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内的経験と動機付けについて

こんばんは、治験のいぬです。
今日は、人がなぜ目的や意図をもって日々のお仕事に取り組むことができるのかについてお話しようと思います。

というより、自分で学生時代のノートを整理した内容になります。

CRCの仕事はとても大変だと言われており、
離職者も多いです。
正直、自分がなぜここまで長く続けているのか、
よく分かっていない部分も多いです。

学生時代の講義を振り返って、
なんとなく答えに近いものが浮かびましたので、
それらのメモとなります。

内的経験について

人間は、ある事態に直面すると感情を抱きますね。
 感情にはポジティブなものとネガティブなもの、
どちらにも属さないものがあり、その両方が精神的な成熟にとって必要不可欠です。
ざっくりいうと、感情に対して抱いた「感想」や「印象」が、内的経験になります。

例えば、スーパーで 100 円引きになっているバラ肉があったとします。(僕は嬉しい)

この事実に対し、AさんとBさんでは、
受け止め方が大きく違う可能性があります。

Aさんは「いつも使っているお肉が少し安くてラッキー」と思ったとします。
Bさんは「この店、いつも何かが売れ残って、値引きになっているな・・・」と思ったとします。

Aさんの受け止め方は、
自己主体の内的体験 (ポジティブなもの) です。
日々忙しいですが、こういう小さなことで喜びやポジティブな気持ちを持つことができるというのは、
大切な視点ですよね。

Bさんの受け止め方は、
環境 (スーパーの状況) に視座を置いた内的体験になります。
皆さんの中には、「この人ひねくれてるな・・・」と
感じた方も居るかもしれません。

あるいは、「安くなっている肉はドリップが出ていたりするし、使うのが怖い」という、
現実的な考え方をした方も居るかもしれません。
こういう考え方も、あり得ると思います。

 さて、単に内的体験について述べる際には、
2人の受け止め方の違いについて善悪の判断を行いません。内的体験は個々に尊重されるものですし、
他者が完全に推定・同定することは困難だからです。

Bさんは残業や休日出勤で疲労困憊だったかもしれませんし、
Aさんは絶世の美女にプロポーズされた後だったかもしれないからです。

仕事における内的経験

仕事においても、似たような事態が起こります。
Aさんは書類を2件作成したら褒められた。次もうまくやれるように頑張りたいと思ったとする。

Bさんは、2件の書類作成を終わらせ、早く高度な仕事ができるようになりたいと思ったとする。
「自分はいつまで基礎的な仕事をするのだろうか」
「先輩のようになれるのだろうか」という気持ちを抱く。

長期的に見て、仕事が続くのはAさんだと思います。

Bさんのような方で、常にストイックに長く働く方も居ますが、
能力が高いので上昇志向や転職志向で、
1つの会社からは離職していることが多いです。

あるいは、志半ばでギブアップし、業界から去ってしまうことも・・・。

このように、ある事実1つに対しても、人によって受け止め方が大きく異なります。

しかし、Aさんも、褒められることを理由 (動機) として業務を行っていると、いずれは成長が打ち止めになってしまいます。

動機付けについて

 さて、ここまで内的経験についてお話しました。
動機とは、やる気や目的という意味で用いられる語ですね。
古典心理学的にも、定義は大きく異なりません。

仕事においては、内的経験による動機付けが果たす役割の割合が大きいのではないかと考えます。

先の例で挙げたAさんは、長く仕事を楽しんで続けることができます。
しかし、ビジネスシーンで他者から称賛されるのは、
新人のときと、重役 (もしくは管理職以上) になったときです。
重役になった際には、表彰という形で貢献を称えられますが、
新人のときと比較して、機会は多くありません。
したがって、他者からの称賛に仕事の動機を委ねるのは、
ちょっと危険ということになります。

小さな「動機」の重要性

 過去の経験から、成功体験を再び味わいたい・続けてうまくやれるようになりたい・・・という、
自分で自分が「きちんとできているか」を評価することが大切なのではないでしょうか。
 他者が褒めてくれなくても、自分なりの基準で、自分がうまくやれていると認識する。

中堅の方に聞いてみると、意外と「今日は患者さんの対応がミスなくできたからいい日」とか、
「ミーティングに使う資料がバチッとキマッた」とか、
小さな内的動機付けに支えられていることが多いように思います。(さすがに上司に「仕事のやりがいってなんですか」とは聞けなかったです・・・)

たまたまかもしれませんが、
「誰かに褒められたから嬉しい」という方は、居なかったです。

僕自身も、誰かに褒められるためではなくて、
治験が正しく安全に遂行されるために必要なことをやっている
だけなので、褒められて嬉しいという経験は
社会人になってからはほとんど無いように思います。

おわりに

今日は仕事における内的動機付けについてお話してみました。
仕事で迷っている方、楽しみを今ひとつ見いだせない方は、
まずは小さな成果から自分を褒めてみるのはいかがでしょうか。
僕も、チームメンバーに細かな成果をフィードバックしようと再認識しました (いきなり褒められたら気持ち悪いかな・・・)


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