー。 #犬界主
しかし、どうやら違うようだ。ピュアたまは自分は釈迦ではないと明言している。えー…じゃあピュアたまの正体、いったい誰なんだ…? 分からん… #犬界主
釈迦は教えを説いたが、死後彼の正しさに達する者はおらず、仏教は本来の流れを外れていった。後世の者たちの「翻訳」、どれほど釈迦の正しさを反映したものやら(翻訳行為なしに原典を覗いてみたソロモンが超ドヤ顔をしており、笑う) #犬界主
当然、釈迦もこうなることは分かっていたはずで、それでも後世の者たちに託したのだろう。だが、どこまで腹を決めて託しきれたのだろうか。本当に安心して入滅できたのか? それは永遠の謎ですね。 #犬界主
で…ピュアたまはこう言ったという。「だからピュアは託さずにやってみようと思う」ウワー! すさまじい腹の決め方だ! 稀男は苛立つ。自分と同じフェイク野郎だと言ってバカにしたかったのに、リアルヤバイ人だった…そりゃ気に入らないだろうね… #犬界主
院長が言うには、ピュアはやはりソロモンヘイムからやってきて、製紙技術をロックヘイムに伝え、管理者リョースに認めさせたのだという。あの堅物の保守主義の塊のリョースをよく説得できたな。製紙技術っつったらソロモンヘイムでもインパクトのデカイ技術やぞ… #犬界主
院長、紙にピュアたまの似顔絵を描く。顔も素肌も見えなかったが、目は見えたのだという。それは重要な手がかりだ! しかし…その似顔絵は、大きな目とニッコリとした口元の、人間の顔というよりはシンプルな落書きって感じの顔だった。ちょっとホラーだ。 #犬界主
ふざける力の顔になっていた稀男、似顔絵を見て、悪意と凄みのある笑顔になる。一体何を思っているんだろうな。しかし、なーんじゃこりゃ。それとも本当にこんなやつなのか? (そういえばソロモンの干渉で出てきそうになっていた司神の一柱がこんな感じの目だったか?) #犬界主
過去話。ピュアたまが、さっきの釈迦の話を元に、「だからピュアは託さずにやってみようと思う」というオチで、ハオウにプレゼンしていた。しかしこの話には続きがある。何とイエス・キリストとイスカリオテのユダの話だ! やっぱり『聖☆おにいさん』じゃん! (やめんか) #犬界主
他の徒弟達は処刑されるイエスを助けなかった。イエスを疑い売ったユダは、心底悔いて自殺した。イエスに対する信仰や忠誠心においては、ある意味ユダの方が根深かったとも言える(そういうものか?)正しさを歪めていく後世の者たち、真剣な裏切り者にも劣る、とピュアたまは言い放つ。 #犬界主
忠誠心に値する真の主を求める? そうだね。だが、ハオウくん本人は真の主を求めるに値するのか? 主を裏切り主に裏切られた時自殺できるほど真剣な忠誠心を持てるのか? そうピュアたまは問う。無茶だよ…だが、ハオウ、「できる」と即答する。ええー!? (隆慶一郎小説的決断的態度) #犬界主
ピュアたまも隆慶一郎小説的決断的態度で「信じよう 今からこのピュアが君の主だ」と宣言する。運命の出会いだ。ハオウ、ファージャルグが求めるような言葉も、ハッグが降ろしたいような奇蹟も要らない。ピュアたま、絵に描いたような大きな綺麗な目でニッコリと笑う。ここでこの回終わり。 #犬界主
ということで『キナモムム精神施療院』一旦ここまでとします。うおお、本物(ガチ)のカルトの人超怖いよう。だってこの人完全に本気(マジ)だぜ。何だよ「だからピュアは託さずにやってみようと思う」って…世界を自分の正しさの通りに書き換えれば教団は別に要らないとかの話? #犬界主
あと、ピュアたまの正体は逆に分からなくなった。釈迦かイエスではないかと思っていたが、ピュアの話ではふつうに両方とも死んでいる。ましてやユダでもあり得ない(これもふつうに自殺しているからね)。じゃあ誰なんだ。分からん。 #犬界主
あと、孤高のピュアたまにとっては、言葉や奇蹟ではなく相手その人に忠誠心を向けられるし、それが裏切られたと思ったら自殺できるほどのガチ忠誠心の持ち主のハオウは、貴重な相手だったのかも知れない。そういう意味ではピュアたまとハオウはいい破れ鍋にいい綴じ蓋なのかも(こらこら) #犬界主
あと、キナモムムはリースやカリテらバンシー人治療師、あと実は先天性疾患のあるバンシー人・ニスの稀男の出身地であり、因縁の地なんだが、そういう話は特に出なかったな。それは別の機会にやるんだろうか? …と、まあ、そんな感じです。ご清聴ありがとうございました。お疲れさまでした。 #犬界主
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