見出し画像

第43回:思い出し笑い「バカ万歳! はだか大好き!」(&ツルコ)


🄫ytv

第43回:バカ万歳! はだか大好き!

*intoxicate vol.98(2012年6月発行)掲載 

 開業しましたね、東京スカイツリー。あの押上がこんなすごい観光スポットになるなんて、驚き。


 その話題の開業の1週間ほど前に、〈歌うスタンダップコミック〉寒空はだかが4年ぶりのアルバム『東京モンド』をリリースしました。ご存じ(ご存じ?)の名曲《東京タワーの歌》に続く、《スカイツリー音頭・決定版》が収録されてます。サウンドプロデュースはシカラムータの大熊ワタル。気合い入ってますね。発売早々、浅草ではミスチルをしのぐ売上げを記録しているとか。東京スカイツリーのお土産売り場には並んでますか? 今作は、スタジオ収録の歌と実況録音の漫談がいいバランスで、聴き応えのあるアルバムになってます。特典映像のPVも収録されているので、まだ寒空はだかをご存じないかたも、この1枚でその全貌がわかるのではないかと。


 寒空はだかといえば口三味線ならぬ口ギター(?)で「ズンジャカジャカジャン、ズンジャカジャカジャン」と伴奏と歌を一人で演じる《東京タワーの歌》ですが、今回のアルバムにも入ってますよ。2000年のミニアルバム『東京タワーの歌』で初レコーディング、2004年のミニアルバム『俺様と私』にライヴ・バージョン、2008年のアルバム『いつも能天気〜寒空はだか実況〜』は《東京タワーの歌 Extended Version》(お客さんと合唱するオマケあり)ときましたが、今回は、ご本人曰くすごくシャウトしたのにそう聴こえない《東京タワーの歌》爆音バージョンをレコーディングしちゃってます。どれだけやれば気がすむんでしょう。オリンピック・イヤーには新バージョンの《東京タワーの歌》がお約束ってことですか。


 さらに本作には、前作『いつも能天気』収録のばかばかしすぎる名曲《バカの壁》が、柳家喬太郎や三K辰文舎の噺家さんたちバカ6人による合唱バージョンで再登場! もうすばらしいったら。バカすぎて。こうなったら、4年後のリオデジャネイロ・オリンピックのときには、「東京の芸人さん100人が歌いました」の大合唱バージョン《バカの壁》、期待してます。


 こんなおバカな歌を、何度もリリースするおバカっぷりにも脱帽。こういうことをしてくれるのは、十郎ザエモンさん(柳家喬太郎の「アナザーサイド」シリーズ等を手がけるプロデューサー)のゴーラック!レコードしかありませんですよ。バカ連発でごめんなさい。ここでのバカは心からのほめ言葉だと思ってください。おバカなことをまじめにやるって、すばらしい。


 それにしても、これを書くのに新譜、旧譜の両方を聴いてたら、耳に残っちゃってもう大変です。《東京タワーの歌》と《バカの壁》が双璧。本人が言う「耳に残って心に残らない」はまさしく。どうでしょう、嶺脇社長、《タワーレコードの歌》をこの人にリクエストしてみては? 寒空はだかが歌う「タワ〜、タワ〜♪」が店内に流れたら、お客さまの耳に焼き付いちゃいますよ。


 寒空はだかは、ボーイズバラエティ協会に所属し、東京を拠点に活動していますが、2010年から大阪の天満天神繁昌亭にも出演しています。毎年呼ばれているということは、上方のお客さまにも受け入れられているってことですよね? 今年も6月末に1週間の出演が決まっていますので、上方の皆さん、ぜひこのばかばかしくもすばらしい歌と漫談を、ライヴで! 


 上方といえば、今年は吉本100周年でいろいろ盛り上がっていますが、いよいよ桂三枝改め六代・桂文枝襲名披露が始まります。昨年7月の襲名発表から、もう1年経つんですね。初日の7月16日になんばグランド花月で行われる襲名公演は早くもチケット完売だそう。このおめでたい日に、桂三枝時代の落語が、DVDとCDの記念作品としてリリースされます。60年代の若い時代の落語から最近の高座まで、どどーんと一挙に蔵出しです。そしてこの日から、三枝改め桂文枝が1年半に渡って日本全国各地を回る披露公演ツアー、スタートです!


CD『東京モンド』
寒空はだか
[ ゴーラック! VGL-188]

DVD『さんしのすべて 桂三枝情熱映像集5 枚組DVD-BOX』
DVD5 枚+特典 蔵出し写真集
[YRBA-145 〜9]
さんしのすべて 桂三枝情熱映像集1〜5 単巻もあり

CD『さんしのらくご 桂三枝青春落語集5 枚組CD-BOX』
CD5 枚+特典 撮り下ろしスペシャル対談ブックレット
[ よしもとアール・アンド・シー YRCA-100] 5 枚組
さんしのらくご 桂三枝青春落語集1〜5 単巻もあり

思い出し笑いライン


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?